Dairy for Paranoid

AUGUST 2002

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JULY


02.8.30 Fri.  悩み中                  9.3 10:30
 人によってやり方はさまざまでしょうが。私が文章を書く時には、まず一貫するテーマを決めて、全体を3パーツくらいに分け、それぞれにどんな内容をはめこむか考えます。それから「書き出し」の一文をひねり出します。この一文がすんなり思いつくかどうかで、その文章の良し悪しが決まるといっても過言ではありません。
 最初の一文が出てくるのが、寝ているとき。就寝中に原稿について考えているらしく、目が覚める直前にぽんっと飛び出すことが多いのです。それがイケてるとなれば、あとはノリで一気呵成に書き上げられます。

 しかし出てこない時には本当に出てこないのも、また事実なのであります。
 どうしても思いつかない時には、仕方がないのでとりあえずパーツごとに書きはじめます。ただしノッてないので、時間もかかるし、論旨も怪しい。推敲に通常の3倍はかかるという体たらく。
サイトの文章で、ある部分とある部分で内容や調子がころっと変わっているものがありますが、大抵はスランプにはまった結果の産物です(苦笑)。
 もちろん、仕事の原稿はそんな状態では出せませんから、時間をかけて調整します。ツギハギが見えないように縫い縫い縫い(笑)。

 さて、今回勢いでイケたのは1つだけ。それは実質30分で書き上げました。が、あと2つは何とも出だしが浮かばず、文章も動きませんでした。いやはやまいりました〜。
最後の1つ、月曜日に間に合えばいいなぁ(溜息)。

 書き出しの一文に定評があるのは、「競馬ミステリ」のディック・フランシス。たった一行で読み手を引き込んでしまうその妙技は、ぜひとも体得したいところです。それでも、時々「弘法も筆の誤り」みたいな出だしがありますから。やはり難しいのですね(ふう)。

02.8.29 Thu.  上板橋                  9.3 10:03
 ってどこ?って聞いたあたりで、元・東武東上線沿線住民として失格。そして最寄り駅から1時間以上もかかることにショックを受ける。広いなぁ、東京23区。

 昔、仕事で訪ねていたアニメスタジオが上板橋に引っ越していました。最初に担当したスタジオがそこだったので、当時のエピソードを思い出しながら、新しいスタジオに伺いました。えぇ、最初に訪れたのは『魔動王グラ○ゾート』のラビのポスターの色校チェックの時だったなぁとか、『新世紀GPX サイバ○フォーミュラ』のイラストよく取りに行ったなぁとか(で、よく待たされたなぁとか)。
 今度は『PAL○TTA』のインタビューです。(なんだか10年1日、同じことをやってるような錯覚に陥りながら)女性の新進のキャラクターデザイナーさんに、アニメのキャラクターについて質問、質問。ところが、どこでどう間違ったか(笑)、スタッフの話や小樽の話に発展して、思いもかけない面白いお話が聞けました。でも誌面にできるかというと……。とっておきの面白いお話は、私の心の中にしまっておきます(ふふふ♪)。

02.8.28 Wed.  2ちゃ○ねる               9.3 9:23
 実は「2ちゃん○る」でチェックしている人物がいます。29日に出る「漫画家に対する名誉毀損」の判決で、私が興味をもっている人物に関しても、ある程度先が見えるようになるはずです。といっても、まだ1件、偽計業務妨害で刑事告発されているだけで、「名誉毀損」に関しては「訴えられそう」という段階ですが。
 なんで、悪趣味なウォッチをしているのか? 10年ほど前といえばニュー○イプ編集部にいましたからな。その人物からの手紙とか知ってるんだもんよ。当時のドタバタもかすかに覚えているので、まぁ興味もつなというほうが無理でしょ(笑)。ただし、絶対書き込みはしませんけどね。ヘタ打って、元の編集部に迷惑かけることになったらヤですから。
 それはさておき、その人物の所行が新しいネットワーク型の「犯罪」となるのかどうか、見届けたいと思っています。

 そんなことを、打ち合せの相手の方と話してました。本題は原稿の打ち合せだったのですが、いつしかギョーカイの話に。アンテナの感度がたいへんよい方で、いつもお会いするたびに教わることが多いです。ずっと何が問題なのか謎だった話や、現在の人気の動向など、いろいろお聞きしました。これで、私もしばらくは事情通だぞ(ふっふっふっ)。結局、3時間ほども話し込んでしまったんですね。その節はお時間いただきすぎてしまい、すみませんでした m-_-m。

02.8.26 Mon.  とりあえず                9.3 8:54
 上がり! 「アクションフィギュア」と「レジンキャストフィギュア」の原稿11本。
 実は正式タイトルも出版社も発行日も知りません(をい)。孫請けどころか曾孫請けくらいなので、そんなものです。でも、発売されたら見本誌くれるそうなので楽しみです。(文章はともかく)写真見てるだけで面白そうなので。
 興味あられる方がいらっしゃいましたら、いずれ書名・出版社をお知らせいたしましょう。

 『PAL○TTA』Vol.5、本格始動。先週からプロモーター諸氏やプロダクションに記事掲載の企画書を流してますが、今週から進行として組み立てを始めなければなりません。台割作って、各スタッフの進行状況を尋ねて。まだまだ「仮」なので、これから変動していくのは覚悟の上。しかし何かイヤな予感がする。
 自分自身の担当は、今回7本。企画書作って、必要な素材のリスト作って、描き下しイラストのラフ考えて、インタビュー質問状送って、取材依頼して……でもな〜んか肝心なものが決まってない気がする。やっぱりイヤな予感がする。
 どうも、この「イヤな予感」の正体が不明なんですが。何だろう。来月の今ごろの地獄が楽しみだな〜(違う)。

02.8.24 Sat.  資料がない!               9.3 8:20
 「資料はこれです。今、手に入るものは揃っているはずです。足りない場合はこのURLから拾ってください」。という言葉をうっかり信じてしまいました。
う〜ん、最初聞いたときには「資料を起こすだけの楽な仕事だけど、書くところが細かくたくさんあって、ついでに締切は1日でも早く(笑)」という前提でしたよね。だから現在、多少無理のきく私ともう一方に話が来たんですよね。……ウソやん。
 資料、フィギュアのサイズと原型製作者名しか載ってないやん。サイズと原型製作者名はフォーマット(必須項目)に出てるから、他に書くことないやん! 指定のURL見ても、出荷情報と値段しかないぞ。そのうえ、廃番分はモノさえ載ってないぞ〜! ついでに、まだ私はADSL引いてないんじゃ〜!!
 いやまぁ、事務所で書けばいいものを、自宅で書いてる私も私なのだが。ちょっと体調が悪くて、寝たり起きたりでないと仕事できないんだもん(ここで言い訳してどうする)。

 そんなわけで、終日ネットサーフィンです(がく)。こうなったら、マニアの方のサイトや、それ系の掲示板の書き込み、販売店の宣伝情報などから統計をとり、推量して、そのモノの造形のポイントや、最初に発売されたのはいつか、販売時にエピソードがあったかどうか、追究するしかない。でもって、実はそういうの得意だったりするのですが。しかし、今回ばかりは検索かけても出ないものが多くて、お手上げ!
11本しかないのに、えれぇ時間のかかること。いや、だからこそこういう本が重宝されるのでしょうが。
 明日も引き続きやってます、多分。

02.8.23 Fri.  そして深海へ……ごぽごぽごぽ       9.3 7:43
 それこそ滅多に来ない駅に降り立ちました。乃木坂駅です。本日の取材は、建築家・磯崎新(あらた)です。なら100年会館を設計した方といわれて、「ああ!」という感じだったのですが。さすがに建築には薄味ですから。
 ユニークなコンクリート打ちっぱなしの事務所に通していただいて、建築家というよりは大学教授の書斎のような部屋でインタビューさせていただきました。建物の外観は、コンクリートにガラスをスクエアに配置したスタイリッシュな造形。ところが内部は、壁はコンクリートでも、床や調度、作り付けの棚は木造で、間接照明が柔らかく、全然殺風景とも、冷たいとも感じませんでした。むしろ一枚板の重厚なテーブルや洋書の並ぶ書棚が中世のヨーロッパの趣き。さすがでございます。

 お人柄もまた、そのセンスそのままでした。第一印象はひじょうにスタイリッシュで厳しく感じたのですが、お話をうかがえば、言葉の端々に暖かさが滲んでいます。
日本では、本来「影」は、光に対してできる物の影ではなかった。「影」は光や姿を表し、「日影」「月影」は、太陽や月そのものを指しているのだということ。また日本から失われていく「闇」について、「目に見えぬものとの対話」について、とても興味深いお話をいただきました。

 さて、渡辺玉枝女史から磯崎新氏までの6名の方のインタビュー。いったいどういう形になると思われますか? 実はお一人につき1400字程度(400字詰め×3枚半)の原稿になります。10月に第1巻、第2巻が同時発売予定の100ページからある本の、それぞれ1人1ページ、1巻3人で3ページ分です。
ざっとテープを起こせば軽く8000字以上になるものを、1400字に収めるのもかなり四苦八苦です。特に、その方らしさやお考えをわかりやすく反映させようとすると、よけいに絡まる蜘蛛の巣の罠です。第1巻の3名様はとっくにすんでますが、第2巻の3名様、どうするかな?

 などと、考えながら事務所に戻れば、例の「食玩」本、「アクションフィギュア」「レジンキャストフィギュア」の項目の原稿追加! はうっ! ややこしそうなところは、もう一方(ひとかた)に押しつけて(をい)、とりあえず半分。つ〜い〜に〜原稿締切ハイ・プレッシャー海溝に入ったぞ〜。ごぽごぽごぽ……ごぷっ。

02.8.22 Thu.  台割作成                 9.3 7:10
 1冊、本の企画を抱えています。実現するかどうかは不明ですが(苦笑)。それについて、3回目の企画会議です。
 2回目の仮台割提出のために、出かける直前までイロイロいじってみる。実はこの台割作成が編集にとって一番重要な作業です。これがあれば、その本の中身がどんなもので、折数(印刷台数)やページ数、カラー/モノクロの比率がどれくらいかというのがわかります。なぜ台割っていうか? それはどのページからどのページ(1折)を1台の印刷機で刷るのか、印刷機(台)に割り当てる指示書だからです。平綴じ、中綴じ、平台にかけるか輪転機で回すかで、台割の形も変わってきます。

 閑話休題。それなりに大事なものなので、「仮」とはいえ気合い入れて作らねば。頭の中に本のイメージを浮かべながら、必要な要素をExcelのページ欄に入れこんでいきます。
 コンピュータ処理ができるようになって何が一番助かったって、台割作成です。昔は手書きだったので、ページ変更が出るたびにホワイトで消したり、紙を貼って上書きして、本が出る頃にはなんだか盛り上がったシロモノになったりしたものですが。1ページずれただけで、そのあと全部のページが動くこともあったので、そりゃ大変。でもExcelなら、変更自在、変更前のものも保存しておけます。台割作成はパズルゲームみたいなものですから、Excel万歳!です。
 ぺこぺこ打っていると、だんだんイメージがクリアになってきて、やりたいことやページ構成が見えてくるのですが。それをクライアントに説明するのがまた大変。始まったら、今度は時間との戦いになるのは必至。企画が通らなければ、これまでの作業はタダ働き(もうページサムネールまで出してるんだよなぁ……あうう)。
仮台割作ってるときくらいが、本当は一番幸せな段階なのかもなぁ。などと、ちょっと斜め後ろ向きな考えになりながら、打ち出して、会議に行ったのでした。
 ふふ、未来は神のみぞ知る。

 そしてこの修羅場に出ましたよ! 『トッペンカムデンにようこそ』5巻 征矢友花(秋田書店/プリンセスコミックス)! しっかり買って、早速読んで、ヤバいことに1巻から読み返してしまったり。「食玩」ムック本は終わったが、宝田明&コシノジュンコの原稿ダブルコンボが残ってるぞ〜! 帰ってこ〜い!

02.8.21 Wed.  デザイナーの館              9.3 6:40
 表参道をてくてく歩いていました。目的地はコシノジュンコのブティックです。
 店内は白い壁に、黒と赤を貴重にした衣装が並びます。黒と赤のシックな夜会服がオブジェのように存在感をうたっている、その2階のフロアでインタビューさせていただきました。
 おしゃれな店内に流れるのは、インタビューのテーマである「岸和田のだんじり祭り」の囃子。わざわざテープをかけてくださったのですが、最初は違和感がありまくり。でも、いつしか不思議に溶け込んでいました。ブティックの、そして衣装の基調に使われている赤・黒・白が、祭りのハッピの色に似ているところがあるからでしょうか。
 木綿の染めの風合いのある赤・黒・白は、どこか懐かしい日本の色。同じ色にも欧風もあれば、和風もあります。その細やかな色合いの違いにこだわって、デザインされているのですね。確かにこの方の「黒」は、いわゆるブラックではなく、墨染めに似た色合いで好きだったのですが。そんなこと、あんなことが、なるほど納得のお話でした。
 小柄でいらっしゃるのに、動きはきびきびと、話はてきぱきと。そしてあふれんばかりのパワー。仕事へのプライド含めて、感じ入ることの多い1時間でした。

 「ありがとうございました」とブティックを出て、帽子を忘れたことに気づいて駆け戻りました。毎度のことながら、何かしらポカしますな(がくり)。

02.8.20 Tue.  ADSL                   9.3 6:25
 食玩のムック本を書いていて、やたらネットに接続しているのに気づく。そもそもクライアントからの資料が該当サイトのURLだったりするので仕方がないといえば仕方がないのだが。他の仕事でもプライベートでも、ネットで検索することが多くなった。24時間、知りたいときに、さくっと情報が手に入るのは、やはり便利以外の何ものでもなし。これはそろそろ潮時かな。

 やはり通信費が原稿料を上回るようではいかんと思うのですよ(笑)。なので、ADSLを導入することにしました。夢の繋ぎっぱなし! さて、回線的にうまくいくかどうかは、連絡待ちです。

02.8.19 Mon.  食玩ムック               9.3 5:45
 帰省前に書いていたサンプル原稿がOKとのこと。んじゃ、やるんですね……海○堂の食玩&フィギュアのムック本。
 食玩というとグ○コのおまけで止まってる私にとっては、知らない世界。なので、その精巧なつくりや種類に驚きました。もう一人のスタッフと手分けしたので、「チョコラザウルス」、「深海生物」、鳥山石燕「百鬼夜行 妖怪コレクション」、「妖怪根付」、カプセルトイでは「ミニヴィネット」や「胸像」などの各シリーズの原稿を20本くらい書いたかな? すっかりミニ・フィギュアに詳しくなりましたとも。
 写真見ているうちにマジに欲しくなっちゃったり。危ない、危ない。ハマると自制が効かないタチなので、こういうモノに手を出したら、一気に財政破綻ですわ(苦笑)。そういえば、事務所の窓枠に小さなモノがゴロゴロ置いてあるのですが、「これがそれか!」なんて認識したり。『アキラ』の金田&バイクとか、鉄雄とか、『銀河鉄道999』のコスモドラグーンを構える鉄郎とか、よくできてます。見れば恐竜も深海生物も……事務所の誰かハマってたな(笑)。

 お仕事いただくたびに、いろんな知識が身につきます。それがこの仕事の醍醐味なんですが。あんなに小さなフィギュアにも、「ほほう」と感心するような事実が詰まってます。かなり前から「食玩ブーム」が起こっていたのは知っていましたが、ブームになるのもわかりますね。
 海洋○はボー○スと並んで『F.S.S.』のガレージキットと関わりがあったので、まったく知らない会社ではなかったのですが。それにしても、モーターヘッドのGK作っていた会社と食玩で再会するなんてびっくり。ついでに、海○堂が博物館などの恐竜や古代生物などの模型も作っていたと知って、これまたびっくり。

 何ごとも奥が深いものです。うん。

02.8.18 Sun.  Search for the hero           8.19 11:35
 私の好きな曲に、M PEOPLEのアルバム『BIZARRE FRUIT II』に収録の“Search for the hero”があります。英国で見つけた、私的にメチャクチャかっこいい曲です。

 You've got to search for the hero inside yourself,
 (deep deep down inside yourself)
 search for the secrets you hide.
 Search for the hero inside yourself,
 Until you find the key to your life.

 ヒーローを自分の中に探せ。
 それは自分の中に深く深く入ること。
 隠している秘密を探ること。
 ヒーローを自分の中に探せ、
 生きるための鍵を見つけるまで。

 すごく真実だなと思います。
 あなたの中に、あなたが指標にできるヒーローはいますか?
 自分の中にヒーローを見つけたら、その人はきっと強くなれるでしょうね。私はまだ探している途中です。

8.24
 サイトで歌詞を見つけました。自分のいい加減なヒアリングに鬱。
欧米のCDには歌詞カード付いてないのです。つか、歌詞カード付くのは日本くらい。だから日本のCDは値段が高いんじゃないかと思うのですが。ないとけっこう困るのも事実(苦笑)。
 正解を書いておきます。ちなみに上記は一部分(コーラス部分)です。全文はけっこう……切実です。

02.8.17 Sat.  取材                   8.19 11:20
 有名人インタビューシリーズ第4弾は、俳優の宝田明でした。
 宝田氏の事務所で約30年前のCMのビデオを見せていただいたのですが、私ったら当時の宝田氏と今の宝田氏を別人と認識していたことがわかりました(汗)。年をとられてからのほうがダンディですね。
 その約30年前の体験をじっくり思い出しながら、丁寧に話してくださいました。お聞きしているうちに、ひじょうに目のいい方だなと思いました。ごくたまに、色彩を事物の魅力として明確に網膜にとらえる方がいらっしゃいますが、この方もそのようです。
 同席の編集者に煙草を勧めたり、代わりに火を求められたり。なんだかネイティブアメリカンの交歓か、男同士のつきあいの第一歩という感じで、ちょっと仁侠の世界を感じました。

 この方の「男らしさ」の美学のようなものを伝えられたらいいなと思いながら。……あ、げ、原稿書かなきゃ!
その前にやらなきゃならない仕事もあり。実は、いろんな工程のものを4冊抱えてます。来週中に2つはMUST FINISH。あと2つはメドだけでもつけねば、なんですが。だ、大丈夫かな〜。あぁフルアップ気味ですぅ。

02.8.16 Fri.  マッサージに行く             8.19 11:15
 久しぶりに神戸に出かけました。マッサージを受けるためです。今回は足を重点的に。痩せた痩せたと言われて、「夏バテですから」と免罪符のように唱えてみる(笑)。

 今回の帰省の目的には、たしか資料探しもあったのですが。どうやら10年前に集めたあれやこれやは、古書店に売ったか、元の職場へ置いてきたようで、思いつく場所にはなし。結局、見つからない探しものに費やした2日間でした。
 友人からもお誘いメールをいただいたのですが、もう明日は東京です(泣)。ごめんなさい。

 「やっぱりコンピュータの本買わなあかんかな。お前に教わったとこから進歩せえへん」。ウ〜ン、いいところに気がついたね、父よ。もうちょっと早く気づいてほしかったけど。ってゆーか、教則本なしで今までどうやってPC使っていたのか、それが謎ですわ。ということで、父の「自分でやろう」運動に熱烈協賛中(笑)。

 19時34分、西明石発のこだまから、新大阪でのぞみに乗り換えて東京へ。明石の超うまうまなお刺身に未練を残しながら、旅立ったのでした。

02.8.15 Thu.  終戦記念日                8.19 10:45
 本日は祖霊の送り盆の日。そして57回目の終戦記念日です。

 今年は広島市、長崎市の市長が、それぞれの原爆記念日の平和宣言の中で、原水爆禁止の流れを逆行するアメリカを名指しで非難しました。
 そして、今日N○Kで『いま、対話のとき NY-カイロ-東京 若者たちのオープントーク』が放送されました。NYの大学生が8人ほど、カイロの大学生が8人ほど、そして日本からやはり若者が8人ほど。ほとんどNYとカイロの学生のディベートで進められたのですが。
 残念ながら、これほど不毛な対話もないなと思いました。そしてアメリカの若者が、9月11日からアメリカが行なってきた軍事行動に共感し、奨励している点にショックを受けました。それはいかにもWASPな人だけでなく、アメリカに留学している中近東の若者も同じでした。
 実は聞いているうちに、あまりの噛み合わない対話に疲れてチャンネルを回してしまったので、その後、どう対話が進んだのか、相互に理解があったのか、不明なのですが。そして、そんな状態で書くべきではないこともわかっているのですが。
 極論をいえば、アメリカ側の主張は、9月11日のテロはアメリカが世界を仕切っていなかったから起こったことであり、アメリカが自国民を守るために、テロリストをひいてはテロ支援国を攻撃するのは当然なのだそうです。
 対して、カイロの学生にとって、パレスチナとイスラエルの問題は袋小路に入ってしまったようなもの。パレスチナは、その土地を守るため、もはや自爆テロくらいしか手段が残されていない。これは日本が太平洋戦争末期に行なった特攻と同じで、力なきものの最後の抵抗の姿なのだとか。
 「世界平和」を語るのはけっこうですが、ここまで問題認識がずれてしまっては、対話になりません。「被害者数の多少で『ひどい』『ひどくない』とテロリストを分けることができるのか」、「本当にその国に住む人の立場に立って考えることをすべきだ」などなど、正論であるだけに歩み寄りのない会話が続いていました。その後、少しはお互いが建設的な意見を交わせたならいいのですが……。もし最後までご覧になった方がいらっしゃいましたら、展開を教えてくださるとありがたいです。

 たいへんに高みに立ったアメリカの学生の意見を聞いていて、「パックス・アメリカーナ」の幻想はこんなにもアメリカ国民を席巻しているのかと暗澹たる思いになりました。
9月11日のテロは許せません。あのような卑劣なことで、人は死んではいけません。けれど、アメリカはあの出来事を違う方向から受けとめるべきだったのではないでしょうか。なぜあのような事態になったのか、誰がテロリストを生んだのか。

 TVを見ながら食器を拭いていて、ふと今ここに爆弾が落ちてくる可能性もあるのだと思いました。私たちの世代は戦後教育が行き届いていたおかげで、平和を信じていません。「誰もあのボタンを押さないだろう」という思い込みだけで、今日1日を暮らしていることを知っています。
 ガンジーや釈迦を生んだ国が核兵器をふりかざすご時世に、「平和」とはいったい何なのでしょう。

 それでもまた、地球は一回転し、新しい1日を迎えます。その表皮にへばりつく私たちは、それぞれの生活を始めるのです。

02.8.14 Wed.  甥来たる                 8.19 9:13
 お盆といえば、親族の絆を確認する時節です。ということで、弟夫婦と2歳3ヵ月の甥が実家へやってきました。
 前に会ったのは、5月26日の祖母の三回忌の法要。あの頃はほとんど言葉を話さなかったのに、突如話せるようになったようです。「パパ」「ママ」はもちろん、「ありがと」、「しゃんぽー」、「くっく」、「ぼうし、かっこいいー」(本人限定)、「おにぎりー」(実はお寿司だ)とか、なんだか手当たり次第に語彙を増やしているもよう。
 母が出したクロメバルの煮魚は特にお気に召したようで、「さかなー」と言って口を開けば、義妹が魚の身をほぐして食べさせます。鳥のヒナ? 「はい、おさかな食べる人」と言うと、挙手して「はーい!」と答えて口を寄せてくるので、うちの父までがおもしろがって魚をあげる始末。
 自我も確立してきたようで、例えば巨峰。皮や種を取ってやっても承知しません。「いやー」とかぬかします。皮を剥いてないのは紫、剥いた身は緑で、見た目が違うからです。自分で巨峰を1粒剥いてみて、ようやく紫→緑の法則を納得。それからは、自分で剥くより、大人が剥くのを待ってぱくぱく。けっこう現金。

 反復運動も激しいです。一人がけソファの腕からよじ登って、クッションの上に立ってポーズ! そのままずるりと床に滑り降りて、また腕からよじ登ります。これを際限なくぐるぐるぐるぐる。落ちないかとはらはら見ているこっちの目が回ってきます。
 音の出るおもちゃは、延々同じ曲を繰り返しかけます。いい加減うるさくなった大人が、ボリュームを落したり、止めたり、他のスイッチを押したりすると、ヒステリーを起こして投げようとします。電子音は頭に響くので、もうノイローゼ寸前(あうう)。
 次は部屋の扉を「あっけろー」。開けると応接間、仏間、台所をくるくるくるくる走り回ります。途中、うっかり目を話すと階段に上がったりするので、油断できません。
 そして上目遣いで、何かをじいっと見たりします。そのさまは世界征服でも企んでるかのよう。

 まぁでも2歳。どうせ何も覚えてやしないんです。いずれ、あんなことした、こんなことしたと大人に笑い話にされて、「物心もついてないのに、自分の行動に責任もてるかよ、けっ」とか思うのです。
そんな甥の「あんなこと、こんなこと」をしっかり覚えておいて、若人になったとき、じっくり教えてあげようという私は、いけない伯母でしょうか(笑)。2歳児っておもしろいな〜と思った1日でした。

02.8.13 Tue.  火事                   8.19 8:53
 あるムック本のサンプル原稿を書いていて、気づいたら15時。16時から別所で企画会議があるので、慌てて所長と事務所を出る。と、外がいやに暑い! 冷房が効いてる事務所から突然出たせいかな、それにしては熱風が顔面に当っているような!? ちょうどエアコンの室外機の風を顔に浴びている感じ。
 「あれ、燃えてる?」との所長の声に、狭い路地を隔てた隣の2階建ての建物を見ると、屋根の隙間から白い煙りがもくもくと上がっています。「……火事ですね」「おい、隣が火事だ! 消防に電話!」という所長の声で、事務所にいたメンバーも外へ出てきます。ここは3階建ての建物の屋上(事務所は屋上に建てられたプレハブハウス)なので、下の様子がよく見えます。
 白い煙りはますます濃くなり、視界は紗がかかったようです。それに建材の燃える独特の匂いが流れてきます。ノドが痛くて咳き込み、眼からは涙が出てきます。1階へ降りるころには、見上げて気づいた人たちが路上にちらほら立ち止まっていました。おじさんが一人、「○○さん、○○さん!」と呼びかけ、その家の玄関を叩きますが、応答なし。家は外に洗濯物が干されてますが、窓はすべて閉まって留守のようです。
そのうちにサイレン鳴らして消防車登場。消防隊員が玄関を叩くと、ほっそり戸が開いて、90歳近いお婆さんが顔を出しました。細い声で「どうしたんですか?」と尋ねるお婆さんに、消防隊員とさっき戸を叩いたおじさんが「火事! あんたんとこが燃えてる!」と言うと、きょとんとして「ええ?」。「燃えてるんだ。早く逃げて!」というおじさんの傍に、ホースを引いてきた消防隊員が駆けつけるに及んで、ようやく事情がつかめたのか、「ええ、火事! まぁいやだわ」。なぜかまた屋内に戻ろうとするお婆さんを、おじさんが抱き上げるようにして外へ連れ出しました。
 「いや、いやだわじゃなく。あなたの頭上が燃えてるんですよ〜」というツッコミを心の中で入れながら、所長と打ち合せ場所へ向いました。途中、すれ違った消防車10台、救急車2台。何だか大ごと。
 約2時間後、事務所に戻ったら、すでに火は消え、消防車が1台だけ残っていました。事務所にいた人に事情を聞くと、天井裏の漏電が原因とか。ボヤですんだようですが、屋根をはがしたり、天井をはがしたり、水をかけたりしたため、室内はひどい有り様のようです。あの建物は、2階が居住区、1階にバーが入ってるので(火災当時はまだ無人)、いろいろ後処理がたいへんでしょう。
まぁ、この周辺は狭いところにビルが密集して建っているうえ、真夏の乾燥状態で、下手すれば大惨事になりかねなかったのですから、とりあえずほっと一安心。

 今日は実家に帰る日です。打ち合せから帰って、1時間ほど作業して、「では、実家へ帰ります」と飛び出しました。19時20分ののぞみに乗って、新大阪から在来線。実家到着は23時前ってところでしょうか。

02.8.11 Sun.  酔っぱらい話               8.19 6:45
 海風の強い朝。部屋の鍵が見つからず(笑)、探しているうちに日の出の温泉は逃したものの、海上にのびたきらきらしい「太陽の道」や、オレンジから白に変わる太陽を眺めながら一人温泉に浸かってました。
 6時前に部屋に戻ったものの、することもなし。結果、二度寝。7時40分の「お目覚めですかぁ。朝食お持ちしていいですかぁ」の電話が鳴るまで寝くたれてました。

 朝食も豪勢。カニのお味噌汁にびっくり。名物の干し魚は各自で焼いて、好みの焼き加減で食べられます。私はちょっと生しいくらいが好きです。夕べ結構食べたのに、朝もニ膳飯をぺろんごっくんな勢いでした。
食べてる間、『仮面○イダー龍騎』を見ました。昨日のN○Kといい、私の趣味にお二人を巻き込んでいるようで申し訳ないと思いつつ。『龍騎』初体験のお二人に、キャラ説明をしている自分にちょっと嫌気がさしたり(笑)。

 仲居が食器をガチャンガチャンと下げる音が神経に触るので、頃合を見計らってトイレに逃げてみました。それでも聞こえるガッチャン、ゴットン、ガチャガチャ。よく陶器の縁が欠けたりしないよなぁと感心。
まぁ、食器の上げ下げがうるさいだけで、話しかければ何でも陽気に答えてくれるおばさんなんですけどね。
フロントのスタッフもラウンジのコーヒーを慌てて鍋で温めてくれたり、絶妙のハンドルさばきで玄関ぎりぎりに止めてあった車を出してくれたり。36室規模の宿ならではの、気負いのない人情にちょっと心がゆるみました。

 さて道が混む前にと出発したものの、すでに国道は渋滞の兆し。夜は花火大会。その前に海水浴を楽しもうという人で、熱海ビーチはすでに混雑していたのです。ビーチの駐車場待ちが渋滞を呼んでいる道路を横目に、まずは熱海モダニズムの名邸「起雲閣」へ。
 ここは1919(大正8)年に海運王・内田信也が書院別邸を作り、1929(昭和4)年、鉄道王・根津嘉一郎によって洋風別荘に整えられた3千坪の邸宅です。「岩崎別荘」「住友別荘」と並ぶ日本三大別荘だった屋敷は、1947(昭和22)年に旅館となり、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治、船橋聖一らが宿泊者名簿に名を連ね、文豪の宿とも知られるようになりました。旅館が倒産したあと、熱海市が買い上げ、今は観光名所兼市民のホールとして活用されています。大正の書院の面影を残す「孔雀」、あらゆる西洋の建築様式・装飾が施された贅沢な「玉姫・玉渓」、ローマ風の浴室が特徴の「金剛」など、大正・昭和初期の趣味人の暮らしがうかがえる部屋、また尾崎紅葉など熱海ゆかりの文人の遺品などが置かれた部屋など見どころ多数。各部屋にボランティアの解説員がいて、丁寧に説明してくれます。結果、思ったより時間がかかりました。行かれるなら、最低1時間はみておくことをお薦めします。
 中の喫茶店で「熱海紅茶」なるものをいただきました。ここもボランティア・スタッフが運営しているのですが。お願いですから、聞こえるように、「熱海紅茶って何?」「え、熱海紅茶。知らんよ」「あ、ロシアンティーのこと? ほら、ジャム入れるやつ」「そんなんあった?」とか会話しないように(笑)。メニューに書いてあるものしか頼んでませんがな。そう、紅茶に熱海特産のオレンジマーマレードを入れたロシアンティー風の紅茶です(と、メニューに但し書きがある)。たいへんおいしかったです。

 さてレンタカーを返して、駅前の喫茶店でハヤシライスを食べて(昨日、宿のTVでカレー対決を見たので、それ系が食べたかったらしい)、いよいよ熱海ともお別れ。車の中から貫一・お宮の松と像も見たし、伊豆山からの熱海、伊東へ向う岬からの熱海も見て、なんとなく熱海という町が把握できました。
 下り方面のNさんとお別れして、Fさんと13時50分発のスーパービュー踊り子号に乗車。Fさんとは「熱海」ネタ、「アルカナ・スト○イクス」ネタ(ゲームだったんだ。知らなかった)、そしてFさんの職場の方の「酔っぱらい」ネタで盛り上がりました。Fさんはあまりお酒を嗜まれないので、それはもう冷静に酔っぱらいをウォッチされているわけです。中でも、いつの間にやら待ち合せ場所でラーメンをすすっていた方のお話が秀逸。酔った挙げ句に、どこかのラーメン屋に入って、どんぶりごと持ち出してきたもよう。そこでFさん、その方を車に乗せて最寄りのラーメン屋へ行き、どんぶりを返させたと。ところが、いつまでたっても出てこないと思ったら、今度はFさんへの土産にとギョウザをテイクアウトされたとか。ギョウザの匂いは車に移るんですよね。……ありがた迷惑ってありますよね。
なんてことで、笑っているうちにあっという間の東京到着。再会を約してお別れしたのであります。

 家に帰ったらFAXは来てるわ、メールは来てるわ。いきなり仕事モード。ついでに昼食のあたりから怪しさを醸していた肋間神経痛が出て、起きていられない〜。これには参りました。私には温泉効果はなしかい! 人を呪わば穴ふたつ!? というわけで、〆は冴えないことでした(がくり)。

02.8.10 Sat.  熱海旅行                 8.19 3:50
 前日の会議で確かサムネール用の原稿を作るように言われたような〜と思いつつ、5時に起床。さすがに前日20時に会議が終わってから、書く気力はnothingでした。一晩寝て、「あああ、やばい!」とダッシュで文章書き書き。
 はっと気づくと8時半。踊り子号は東京駅10時発。やばい!まずい!とじたじたしながら、文章をデザイナー氏に送信。「あとはまかせた!」と送信メールにつぶやき、その辺のものを手提げにぶち込んで駅に走りました。
 なんか嫌な予感がして、同行の方とは列車集合にしていたのですが、正解でした。どこかで待ち合せしてたら確実に乗り遅れただろう、9時55分、駆け込み乗車です。それでも同行の方をヤキモキさせてしまったようで、申し訳なかったです。私の人生、なんだか常にギリギリ(溜息)。

 熱海に着いてからの昼食をどこにしましょうと問われ、渡されたガイドブックを見ていて、ふいっと顔を上げたら、同行お二人は熟睡中。前はそれぞれ子どもを2人連れた親子連れ2組。後ろは横浜から乗車のガールスカウトの御一行。子ども独特のかん高い声が響く大騒ぎの車中で、よく眠れることと感心。お二人とも昨日はコミケにサークル参加されたので、お疲れなんですね。なんか帰りはビッグサイト脱出に4時間かかったって話だったし……。
 とか思っているうちに、海が見えてきて、まもなく熱海到着。私には初めての熱海です。駅前の商店街を歩くと、温泉まんじゅうの湯気が上がってました。が、連日36度の猛暑では、ちょっと体熱が上がる風景。それよりも和菓子屋さんの、冷水流れる水まんじゅうに惹かれる私たち。商店街をちょっとはずれた魚料理屋さんで昼食。あじのたたき丼は、あじが新鮮でやわらかく旨味が効いていて、値段もリーズナブルでした。やはり海の町なんですね。

 さて、今晩宿で飲むアルコールをGETだ!と勇んで回るも、商店街に酒屋なし。果物屋、パン屋、雑貨屋など、けっこう地元御用達の商店もあるのに。では、駅前の雑居ビルはどうだと入ってみたら、そこは土産物屋、婦人服飾、本屋、薬局、不動産などが雑然と入っている、まさしく雑居ビル。酒屋はなし。熱海って、特急の止まる結構大きな駅よね。なのに、駅前にスーパーがないのはどういうこと!? これだけ探しても酒屋がないのはどういうこと!? そうして生まれたキャッチフレーズは「清らかで健康な町・熱海」、ふふん。
 コンビニでようやく地元の日本酒(原種)を購入。レンタカーを借りて、さぁ熱海観光にGO!と思いきや、レンタカーのスタッフ曰く「明日の花火大会のために、国道は渋滞してますよ。熱海銀座方面(貫一・お宮の松があるあたりと思いねぇ)は何時間かかるか見当つきませんよ」。この暑い中、車中で渋滞、駐車場待ちは勘弁して。ということで、早めに宿へ行くことになりました。

 さすが山と海の境界にある町。どの道路からも海や岬の眺めを楽しめると同時に、傾斜何度じゃという急な坂道が当然のごとく現れます。運転をおまかせしたFさんにご苦労をおかけしつつ、宿に到着。熱海市街から抜けた伊豆山の温泉旅館です。この伊豆山は、昔、源頼朝との結婚を親に反対された北条政子が、夜道を駆けて頼朝の元に行き着いた地。なんだか歴史のロマンのただ中にいるようで、結構ではないですか。

 さて、チェックインと相成りまして、個人的にヤな事態発生(笑)。ここってば宿泊料金先払いだよ。これは私のジンクスなのですが、宿泊料金先払いの温泉旅館とは、ひじょーに相性が悪いのです。
長崎県島原温泉の旅館では、部屋のトイレの汚物入れが掃除されておらず、9月の陽気に匂いが強烈。また内風呂のマットにご飯粒が塊で付着。フロントに電話して、現れた仲居曰く「この部屋の掃除係、もう帰ってしまったんですよ」。「はぁ? では、1日この匂いを我慢しろと?(怒)」「……では、私がやります」「あ、ついでにその風呂マットも持っていってください。ご飯粒ついてますので!」ということがあり。
岡山県湯原温泉の旅館では、ドンドン扉を叩いて、大声で「お客さん! お客さん!!」と呼ばわるので、何ごとかと慌てて御不浄から飛び出してみたら、いない。通りかかった仲居に「呼ばれたので出たけど、誰もいない。なにか急用でしたか?」と聞けば、部屋の仲居を連れてきてくれました。彼女曰く「サービスの浴衣の合わせ(その宿では女性は浴衣を選んで着られる)、今、座敷に広げてますのですぐ見てください」。「連れが大浴場に行ってますので、ちょっと待っていただけませんか」「片付かないんですよねぇ」「……じゃ、大浴場へ行って呼んできます!」。大浴場へ行って、入浴前だった友人を「これ幸い」と連れて行ったのでした。宿の都合に、客を合わさせる仲居(苦笑)。チェックイン時に、浴衣合わせの時間言ってくれればいいのに。夜も遅いチェックインならともかく、15時頃だったんですがね。
 宿泊料先払い(そして予約時にそれを言わない)旅館は、料金をもらったことで油断するのか、仲居教育が悪い。1万円以下のビジネスホテルなら、早朝出立の客もいるし、24時間フロント詰めでは人件費もかかるので、早朝対策と料金を安くするために先払いがほとんどですが。1万円以上の宿泊代で、チェックアウト時に税・サ・冷蔵庫・電話の精算が必要な旅館での宿泊費先払いは、旅館としてのプライドないなと思ってしまう、ひねくれ旅行者約1名。
事情は理解できるけど、経験が警告を発しておる。ということで、「仲居に嫌な思いをさせられる」覚悟を決めたのでした。

 部屋は全室オーシャンビューの言葉どおり、広いベランダつきの広い畳の部屋。ベランダに出れば、一面の海。遠くにぽつりと島影。部屋が全体に古色を帯びているのは、「古い温泉地・熱海」って感じです。落ち着けるので、私は新品同然の部屋より好きですけどね。そこでお茶菓子をつまんだり、TVを見ながら、ゆったりの〜んびり。昨日のコミケ、またその前からのモロモロが影響してかなり疲れていたので、こうしたまったりタイムが欲しかったのでした。
 露天風呂では海風にあたりながら、極楽極楽〜。温泉自体がぬるめなのと、海からの風に頭が冷えて、長時間浸かっても湯当たりしないのがよろしい。昼風呂っていいよなと、旅ならではの贅沢な時間を満喫しました。
 風呂から上がってしばらくしたら、夕食の時間。大きなお盆をもった仲居登場。部屋の卓に3人分の料理を置いていくわけですが、そらもう、食器を置く音のでかいこと。「なんか怒ってるの?」と言いたくなるくらい、ドチャン、ガチャン、ドゴンとにぎやか、にぎやか。普通はカチャン、コトン、トンだろう。やはり警告大当たり(苦笑)。もっとも同行のお二人は気にされてなかったようなので、私の悪印象が影響して、よけいに嫌な音に聞こえたのかもですが。

 お料理は美味しかったです。さすが料理をウリにするだけあって、お刺身ぷりぷりで、新鮮さが呼ぶ滋味をしっかり堪能しました。持ち込んだ日本酒にもよく合いましたし。卵豆腐と茶そばの煮物なんて夏に嬉しい一品です。焼き物の、アスパラガスと牛肉のステーキ・サラダは「和の膳」に洋風の味でアクセントをつけていて、料理を飽きさせずに締めてました。難をいえば、天婦羅は温かいものを食べたかったですが。

 夜はN○Kの『第34回思い出のメロディー』を見ながら、Fさんといっしょに口ずさんだりして、Nさんにすっかり呆れられました(笑)。だって昭和40〜50年代の歌ったら、私の世代ならほとんど知ってるんだもん。それにしても、40年代後半生まれであろうFさんがよくご存じなのにはびっくり。思わず「原爆の歌」を知っておられるかどうか尋ねました(で、ご存じだったりする)。

 寝る前に、今度は大浴場でぬくぬく。ここは走り湯と逢瀬の湯のふたつの温泉が楽しめます。どちらもぬるめで、湯治にいいかも。東に海が開けた熱海は朝日がきれいだろうと思いつき、「朝日の湯」を見ることを密かに決意してみる。しかし、明日起きられるかな。そして何よりショックだったのは、体重計に乗ってみたら、針が48しか指さないこと。私のベスト体重は52kg。こりゃ痩せ過ぎだぁ。やはり夏バテがきてるきてる〜。
 湯から上がって、部屋でまたちびちび日本酒を飲む。今回のメインイベントは、実はこれからなのだ。ということで、Nさんのお話を興味深くうかがいながら、酔った勢いでイロイロ放言してみる。ついでにNさんが今書き進めておられる物語の顛末も聞けて、ファン冥利につきます。
実はFさんにとっては、この熱海旅行は取材旅行。Nさんと私にとってはちょっとした打ち合せだったのですね。お二方ともに、私にも好みの物語を書かれるので、旅行の成果?が楽しみなのです。ふふふ♪

02.8.9 Fri.  コミックマーケット62           8.19 2:20
 通称「コミケ」または「夏混み」へ行ってきました。
 都内だし、楽に行ける感覚だったのですが。そういえば9日は金曜日。盆休みにも早いウィークデイなのでした。ずっと土曜日の気がして油断していたので、ホームの乗車列を見たとたん、かなりHPがダウンしました。乗車率200%の通勤ラッシュにもまれながら、小田急線、京王線、山手線と乗り継ぎ、浜松町駅でモノレールに乗ろうとして、つっかえました。JRのホームから階段がつまって上がれない。改札でも行列。ようようモノレール駅に行けば、これまたホームがすごい列。あのモノレールは旅行者だけでなく通勤者も利用してたんですねぇ。なんとか乗り込んで、天王洲アイル駅で下車。ところがりんかい線への連絡表示が見えず、右往左往。間違った改札に出たような気がしてまたホームに戻ったら、壁の腰の高さに連絡表示が。あのね〜、降車ラッシュの人ゴミで、この表示が見えると思うてか!? 天井近くに書きなはれ、天井近くに!と怒りつつ、りんかい線へ。この時点で8時59分。
 サークル参加している知り合いに、ビッグサイト到着時刻は8時から9時と伝えていましたので、間違いなく遅刻決定。りんかい線で2駅目、そこからてくてく歩いてビッグサイトに着いたのは9時20分でした。

 とにもかくにも侵入成功(笑)。通行整理のスタッフの声のとおりに歩いてましたが、よく見ると看板もってるスタッフ、メガホンもってるスタッフの姿がヘン。半袖パフスリーブ、ふくらはぎまで隠す黒のドレスに、白いフリルのエプロン、白い三つ折りソックス、黒いエナメル靴。……メ、メイドさん!? いや、でもこのメイドさんたち、私より背丈あるんですけど。いやに肩幅広いんですけど。歩くと裾がまくれて毛ズネが見えるんですけど……。逆立った短い茶髪に無精髭、丸メガネのメイドさんを見たとき、『ヘル○ング』の某アレクサンド・アンデルセン神父がメイド・コスプレしてるのかと思ったあたりで、思考回路がコミケ・モードに完全シフト!

 とりあえず「取材」ですから(笑)、企業ブースへGO! 企業ブースは屋上展示場にあります。カンカン照りの屋外に並ぶ入場待ちの人、人、人。(ちょっとタナボタな幸運があって)並ばずに入場できたのですが、えぇ、臭いんですよ。汗の匂いに足の匂いを足したような、強烈な匂い。それになんだか空気が薄い。そりゃそうでしょう。この狭い空間をパーテーションで仕切りまくったうえ、すれ違えば必ず他人の汗の浮いた腕だの身体だのに触れざるをえない人口密度。空調はなし。入場者はふえるばかり。救いは屋内なので直射日光を浴びなくてすむということくらい。
 この時点で帰りたくなりました。しかし、ここまでの交通費を鑑み、真の目的を果たしていない状態を思うに、引くわけにはいきません。気分はヤケ半分です。
 ほとんどギャルゲー関連のブースだったのですが、それも含めて出版社やソフトメーカーのブースをぐ〜るぐる。巡る度にボーイズ・ラブ系のゲーム宣伝チラシや無料の設定本をどかどか渡されたのは、この空間では珍しい女性だったからでしょう。ほとんど男性だもん。あと、やたらウチワをいただきました。これは重宝しました。扇子持参でしたが、ウチワでばっさばっさ仰ぐ方が涼しい気が。結局、いろいろ5本もらいました。う〜ん、かえって荷物か!?(笑)
 ガイナ○クスや、リー○、キッ○とか、キャラクター原画家さんのサイン会をやってるところは、そのブースだけで外まで列ができているほどの盛況ぶり。いったい何時間待ちで、何を手に入れたいのだろうというところには関心がないので(をい)、1時間弱で退散しました。

 東ホールでは、一度イベントでお会いしたいと思っていた北原文野先生のブースに直行。ちょうどお客さんが途切れたタイミングでお話できてラッキー! ずっとHPなどで語られていたコミケでの先生にお会いし、ちょっとした差し入れもできて嬉しい気分になりました。シャア少佐専用ウチワで扇いでいただいて、もう気分は赤い彗星左ウチワ(笑)。
 もうひとつの目的は、筒井百々子メーリングリストのメンバーの方が作られた「ぜぶぜぶ人形」をGETすること。私もこのMLに入ってますので、情報を知ったときからほしかったのです。限定11体で、すでに開場から2時間近く経過。ダメモトで行ってみたのですが、ラッキーなことに里親になれました。「ぜぶぜぶ、まっしろ、ふわふわ〜(はぁと)」。すごく凝った作りで800円なんて、嘘みたいに安い! そのうえオマケまでいただいてしまって感激! 「MLで知りました〜」なんてお話もちょろっと。すでにただのミーハー全開です(笑)。
 あと、友人に頼まれた同人誌を買ったり。壁際サークル、お誕生席サークルを遠くから眺めたりしました。その位置には、まだニュ○タイプ編集部にいたころに、あるいは最近何かで見たことのある絵柄のサークルが多くて、同人誌世界の何かを垣間見た気がしました。
 コスプレでは『十二○記』が多かったような。あと女物の襦袢のような着物をはおった男性がいたけど、あれは何だったのでしょう? さすがにわからない作品、コスプレが多くて、ほっとしました。全部わかったら、かなりイヤだ(笑)。

 西ホールはエニッ○ス、小○館の作品の同人サークルが多くて、ブースを回っても、だいたい絵の雰囲気で原作がわかりました(苦笑)。
 『ちょび○ツ』のちぃのコスプレしたお嬢さんが、白い衣装のリボンを地面に引きずっているのが気になったり。『犬○叉』では、見目麗しき殺生丸・犬夜叉ご兄弟がブースに並んで座っていたり(でもどちらも女性)。駆け回る3歳くらいの七宝を、両親らしき弥勒と珊瑚が追いかけていたり。『サイ○ーグ009』からは、9人どころか、チームが3組は作れそうなくらいコスプレが出ていたり。
 ここでも、壁際サークル、お誕生席サークルをチェック。あとは、今回の私のコミケ潜入に多大なるご協力とアドバイスをくださった、『ツイ○シグナル』のサークルさんのところでおしゃべり。冷た〜いお茶やおにぎりをいただきました(その節はありがとうござました m-_-m)。差し入れは、私の趣味全開の、シェ・リュイの人型ジンジャークッキー(いえ、なんとなく。ほら人型だし……(笑))。
 以前に知り合った方が、実は同じ筒井百々子MLのメンバーで、同じくぜぶぜぶを狙ってらしたことを知って驚いたり(2匹のぜぶぜぶの里親になられたそうです)。
 実は一度お会いしたかった『ツイン○グナル』サークルの方お二人にもお引き合わせいただいて、もう思い残すことはありません。

 何といっても、同人誌をいただいたことが感激でした。もちろん、私の文章を掲載していただいたり、協力させていただいて、頂戴した本もあるのですが。「読んでください」といただいた御本は本当に嬉しかったです。だって売り物ですからね。その1冊をいただくというのは、その方の情熱や好意を頂戴するようでほんわりしました。Kさま、Nさま、Bさま、Fさま、ありがとうございました。

 今回コミケに出かけたのは、3つ以上の目的があったからです。会いたい方が3人以上いた。手に入れたいものがあった。友人から頼まれたものがあった。「取材」。そして気になるサークルをチェックする。こういった目的でもなければ、結局何しに行ったのやらになってしまいそうだなと思いました。目的なしに行くと、ただただ歩き疲れてしまいそうです。
 そして、コミケの醍醐味はサークルの人と直接お話ができることなんだな〜とか。逆をいえば、自分の本を読んでくれる人と直接に話せること。なるほど、病みつきになる気持ちもわかるな、と。規模は全然違いますが、私も大学の漫研時代、学祭で会誌を買ってくれる人、イラストを見てくれる人と話すの好きでした。年1回のそのイベントのために、オフセット用の原稿を描いたり、イラストパネル制作に燃えたものです。なんだか、その頃の気持ちを思い出しました。
 多分、二度目はないだろうと思いつつ。暑くて熱い夏の1日でした。

 そして、くたくたへとへとになって事務所へ帰ったら、編集会議だったり。脳内飽和状態で、夢の中にいるようでした。集中できてなくて、すみません。

02.8.8 Thu.  髪を切る                 8.9 5:53
 伸びっぱなしだった髪を切りに美容院へ行きました。くせっ毛なので毛先があっちこっち向いてるし、前髪は目にかぶるしで気にはなってたのですが、値段の折り合いがなかなかつかず(カットで5,500円とか4,500円とか、私には高いっス)。昨日、やっと納得のいく金額の美容院を見つけて、本日GO! カット2,000円とはすばらしい! くせが強くて、乾くとボリューム過多、大爆発になるので、「削いでください、削いでください、メいっぱい」とお願いしました。おかげで軽いわ、頭が(笑)。

 実は明日(これを書いてる時点では今日)、コミケ第1日目へ行きます。うわぁ、大丈夫か私〜。もちろん仕事がらみですがね(ふふふ)。土・日も東京を留守にしますので、レス関係、メールのチェックは週明けになりますかと。ごめんなさい m-_-m。

 ついでに13日午後に打ち合せ、17日に取材が入ったので、お盆の帰省は14、15、16日。う〜ん、行って帰ったら終わりっぽい。なんでいっつも切羽詰まった感がともなうのか、わかんねぇ。ギリギリ人生だな〜(溜息)。

02.8.7 Wed.  会議の日                 8.9 5:49
 本日は会議と打ち合せの日でした。13時からと18時から。どちらも停滞していたものが動きだすニュアンスはあったので、よかったよかった。拗ねネコポーズともお別れですかね(笑)。

 夏バテです。ちょっと、やっぱり、どうも否定できません。夏に弱いんだぁ。……そして冬にも弱いと言ったら、昨日会った友人が「春秋のみ稼動か」と、ぼそっと宣ってくれました。そうよ、私はPCと同じく暑すぎるのも寒すぎるのもダメさ。20℃〜27℃が稼動適温です。連日36℃を超えてる現状ではオーバーヒートで脳が茹だってますので、あまりむずかしいことは言わないでください(って誰に言ってますか?)。

02.8.6 Tue.  『ねこめーわく』             8.9  5:43  
 竹本泉の『ねこめーわく3!』(宙出版 ミッシィコミックスDX)が出たので早速購入。著者ご本人も書いておられましたが、1巻が出たのが9年前、2巻が出たのが5年前。や〜、すごいスパンです(笑)。それでも出ると喜んで買ってしまいます。この方の著作は『ねこめーわく』しか読んでいないのですが(汗)。2本足で立って、19世紀末英国風の衣装を着て、人間語をしゃべって、弁護士だったり、株式仲買人だったりするネコたちのいる世界の物語、好きです。

 取材で顔を合わせた旧友と、喫茶店でビールを飲みながらダベりました。最初に仕事で出会ってから十数年、会う度に打々発止のやりとりをしてしまう相手なのですが、今日の会見はなんだかとっても穏やかでした。お互い年をとって丸くなったんですかね(笑)。15年以上アニメ雑誌を編集しつづけている彼にとっては、私は「出戻り」だそうで。……うん、まぁ否定はしませんがね。
偶然にこうして古い友人に会える機会があるなら、出戻ってよかった、と思うことにしますよ(笑)。

02.8.5 Mon.  絵画展示展                8.6 7:23
 新宿で開催中の絵画展へ行ってきました。アニメーターやイラストレーターの複製原画(きっと他にちゃんとした言い方があるのでしょうが)を展示・販売している会社の展示会です。道を歩いていて勧誘員によく誘われはするものの、今まで一度も入ったことがなかったのです。でも、今回はワケありで入ってみました。
 入り口でまずアンケート。「招待で来たのですが」と言っても、アンケートは必須なようです。書いてる間も「こういう絵にご興味があるのですか?」「お部屋に絵を飾られたりは?」「今日は作者の方もいらっしゃる予定ですので、お会いになれますよ。幸運ですね」……あ〜はいはい。
 さて会場に入れば入ったで、絵の前に足を止めるなり、「○○さんの絵にご興味があるのですか?」「絵とか描かれるのですか?」「こういう絵をお部屋に飾られるのはどうですか?」「前にお買い上げいただいたことがあるのでしょうか?」「今日はどういうきっかけでいらしたのですか?」もうウ・ル・サ・イ!
とりあえず一巡するまでは黙って見せておいてくださいよ。もちろん販売のための展示会ですから、売らなきゃ話にならないのはわかります。しかし、いいかげん客にも、展示している絵にも失礼だ。見て買いたくなれば、そう言うさね。ぴったりついてくるスタッフを必殺ギョーカイ人風ワケ知ったかトークで煙に巻き、何が展示してあったかも満足に見ないまま、そそくさと退散(あかんやん←苦笑)。まるでアリジゴクか、クモの巣にかかったようなネットリした気分でした。
 絵自体は、好きな作家さんのだったので、一見できてよかったのですが。複製にしてはタッチなどよく再現されていると思いましたし。でも私は買わないけどね(苦笑)。

 部屋に1枚の板絵を飾っています。ルネッサンス風の「考え込むオヤジ」が描かれたA4くらいの小さな絵で、ローマで買われたものです。英国のあるお宅で、壁に掛かっているのを眺めていたら、「気に入ったのなら」といただきました。無名の画家の絵で価値もわかりませんが、私にはよほどこの板絵の方が好ましいです。
 絵画もまた売買される商品ですが、それだけではない。手に入れたときに、その次第が思い出になるような「宝」だと思うのですが。これもまた、私の感傷にすぎないのかもしれませんね。

02.8.4 Sun.  『紅はこべ』on TV             8.5 6:12
 友人に録画してもらったNHK BS放映の『紅はこべ』をやっと見ました。ずいぶん前に受け取ってはいたのですが、見る時間がなくて(苦笑)。
 邦訳が出ている、いわゆる『紅はこべ』が第1話の「疑惑」。まだ邦訳されていない「紅はこべシリーズ」の中から第2話「伯爵の娘」、第3話「罠」が作られたようですね。
 TV版はとにかく脚色がすごくて、原作との共通点は登場人物と、「紅はこべと仲間たちはフランスの貴族を助ける」という設定のみといっても過言ではないです。そのうえ、アルマン・サン=ジュストはマルグリットの兄なのに弟になっていたり。マルグリットが貴族を憎むきっかけになった事件も変わっていました。話の展開は言わずもがな。私の思っていた『紅はこべ』ではなかったですが、切り離せば、これはこれで楽しめました。フランスと英国を大局から見て揶揄したコメディという感じですかね。
 何よりマルグリット役のエリザベス・マクガバンがイメージからかけ離れていて、最初は「どうしよう」な気分でした。私のイメージはグレース・ケリーなんだぁ。まぁそれも見慣れましたが(笑)。つけボクロがいかんのだな。
 マーティン・ショウはやっぱりショーブラン役かよ!(爆笑)とか。ショーブランを「紅はこべ」の敵役とみると、風貌に甘さのあるショウはミスキャストなんですが。それ以前に、どう転んでもフランス人には見えませんがな。でも、ショーブラン自身が、ロベスピエールや共和党に対して、利用はするけど飲まれはしないというスタンスだし、自分の過去、そして捨てた娘のことで揺れる内面複雑な人物ですから、複雑な芝居をこなせるという点ではショウははまり役でした。悪役か、弱い人間なのかわからないという、どっちつかずさがTV版ショーブランの魅力ですね。ドラマとしては「紅はこべ」自身よりきちんと描かれていて、目立っていたのではないかしら。
 その「紅はこべ」も、リチャード・E・グラントがいい感じにバカっぽくてよかったです。額の広さにはのけぞりましたが、そういえばデコピンしやすそうな額(正確には「秀でた額」)なのでした、サー・パーシー・ブレイクニーは(笑)。
 あと、想像するしかなかったロベスピエール恐怖政治時代を垣間見られたことも収穫でした。もちろんモノが娯楽作品ですから、時代の描き方もステレオタイプではあったのでしょうが。でも、恐怖時代下の庶民の暮らしや興味や、処刑のシステム、共和党と王党派のからみが映像で見られて満足。ドーヴァー海峡を渡る帆船も見られたし。ひらひらコスチュームも堪能したし(特に男性のコートがよろし。コートフェチな私は1着欲しいざます)。
 いちばん面白かったのは、第3話の「罠」。ルイ・カペーこと皇太子を救い出す話です。『紅はこべ』らしい展開で、楽しめました。disguise(偽装)の要素がないと、やっぱり『紅はこべ』ではないですも〜ん。

 夜半にまた雷が閃きました。大気が不安定なんですね。今週末はお天気であってほしいのですが、どうかな。

02.8.3 Sat.  本棚                   8.5 5:46
 17時過ぎにスーパーから電話がかかってきました。「ご注文の本棚、入荷しました」。10日から2週間かかりますと言われてましたが、本当にきっちり2週間かかりましたな。
夕方で日もかげったことだし、さっさと引き取りに行くか〜と出かけました。運送料800円をケチって、2m×70cm、15kgは優にある物体を汗だくでお持ち帰りするバカ1名。重くてかさ張るモノはスーツケースで慣れてますから、ついつい(苦笑)。

 帰るなり冷蔵庫開けて、ジュースを一気飲み(ビールじゃないもん)。そして組み立て開始です。
TVの「大家族」をBGMに、ネジを回して、叩いて、打って。ああでもないこうでもないと置き場所を思案した挙げ句、腰丈の本棚完成。机の上の本も、ぎちぎちに詰めていた既存の本棚の本も余裕で納まりました。でもどうせ増えるのよ、止まらないのよ、きっと。
ホコリ除けに、布を垂らして出来上がり。余った布を縫い合わせて、DVD・LDコンパチ(でかすぎて、どこにも収納できない)にもホコリ除けカバーを作ったり。

 実は頭痛がひどくてPCが立ち上げられないという体たらく。後頭部の首と頭蓋骨の接点辺りが凝り固まったようで、いやはや。金曜日の夜からPS封じに入ってます。

02.8.2 Fri.  サンダーストーム             8.5 5:13
 凄まじい雷雨でした。前夜もゴロゴロしていたのですが、13時ごろから空がかげりだし、15時ごろにはピカッ、ゴロゴロゴロ、ピカッ、ゴロゴロゴロと間断なく光り轟くありさま。すぐにPCを落しましたが、ついにはピカッ、ゴロゴロゴロにバリバリドシャーンという効果音までがつくようになり、なんか揺れる〜。風雨もますますひどくなり、嵐に翻弄されたノアの箱舟もこんな感じだったかもとか考えてみる。
稲妻は好きですが、さすがに地響きを伴われるとかないません。収まったのが16時20分ごろだったので、かなり長時間続いたんですね。大雨強風警報と雷注意報が出てたようで(知らなかった)。あとで聞くと、電車も落雷で止まったらしく、あの勢いではさもありなんと思ったのでした。

 PCが使えないので、事務所にあった『コミックマーケット62』のブ厚いカタログを読んでました。噂には聞いていましたが、読めば読むほど「怖い」。人混み嫌い、電車やトイレを待つのも嫌い、貧血気味の人間は行くなということですね(笑)。そして雷鳴ってる間中読んでいたのに、読み終わらないカタログ。なにもかもがケタはずれのイベントですね、ホントに。

 夜はおでんやさんに行きました。おでんというより、関西風おだしで煮込んだおでんダネという感じで、たいそう美味でした。盛夏に日本酒&おでんというのもオツですね。
打ち合わせがてら、しかもその内容は「スケジュール変更発生」でがくり。仕方ないんですけどね。ちょっと心が乱れてしまって(笑)、せっかくの美味しいものを存分には味わえなかったのが惜しいです。

02.8.1 Thu.  アイスクリーム              8.2 12:18
 とっても美味しいアイスクリームの差し入れをいただきました。ラムレーズンうま〜♪ しかし!すくうはしから溶けていくのはどういうこったい。見る間に溶けていくアイスと、思わず戦ってしまいました。さすが最高気温36度。ドライアイスが入っていても、事務所の冷房が効いていても、外気熱の作用はただならぬものだったようです。

 8月です。セミの声がにぎやかです。日射しがまぶしくて、家の壁、日傘、店先の日除け、アスファルトなど、目に入るすべてが光を発しているよう。寝不足の目に辛いわ。帰宅して、まっ先に冷蔵庫のビールに手がのびるのはどうよ。つまみは冷やしトマトだし〜。

 『千と千尋の神隠し』のDVDを観賞しました。午前1時も過ぎて何をやってるんだか。いや、水ものだし、温泉だし、ちょっと気分的に涼しくなるかな〜と(笑)。
映画館で観たときはツッコミどころ満載だったのですが。2回目観てみると、ストーリー全体にはやはりツッコミたい部分はあるものの、シーンシーンに引き込まれて、あまり気にならなくなっていました。劇場では気づかなかったセリフの伏線や、映像の描き込みにも気づけましたし。
 しかし赤い、確かに。ついでにセリフにBGMがかぶって聞き取りにくい。ちょっと残念です。


Made with Stone Diary



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