Dairy for Paranoid

JANUARY 2003

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03.1.31 Fri.  Sense of Wonder             4.6 13:37
 インタビューの仕事で、女優の竹下景子にお会いしました。昔よく観ていた『クイズダービー』という番組で、竹下景子といえば、はらたいらに次いで頭のいい人というイメージがありました。取材の依頼を受けてから、「どんな方だろう」とドキドキでした。

 第1印象はきれいなお母さん。「女性」という単語からまず連想される、やさしくて、きれいで、落ち着いた、慈愛あふれる、そんな雰囲気をもっていらっしゃいました。お話を聞くにつれて、こんどはしっかりと他人の話を聞いて、咀嚼し、そのうえでご自分の考えを適格な言葉を操って伝えることのできる、クレバーな方だとわかりました。
 今年で49歳。年齢に応じた考え方が安定感を醸しだし、けれど決して押しつけがましくなく、人との距離を心得ていらっしゃる。同性として、こういう「女性」になることはひとつの夢だなあと思いました。……まあね、私は安定感をもたない、もちようのない人間らしいのでムリなんですけどね(笑)。

 女優にも二種類あって、加齢を怖がって、いつまでも美しくありたい、無理ならもう外には出ないという方と、加齢に応じた役柄を演じて生涯現役という方がいらっしゃいます。
 10代、20代の歌手や俳優の生命力あふれる若さは、それはそれでまぶしく美しく感じます。しかし、40歳を目前にした今では、人生の甘さも苦さも粋も味わった落ち着きと、通ってきた道や、心のありようで人それぞれに持ち得た表情の違いが、美しいと感じるようになりました。俳優に「あなたの人生を重ねていく顔を見せてほしい」と思うようにもなりました。

 「ありがとうございました」とご挨拶してドアから出るときに、ふと白いフリージアの花の残像と残り香のようなものが感覚をかすめました。今まで人になにかしらのイメージを感じたことなどなかったのに、不思議だなと思いました。これこそ、人に見られる立場の方がもつ、一種のオーラのような、あるいはカリスマ性のようなもののなせる技なのかもしれません。
 どうかいつまでも女優であっていただきたいと願って。今まで以上に応援したい方です。

03.1.30 Thu.  溺れる水先案内人             4.6 13:07
 In a calm sea
 every man is a pilot.
  ─From "English Proverbs" by John Ray
 穏やかな海なら
 誰でも水先案内ができる。
  ─ジョン・レイ

 どんな場合にも当てはまる名言でしょう。
 この言葉を見つけたとき、「進行」の仕事がまさにこんな感じだなと思いました。スケジュールさえ守られていれば、「進行係」なんていらないんだよな、ホントは。
 取材日が決まらない、素材が集まらない、初校が返ってこない、スタッフが病気になった、スランプに陥ったなどなど、本1冊を作る過程には毎度毎度、飽きもせず、無くなりもせず、慣れることもなく、トラブルが降りかかってきます。やがてトラブルが積み重なってスケジュールに影響が出るようになると、「進行」の登場です。
 まず印刷会社から送られてくる進行表にサバが泳いでいないか確認します。スケジュールに幅をもたせるのは当たり前のお約束ですから、サバは常に2匹か1匹半ほど泳いでいます。そこで、進行必殺技「サババスター」発動! 印刷会社および関係各位に電話をかけ、腹筋に力を込めつつ、あくまで声はにこやかに、でも雰囲気は覆いかぶさる感じで一言……「すみませんが、締切をのばしてください」(ぺこ)。サバ1匹つぶせば、だいたい1日締切が延びるでしょうか。
 いよいよ事態が深刻になり、「何時までに入稿」なんて時間切りの状態になると、ちょっと真面目モードになって顔をひきつらせながら、できるだけ合理的にスムーズに作業ができるよう、各所に手配したりします。

 進行としていつも驚くのは、あ〜んな凄まじい状態で入稿して校了しても、なぜかだいたい発売日に本が発行されているという事実ですね(ぼそっ)。毎回、究極の予定調和を見ている気がします。不思議だ、ホントに(笑)。いや、もちろん印刷会社や関係各所のご協力の賜物とは重々わかっておりますが。

 さて、私の進行歴は『ニュー○イプ』に始まって、リク○ート、『アーバン○ットワーク』、そして『PALETTA』に至ります。一度進行を経験すると、足抜けできないんですよ。これもまた不思議のひとつ。おかげさまで水先案内歴10年のベテランパイロットなわけですが、トラブルが起こる→オロオロ→ムカムカ→ドッカーン!→勢いにまかせてゴリ押しというのが常なので一向に技術は上達しません。いっつも力技……それもどうよ。
 いちばんの問題は、編集が進行を兼任すると、まっ先に自分の担当ページが座礁してしまうことかな。いや、ホント不思議ですよね(笑)。

03.1.28 Tue.  企業のイメージキャッチ          4.6 12:40
 企業のイメージキャッチの仕事が飛び込みで入ってきました。
 どんなものかというと、例えば日○製作所なら「Inspire the Next」、アッ○ルなら「think different」、コ○ミなら「びっくり=Be Creative!」とか、その企業全体を表すキャッチフレーズです(なんで英語ばっかりなのかというと、今、とっさに思い浮かぶのが英語系なだけです)。あと「遊びをクリエイトする企業バン○イ」とか、「家の事、楽しく NATIO○AL」(だったかな?)とか。

 今回、キャッチを考えなくてはならないのは、大型電気工事を行なう会社です。どれだけ大型かというと、鉄道の架線工事や発電所の電気工事やインテリジェントビルの配線工事をやっちゃうくらい。あまりにも工事規模が大きすぎて、それが具体的にどんなものなのか、まったく想像できません。
 リクルート用の会社案内パンフレットに、どかんとイメージキャッチコピーを入れたいとのことだったのですが。まず、その「イメージ」をつかむために、サイトをウロウロしてみました。本当にこういうとき、インターネットは便利です。そして大型電気工事の仕組みになんとなく詳しくなってしまいました。……仕事ひとつ受けるたびに、妙な知識がふえるのもどうよ。
 探索の結果、どうやら「即時性(スピード)」と「より便利で安全な未来」がキーワードのようです。それで4案くらい作りましたが、さて、どうなることやら。そして、これが思ったより時間がかかったため、全体に予定がずれていくハメに。はうあ!

 「深作欣二監督」の原稿を送って、事務所に行きました。深夜に帰ってみたら、mail masterからメールが……「mail not deliver」だとぉ!? クライアントからは「原稿どうなりました?」ってメール来てるしぃ!! 「何、おちゃめなことやってんだよ、ソフィア〜!」 いや、ソフィアのせいじゃなく、私の設定間違いだったのですが(と、ちゃんと懺悔しておかないと、またソフィアにスネられたらイヤだ)。慌てて再送いたしました。ぐっすん。
 あぁ、もうアチコチから止めをさされて、気分は『オリエント急行殺人事件』。無事に1月を越えられるのか、不安になってきました。

03.1.27 Mon.  三連取材                 3.27 6:43
 本日の予定。14時30分 赤坂にて取材、16時 白金台にて取材、18時 恵比須にて打ち合せ。くらりん。

 渡辺文雄とお聞きして、思わず「旅のエッセイを書かれている方ですか?」と聞いた私は、かなりTVから離れてしまっているようです。「俳優さんですよ」と言われても、お顔が思い浮かびませんでした。それでもお会いするなり、「あぁ、この方は知ってる、知ってる。TVで見た」と認識できたので、よかったよかった(苦笑)。
 TVで見るままの、よい意味で男らしい話し方をされる方でした。取材を受ける方は時に、できるだけ角が立たないように、波風の立たないように、言葉を選んで話されることがあります。そういうお心遣いはありがたいと思うのですが。取材する側は、できるだけ本音をお聞きしたいものなのです。だから、ちょっと豪胆に思えるくらいの、でも後味に嫌みがなく、サバサバ話される方は好きです。
 飛騨世界生活文化センターの館長でいらっしゃる関係で、「高山祭り」についてお話いただきました。半分地元の人間になって、見えてきた祭りの「にじみ」の部分。観光客が集まる祭りの絢爛な部分よりも、むしろ祭り見物に来た友人知人親戚の接待に手を取られて、気がつけばもう祭りが終わる時間。「あぁ、今年も祭りが終わる」という、その物悲しい部分こそが祭りの味わいではないかというお話に、なるほどと思いました。どこか人恋しくなるような、何かやり残したことがあるような気持ち。祭りの終わるころというのは、確かにそんな情感に浸ることができる、数少ない機会です。
 学生時代の同級生が高山の造り酒屋の御曹子で、その後もご縁が続き、乞われて文化センターの館長を引き受けられたのだとか。本当に縁は異なもの、味なもの。東京ご出身で今も都内にお住まいの渡辺氏が飛騨高山にお詳しいのは、そういう事情なのでした。


 次の取材はカメラマンの織作峰子。夕闇迫る建物の窓から、都内とは思えない緑の庭園(隣の施設の庭が広がっているのです)を見下ろしながら、お話をうかがいました。たっぷり注がれた香り高い紅茶に、リーフパイのお茶請けを出してくださるお心遣いがうれしかったです。
 『勧進帳』の舞台、安宅の関のある小松のご出身。歌舞伎の『勧進帳』より、祖母がよく謡っていた能の『安宅』のほうが、私には馴染みが深かったのですが。なんだか脳内で「安宅の関」は山にあるように思っていました。実は海辺の関所で、今は海底に沈んでいるとお聞きしてびっくり。
 幼いころに見た「お旅まつり」、カメラマンの仕事を通して見た「お旅まつり」。特に地方独特のまつりのご馳走「笹寿司」の作り方を教えていただいて、男性とはまた違ったお祭りの記憶に共感しました。私も、春先になると必ず食卓に上った実家の「いかなごご飯」の作り方、覚えてますもの。料理に興味のある方はさておき、男性は味を思い出に残すのでしょうけど、女性は味と作り方なんですよね(笑)。


 最後は『ハボ』本の打ち合せです。6つの表紙のサンプルの中から、要素を選びながら、最終デザインのすり合わせ。本文の紙を何にするかの決定。また、インタビュー部分の原稿はじめ、全体の進行の確認。今週末から来週月曜日にかけて全ページのデザインアップ。関係各所にチェックに回し、2月5日に印刷所に入稿。
 長かったロードも大詰めに入ってきました。

 さて、これで『ハボ』本、『MON○マガ』、今日の取材の原稿、そして飛び込みで入ってきた「ある企業のイメージキャッチコピー」と、がっちり仕事に固められました。さぁ、雑文堂の明日はどっちだ!?

03.1.26 Sun.  仕事の二マタ               3.26 1:23
 とか言ってる間に、『MON○マガ』の原稿の締切が! 明後日ですぜ、明後日!! 今はまだ二股かけてるだけだけど、月曜日の取材で仕事の三股になるぞ〜。どひゃー!
 「蘊蓄の箪笥」、今回のお題は深作欣二監督。エンタテインメント、特に映像部門は得意なので、うれしいお題です。今回は資料もいただけたし。

 一連の『仁義なき戦い』シリーズに代表される仁侠映画や、近年大反響を呼んだ『バトル・ロワイヤル』で知られた監督さんですが。実は角川映画とも縁が深く、『復活の日』『魔界転生』『蒲田行進曲』『里見八犬伝』は深作氏がメガホンをとっています。SF『ガンマ3号 宇宙大作戦』から、実在の人物を丹念に描いた映画『火宅の人』『華の乱』、ミュージカルを映画化した『上海バンスキング』まで作品幅のたいへん広い監督さんなんですね。TVドラマ『Gメン'75』などにも関わられています。遺作は、カ○コンのゲーム『クロックタワー3』だったり。
 この世の現象や人間や、そして物語に対して、「おもしろがり」でいらしたのかなぁなんて思います。まるで映画ジャンルの百貨店のような深作監督にぐっと迫りたいですね。

03.1.25 Sat.  追い込まれても              3.26 1:10
 「ふっ、太陽が黄色いゼ」とか思いながら、帰途につく午前10時30分。途中で三省堂書店に寄って、DVD『GetBackers Vol.1』を買ってみる。この番組の存在に気がついたときには、第3話まで放映が進んでいたので、1話、2話は見てなかったのです。ここ1週間の障害物競争で疲れた自分へのご褒美(笑)。


 今日発売のはずの『諸葛孔明 時の地平線』諏訪緑(小学館 プチフラワーコミックス)の5巻、なぜか書店にありません。がっかり。この作品は『三国志』の諸葛孔明の物語。孔明先生といえば屬の軍師として大活躍し、『三国志演義』を含む大衆小説などには才気煥発、万能無比、あげく神業使いみたいに書かれていますが。『時の地平線』の孔明先生は悩める青年で、頭はいいけど、処世に苦労しています。けっこう感情的だし、身内にはベタベタに甘いし。ようやく劉備に組してからは、責任は増えたものの、理想実現への道が開けて、能力も全開に使えて、随分身軽になったようです。
 曹操と孔明の二人が時代の波を作っているという二元論に置き換えられているところも、この時代に渦巻いていた考え方がよく理解できて、『三国志』を描いたものの中ではベスト3に入れたい作品です。

 同じ作者の『玄奘西域記』(小学館 プチフラワーコミックス全4巻/小学館文庫全2巻)もお気に入りです。こちらは『西遊記』で知られる唐の僧、玄奘三蔵の天竺取教の旅を描いたもの。玄奘の手記である『大唐西域記』をもとに描かれたマンガです。『大唐西域記』にインスパイアされたフィクション活劇『西遊記』に登場する孫悟空、猪八戒、沙悟浄はもちろん出てきません。
 ちなみに『大唐西域記』とは、629(貞観3)年、長安を出発して、645(同19)年に帰国するまで辿った西域、インドの仏教遺跡、風俗、生活など、実に138か国について書かれた、玄奘の手による旅の記録、ルポルタージュです。
 『玄奘西域記』は玄奘とともに、当時の西域を旅している気分になれます。出てくるキャラクターが皆「生きる」ことにそれぞれ思いをもち、地に足をつけていて、多少のことではへたれない、そのしたたかさが魅力的です。私はプラジュニャーカラが好きです(笑)。また仏教、拝火(ゾロアスター)教そしてイスラム教の歴史的関係がよくわかる作品でもあります。……宗教というより、イデオロギーのぶつかり方といったほうがいいかもしれませんね。

 薬師寺玄奘三蔵院の平山郁夫画伯の「大唐西域壁画」の連作を見たときに、この『玄奘西域記』を思いだしました。平山氏が描かれた風景に、諏訪氏が描かれた物語がしっくり合っていたんですね。歴史に滅びゆく運命の国・高昌国、砂漠の中のオアシス・颯秩建国、草原を馬で駆け、生きるためなら略奪も躊躇わない民・突厥、人を拒む神の山・天山山脈、そして大気までもが水気を含み、「生」の濃度の濃い国・天竺(インド)。絵画とマンガという表現法も、年齢も、考え方も違う二人の人間の想像が、玄奘という存在で結ばれ、相乗的な感動を呼ぶ。そんな感動と快感を感じたことを覚えています。


 どんなに追い込まれていても、太陽が黄色くても、自分の好きなものは手に入れようとする根性は我ながらすごいと思いつつ。軽く朝食兼昼食を食べたあとは、夕方まで爆睡。起きたら、また原稿三昧。でも、今日は早めに寝ます。

03.1.24 Fri.  ひたすらに                3.25 5:57
 『ハボ』本の原稿書きに明け暮れています。終わらない、終わらない、終わらない。
 つきまるさまに描いていただいた、Harbotの4コママンガを眺めながら、文章で表現することの限界を感じてみたり。どんなに言葉を尽くしても、1枚の絵のほうがそのフィーリングを的確に表して、雄弁であることって多いのです。特に今回の『ハボ』本は、文章より絵による解説のほうが合うんだよなぁ、などとちょっと遠い目〜(笑)。
 文章書きとして、この世に存在するすべてのことは言葉で表現できると信じて疑いませんが、合理性と的確さで絵が優るときがあるというのも、また真理なのです。

 表紙について、以前に出したサンプル版を大幅に変更したうえ、いろいろな条件もクリアして、もう一度サンプルを何種類か出せと。って、そういう「条件」はもっと早く言ってよ〜! 表紙入稿の1週間前に条件言われてサンプルって、もう本レイアウトに入ってなきゃでしょう〜!とか心の中でのたうちつつ、デザイナーさんにその条件がわかりやすいようにラフを切ってみる。4種類作りました。紙に絵を描いて、簡単にレタリングして、コピーして、切ったり貼ったり。なんだか小学校の図画工作の時間? そして徹夜決定……。

03.1.23 Thu.  復活! ふっか〜つ!!           3:23 5:18
 終電で帰宅して再チャレンジ! またトリセツに戻って、「にこちゃんマークは出たけど、起動しない」を探せば、ちゃんと項目あるし。すごいなぁ〜。DiskWarriorを起動して、システムを再構築して、どこかに沈んでしまったHDを復元して。もう一度、ハードディスクから起動すると……にこちゃんマークから、おお「Mac OS」の文字が! おおっ起動項目のアイコンが並んでいく! すっげー!!

 城中に絡みつく毒を含んだ茨を切り裂き、崩壊した階段を身軽に駆け上がり、障害物を蹴倒し、掻き分け、やがて辿り着く、姫の部屋。扉を開ければ、そこには眠りつづける姫君が。戦士は駆け寄り、そして……。

 PCを修復する過程で、『眠れる森の美女』を妄想できる自分が好きかも。せっかくうちの姫を起こしていただいて恐縮なのですが、嫁にはやれませんので、と戦士は丁重に事務所にお返ししました。ひでぇ(笑)。しかし、なんて役にたつ戦士なんだ! うちにも一人常備しておこう。そしてまた何かあったら、その愛の力で即、解決! 戦士とソフィア姫のラブイチャ(はぁと)物語をまた展開していただきましょう。
……しかし、私の設定ではソフィアは元々男の子だったんですけどね。フルネームはソフィアレスっていいマス(苦笑)。
 ついでに、薦められつづけているのですが、そろそろホームサーバー用HDも必要ですかね。

 やはり失った(というか、開けられなくなった)データもあって、『Harbot』の10Pほどの塊はごみ箱へ。ま、もう諦めて、書き直し復元を進めていたので、ショックも少なかったです。


 本日は新宿で打ち合せ。ここ数日のソフィアとのバトルでなんだか打ち合せ内容がほよほよ〜と頭の上を通過していったような気がしますが。まぁ、いっかー(いいのか!?)。

03.1.22 Wed.  ソフィアの救世主            3.23 4:47
 <前日までのあらすじ>
 ユーザーのフィーリングまかせな扱いに傷つき、心を閉ざし、画面は灰色のまま、天の岩戸にこもってしまったiMacソフィア。パニクったユーザーが灰色な画面の前で右往左往の踊りを見せても、稚拙な技ではかえって傷が深くなるっ!とばかりにソフィアは沈黙したまま。お手上げ状態で、あとはメーカーに緊急入院させるしか……(あぁでも、あんな画像やこんな文章、見られるの恥ずかしいんじゃ〜!! ←問題はそこかよっ)と思いもだえ、絶望感にのたうつユーザーの上に、ひずめの音とともに影が射す。見上げれば、そこには颯爽と馬にまたがる甲冑姿の人影。兜の下から放たれた声が低く耳を打つ。「哀れ、心を閉ざされたソフィア姫を救出すべく、戦士、参上!」。


 真剣にメーカーに緊急入院を考え、保証書(5年間保証に入っているので)がいるなと、実家の父に連絡して「私の部屋の本棚に作り付けの引き出しの向かって左側のに入っているブツ全部と、4段引き出しの書類ケースの中身全部送って」と頼んだ私。明確にどこにしまったか覚えてないので、書類関係をしまっていた2カ所を指定したのですが。それが到着したので開けて見てみたら、「いや、確かにその本棚の引き出しやねんけど。左と右、間違ってはりますわ、お父様」(もちろん、保証書は入ってない)なインターミッション小喜劇を交えつつ、いまだPC崩壊ラプソディーは続行中です。
 ついにトリセツから「らしい」ところを見つけ、DiskWarriorを立ち上げてみました。トリセツの手順どおりに進めたら、次のコマンドが。トリセツのページを慌てて繰って、同じコマンドの項目を見つけて、またキーを操作して。最後にreturnを押したら……夢にまでみたMacintoshHDのアイコンが! おおおおっ!
 一度閉じて、今度はハードディスクを立ち上げます。でも、にこちゃんマークまでは出るのですが、そこから進みません。
 事務所に行かなければならないので、ここでタイムアップ。帰宅後にもう一度チャレンジです。
 でもにこちゃんマークまで来た! なんだかあともうひと息、うまくいきそうな予感がします。

03.1.21 Tue.  半信半疑                 3.22 7:15
 「ソフィアが壊れた!? 今まで書いた原稿、全部パア?」 この恐ろしい事態に、私の頭はパニック! でもどこか現実ではないような感じで、とりあえず所長に報告したときも、なんだか笑いごとのようなほえほえ口調。おかげで最初は信じていただけませんでした。でも「『Harbot プチガイドブック』の進行がやばいです!」と言うなり、おお、目が真剣になってますよ、所長!
「バックアップはとってなかったの?」と聞かれ、「作業中にFDに落すことは滅多にしません。事務所のPCに送ることはありますが」と返答。「……でも、今回は事務所に転送する前だったんです」。
「僕のPCがおかしくなったとき、これで直ったけど」と取り出したるは、DiskWarrior! 「大体の障害はこれで直るよ」と貸してくださったのでした。

 事務所のノーパソで、失われた文章を思いだしながら原稿の書き直し。気分は限りなく絶望に近いグレー。二度手間ってイヤよね。とほ。

 終電で帰って、自宅のPCの前に座ったのは午前2時。所長さんから「よく説明書を読んでね」と言われ、いつもPCをフィーリングで操作している私は、「そうか、感覚だけで使っているから、こういうことになるんだ。今回ばかりはトリセツをしっかり読んでから操作するぞ」とぐっと握りこぶしで決意。DiskWarriorの箱からトリセツを取り出して、広げました。
…………とりあえず寝ます。だって、トリセツの文字ったら小さくて、疲れた目に優しくないんだもん。

03.1.20 Mon.  運命の日                2. 8 13:31 
 それは3日分の「日記」を書き終えたあとでした。あいかわらず、前触れなくフリーズをかましてくれるPCに、「はい、は〜い。再起動ね」と諦めモードで再起動。いつものようにHDのにこちゃんマークが出て、起動の手順を踏んでいくのを見守っていました。
 順番にアイコンが並びだし「よっしゃ! 立ち上がった!」と思ったとたん、そのアイコンどもが、というより画面全体がびくびくと点滅しはじめました。「ええっ!?」ってなものですが、実はときどき起こる現象なので、仕方がないなとまたしても再起動。ついでにNorton先生をディスク起動します。
 Norton先生にチェックをおまかせしたら、ファイルのチェックで「重度の問題あり」。それを解決しようとしたら、フリーズしたまま動きません。「うぉぉ、Norton先生が固まった!?」。そもそもディスク起動で固まった経験はナッシングなので、これは深刻な問題なのかもと、このあたりでブルーが入りだします。

 再起動のコマンドも受けつけなくなったので、仕方なしに側面にある再起動用の穴にクリップの先を押し込んで再起動。「プチン、ブゥン」という音で画面を見るや、灰色なだけで何も映りません。「おおおお!?」 しょうがないので、もう一度側面からNorton先生のディスクを立ち上げます。立ち上がりましたが、画面のアイコンはNorton先生のモノのみ。すっかりお馴染みのMacintochHDのアイコンも他のアイコンもなし! 検査・修復しようにも、HDが行方不明ではどうにもなりません。Norton先生のディスクも穴にクリップ刺しての強制排出。
 もうこれは再インストール段階なのかと、OSのインストールディスクを入れて、ディスク起動。しかし、HDが認識されないんじゃ、再インストールも無理っつうことで。そりゃそうだ(泣)。お手上げだぁい、あ〜こりゃこりゃ(壊)。
 とりあえず時間をおいてみたらどうだろうと、電源を切りました。これで直ることもあるので、一縷の望みをかけて。

 この日は「スイス特集」の初校チェックが入っていたため、クライアントの旅行会社へ。出かけて校正する出張校正ですね。「2時間くらいで見られます」と言っておきながら、3時間もかかっちゃったい! だって、思いがけず間違いが多かったんだもんよ。ホテル名が違うのが入っていたり、本文がごっそり他のところの文章だったり、クライアントが打ち直してるところの漢字が間違っていたり。それから打ち合わせて18時過ぎに退出。ここから先は私の出る幕はございません。
 実はアップルワールドの「海外ホテル料金表」は、今まで特集記事も料金表部分も内部の社員さんが作っていらしたのです。外部のライターが特集記事に関わるのはこの39号が初めてということで、クライアントも私も手探りで役割分担を量りながら作ったような次第。ま、「次もお願いします」と言っていただけたので、ほっと一安心。

 帰ってから、祈るような思いで立ち上げてみました。……灰色画面のままでした。このソフィアの中には、今まさに進行作業真只中の『Harbot プチガイドブック』の原稿が28P分入っています。「ままままさか、全部書き直し!? それもソフィアでなくて、事務所のノーパソで!?」……目眩がしました、マジで。

03.1.19 Sun.  縁起でもない話             1.20 6:48
 打ち合せをしていて、お金のかかる死の話になりました。
 最近よく「人身事故」で列車が止まったり、遅れたりします。この日もJR中央線が止まり、各私鉄路線への振替案内のアナウンスがずっと新宿駅に流れていたのでした。

 関西で仕事をしていたとき、鉄道関係の方との打ち合せでそういう話になったことがあります。車掌や車内サービスのスタッフだった方の話では、決まった路線のそれも上りとか下りとかに集中するらしいです。だから、その路線に配属されたときは、期間中に少なくとも一度は遭遇するのだとか。
 相手が猛スピードで走る列車なので、後始末もたいへん。形のある最後の一片が見つかるまで探して集めるらしいです。ときには線路脇の民家の庭や屋根にまで飛び込むこともあるそうで、捜索もかなり重労働。気分的には最低最悪(うん、私には絶対できません。特別手当をいただいてもダメ)。ダイヤも乱れて、苦情もいっぱい。鉄道側にとっては、まったく困った事態だそうです。
 列車との事故に遭わないように、踏切の往来は車も人も注意しましょう。当たり前のことですが。最近「人身事故」多すぎです。もし追い詰められて死を選ぶにしても、列車の飛び込みは避けましょう。請求される損害賠償も多大、他人様にかける迷惑も多大です。

 あと、山での遭難も捜索が必要な場合、お金がかかります。海難はかからないのですけれど。
 そんな縁起でもない話が出るのもなんだかな、な今日このごろです。

03.1.18 Sat.  風邪再び                1.20 5:49
 なぜアニスのことを思いだしたかというと、お腹の調子が悪かったからです。やはり風邪腹のような気がします。変わったものを食べた記憶もないし、アルコールは13日から飲んでないので(いや、そのはずなんですが。無意識に飲んでたりしてますか)。ひどくならないうちに治さないと、また去年みたくトイレの住人になっちゃうぞ〜。とほ。
 そんなわけで今日は1日寝たり起きたりしていました。お腹に力が入らないと集中できなくて困ります。

 「腹痛でした、マル」で終わるのも芸がないですね。ええと、何かないかな、ネタ。
 ……そうそう、今年になって『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を観ました。1作目とは物語のテンポも上がって、サスペンス風味アドベンチャーものとして面白く観られました。『ハリー・ポッター』って、基本的にはダークな物語なんですよね。それをおもしろい魔法や学園の雰囲気でくるんでファンタジックにしているだけで。この作品が人気があるというのは、子どももまたダークサイドに惹かれる部分があるんだと再認識させられます。

 以下、ネタバレになるかもなので、文字反転させてます。カーソルを置きながらお読みください。
 ★ しかし、どう考えてもそれは「部屋」じゃないだろうと思ったのですが、chamberには「地下の空洞」という意味があったのでした。例の日記に出てきた「部屋」と誤解させるレトリック上のトリックなのかな。……うがちすぎかも。
 ハリーとドラコの決闘クラブのシーンが個人的に好きです。スネイプとロックハートのシーンもかっこよかったですね。今回のテーマになっている血筋の問題、属性の問題とともに、英国の作品らしいなと思いました。アナグラムも出てきたし(笑)。

 ダンブルドア校長ことリチャード・ハリスにどうしても目がいってしまったのですが。やはり苦しそうでした。特に一件落着し、ハリーとルシウスを前に語るとき、声を出すのもしんどそうで。もうこのころから具合がよろしくなかったのかなと。
 それでもダンブルドアはこの人しかいないと思わせる、本当にハマった「高潔な魔法使いの長」の演技を見せてくれました。ダンブルドアの「高潔さ」「優しさ」に説得力がないと、特に『秘密の部屋』の最後の闘いは成立しなかったので。すばらしい役づくりでした。ご冥福をお祈りいたします。
 ダンブルドアの人となりが確立していてこその、あのハリーのあのひと言ですし。あのひと言がなければ、フェニックスも剣も現れなかったのですから。

 しかし、この『ハリー』シリーズはなぜに究極アイテムがたいした説明もなしに出てくるんでしょう。『賢者の石』では「い、いつの間に賢者の石がハリーのポケットに!?」と思ったし、今回も「なぜ剣が!?」とびっくり。思い返せば、「みぞの鏡の予定調和か」(これは未だに半信半疑)とか、「あぁこのセリフが鍵か」とか、思い当たるフシがあるのですが。いちいち思い返さなければ思い出せないキーアイテム出現のきっかけって何なんだーっ! も、もうちょっとスリザリンご一党さま並の「もったいぶり」というか、「溜め」の演技とか、説明とかがほしいぞーっ! グリフィンドールはあっさり庶民味だからなー(笑)。
 第3作『アズカバンの囚人』はタイムターナー。これなんかは原理からして反則だと思うんですが。時間のずれによる錯覚か、父の愛か。そのあたり、どう映像で描かれるのか楽しみです。

 とか言ってますが、160分の長丁場、充分楽しめました。『ハリー』シリーズは、個人的に大スクリーンで観たい映画のひとつになってます。


03.1.17 Fri.  Anise                  1.20 4:54
 先日お会いした知り合いとドイツ人のご主人が、「アニカがいい!」と言っていたのをふと思いだしました。

 Anise(アニス Pimpinella anisum)はセリ科の植物で、日本では香辛料として知られています。原産地は地中海東部沿岸、エジプト。古代エジプトではミイラの防腐保存剤として使われていました。
 有名なのは、ヨーロッパの宴会や結婚式の祝宴で出される「アニスケーキ」。今日のウェディングケーキの由来とされるケーキです。もともとは紀元前3世紀、ローマ共和制時代の監察官カトーが著書『農業』に記した「ワインケーキ」のレシピでした。アニスとクミンで香味をつけた甘いケーキは、食後に供されました。なぜなら、アニスには消化を助ける医薬効果が期待されたからです。
 日本では「ウェディングケーキのナイフ入れ」は結婚式のイベントに過ぎませんが。なぜ宴のあとにウェディングケーキが振る舞われ、引き出物と一緒に持ち帰りされるようになったかというと、さんざん食べたあとの「胃薬ケーキ」、優しい思いやりが起源だったのです。

 アニスの薬効は、お腹を温め、特に豆類を食べた後のガスの排出を促します。げっぷ、吐き気、慢性下痢、腹痛、腹部膨満感、ヘルニアに効果があるといわれています。また興奮剤や咳どめに使われ、母乳の分泌促進、安産にも効果があるとか。民間では喘息、気管支炎、不眠症にも役立つとされ、アニスを枕に入れて眠ると悪夢をみないという伝承もあります。
 アニスシード(種)からとった精油は、香料、口内洗浄、苦い薬の糖衣にも使われますが、大量摂取は猛毒になりますので要注意です。「毒にも薬にも」ですね。

 彼らの話では、ドイツではアニカ(アニス)は医薬として認められ、丸粒の形をしており、薬局で手に入るらしいです。親知らずを抜いたとき、また出産間際に食べておくと、痛みが軽減され、出血も押さえられるとか。
 けっこう日常的に万能薬として使われているらしいのに驚きました。日本のアロエみたいものですが、ドイツでもアロエを植えてるらしいです。ドイツらしいナチュラル・セラピーの考え方だなぁと思ったのでした。

 ちなみに中華料理の香辛料スターアニス(八角 Illicium verum)、日本でいうところの大ういきょうとは違うものです。アニスやフェンエル(ういきょう)に似た香りをもってますので、それらの代用品に使われることはあるようですが。

 ということで、Fさま。彼らのいうところの「アニカ」はやはり「アニス」っぽいです。薬効やドイツでの使用法、「アニスケーキ」(彼はトルコのケーキだと言ってましたが)のくだりが同じですわ。


 本日はあのA Day to Remember。常に自然の脅威と、そして「生かされている」ことを忘れないように。

03.1.16 Thu.  ああ〜っ!               1.17 4:32
 24時過ぎに15日の「日記」をアップロードして、確認するためにアクセスしたら、Harbotのキリ番8000、自分で踏んだ〜! 「チェシャ猫、きり番ゲット!」って言われても、うれしかないやい。

 小田急線が遅れて、待ち合せの時間にすっかり遅れてしまいました。複線なので、1台遅れると次々フン詰まるしかないんですよね(苦笑)。JR埼京線も止まっていたそうで、首都圏の列車は厄日だったようです。
 神保町界隈をウロウロして、発売日より1日早く新刊をGETしたりしました。スポーツ用品店の前に、本物の雪を使った大きな雪だるまが2体も置かれていて驚きました。どこからもって来たのやら。ここ2、3日、10度まで上がらない東京ですが、雪だるま、何日くらいもつのでしょう。

 そういえば、ここ数日、めちゃくちゃ水が冷たくて、今日など風呂を沸かすのにいつもは50分のところ、1時間20分もかかりました。……って、それ、風呂釜がおかしいんじゃ……。どうも風呂釜とは入居当初から相性が悪いんです。水がなかなか止まらなかったり。一度みてもらったときは、異常なしだったのですが。私の使い方が悪いのかなぁ。
 そんなわけで、ちょっとぬるめの風呂に入ったせいか、事務所にいたら、なんだか背筋に悪寒が。早々に退散して寝ましたが、あぁ、いやな予感がする。去年の今ごろの悪夢が甦る。お腹にくる風邪だけは勘弁して……。


 ひとりごと。
 多神教の神話では「蘇生(よみがえり)」は罪とされているのに、一神教では死者を蘇生させることが「神」と認識される第一歩だったり。従来の神より力があるといいたいのかな。「蘇生力」を神格の基にするのは、新興宗教にも多いですよね。うん。ちょっと不思議に思っただけ。それだけ。

03.1.15 Wed.  黒糖ロールのおみくじ          24:51
 これまでの「日記」に書き忘れたことはなかったかなと考えて、思いだしました。
 朝食は「黒糖入りテーブルロール」が定番なのですが、今年、松の内(15日)までに2袋買ったのです。その袋にシールおみくじがついていまして、はがせば「吉」とかなんとか書いてあるわけです。
 1回目買ったのは「吉」、2回目買ったのは「中吉」でした。とりあえずよい方向には進むみたいですね。そうであってくれと切実に願っています。去年は「大吉」出たけど、たいした運勢じゃなかったし。……って去年がマジに「大吉」だったなら、あれ以上の「よいこと」はないってことでしょうか(暗)。
 ところで、なんとなく勘で、このおみくじには「凶」はないんじゃないかという気がしています。もしヤマ○キ「黒糖入りテーブルロール」をお買い求めになり、おみくじシールを開かれた方、何が出たか教えていただけませんでしょうか。特に「凶」が出た方はぜひ教えてくださいませ。気になって仕方ないんです(笑)。

 昨日あたりから、身体がいやにだるく、脚がバリバリつる現象が起きています。風邪とかの病気ではないようなので、単にエグゾーストしてるだけみたいです。しかし、困ったな。だらけてる場合じゃないのですが。ま、かといって、だるだるはどうしてもだるだるなので、抵抗せずにタレてみる。明日は復活してくれよー!

 編集というのは、基本的にスケジュールやクライアントや関係者に振り回されるものなのですが。最近、公私ともに振り回されすぎのような気がします。もうちょっとなんとかしないと、精神的にそろそろ過重になってる気が。
 今日も「今さらそれを言うかー!」な状況にキレかかったしな。そうならないように、去年から慎重に布石を打っておいたのですが、ちーっともわかってなかったんだな、バカったれめ!(と、「日記」で怒ってみる……ちょっと空しい)
 
 「日記」に続き、「掲示板」にもレスをつけさせていただきました。まったり平常運営です。ただし、新作?更新は2月になってしまいます。

03.1.14 Tue.  新年取材第1号             1.15 4:03
 年が明けて、第1号の取材が入りました。日本中を恐怖に陥れ、ついにその恐怖がアメリカまで席巻した、そうあの作品の作者の方です。

 さすが人気作家だけあって、出版社の仕切りで都内のホテルの一室を1日借り、時間を区切りながらいくつもの雑誌の取材をさばかれるという形でした。喫茶店などでの取材に比べて落ち着いてお話できますし、取材日と割り切っていらっしゃるので、こちらもあまり気兼ねすることなく、これはよいアイデアだなと思いました。
 先の取材が押して、10分遅れで始まりました。取材がタイムオーバーになるのはよくあることですし、かまいません。が、次の記者が待っているところで、だらだら取材以外の話、それも自社の出版物の解説をするのはやめたほうがいいですよん。時間仕切りの悪いのはどこの雑誌社かわかっちゃうやんか、私らに(笑)>某誌の方。

 さて、作家さんは一見きさくそうで、その実は固そうなお父さんという雰囲気の方なのですが。お祭りなどでは、マイ太鼓で行列の先頭きっていかれるのだとか。シンコペーションで太鼓を打つのだと語られたときのお顔は、まさに破顔一笑でした。出版社の内輪の忘年会でもたいへんナイスな歌と踊りを披露されるそうで、機会があれば一度拝見したいかも。……たぶんそんな機会はないですけどね(苦笑)。
 この原稿の締切は来週火曜日です。忘れないように書いておく。

 夕暮れの恵比須ガーデンプレイスを散策しました。5時を過ぎるとイルミネーションがきらめいて、ヨーロッパ風の建物を光と闇の幻想空間に仕立て上げます。あまりにも整然と美しく、あまりにもヨーロピアンで、いかにも人口都市という感がいなめませんが。パリのガレリアを歩いたような気分になるのは、私には記憶が呼び覚まされるようでよい感じです。
 普段着では来れないところだなぁと、珍しくドレススーツに例の牧師コートを着ていてよかったと思ったのですが。ガレリア風の外廊を、トレーナーに酒屋の前掛けをし、犬を連れて歩いている人を見かけて、一気に気持ちがゆるみました(笑)。ま、「作られた町」に気を張ることもないということでしょうか。いずこも同じ、人の住まう地ですしね。

 というわけで、「日記」ようやく追いつきましたか。「日記」ネタになるなぁと思ったこともさまざま忘れている気がいたしますが……備忘録になってないですね。とほほ。
 「日記」は前月のものなどはときどきいじったり、12月13日の「LOST & FOUND」みたいに追加したりしていますので、たまに覗いていただけましたら、変わっているかもです。……月が変わってから変わる「日記」……いやだな、我ながら。

03.1.13 Mon.  半日英語                1.15 3:24
 英国滞在中に知り合い、その後ドイツに留学、ドイツ人男性と結婚された知り合いが、夫婦揃って日本に里帰りされたので会いました。このサイトにUPしていますリザ・テツナーの『黒い兄弟』のドイツ語原書を送ってくださった方だったりします。名古屋からも、英国で知り合った友人が来て、実に8年ぶりの再会となりました。
 12時に横浜そごうで待ち合わせて、ご夫婦と喫茶店でしゃべりたおし、15時に名古屋から着いたばかりの友人と桜木町のランドマークタワーで合流。赤れんが倉庫のブルワリー・レストランで、地ビールとローストチキンにピザの早めのディナーをいただきました。

 ドイツ人のご主人はドイツ語はもちろん英語ができますが、日本語はダメとのこと。結果、4人とも英語で話すことに。いや〜みごとに話せませんでした(苦笑)。8年のブランクは大きいやね。まぁ世間話は文法メチャクチャの英語でなんとかなった(ような気がする)のですが、仕事や医学、建築の話になると語彙が足りません。ジェスチャーと、あとは知り合いに日本語で説明し、ドイツ語で伝えてもらったり。それでも、英語圏以外の方の話される英語はすごく聞き取りやすかったです。下手にヒアリングに自信がつきそうで、ちょっと待て>自分。英語圏の方の英語(特に米語)は聞き取れないに1000点!(笑)

 英国時代にはそんなに長い、べったりしたつき合いでもなかったのに、こうして日本で再会して、昨日別れた友人同士のように打ち解けて話せるというのはなかなか感動ものです。それに国際結婚されたご夫婦を間近に見ると、文化や生活背景の違うお互いを、どう理解し、どう想い合っていらっしゃるかがわかって、微笑ましいものがあったり。お二人の前途に幸あれ!です。
 お二人からはリキュール入りのチョコレート、名古屋の友人からはまたまた美酒をいただいて、今年は酒づいています(うふふ♪)。ありがとうございました m^_^m。

 ロンドンの下宿先だったご家族の、その後の話にかなりショックを受けました。まさに「Oh, My God!」の心境です。行けるものなら、今すぐにも訪ねたいのですが。いや、でも真剣に今年行きたいな。顔を見ないと安心できないよ。どうしよう……。

 そのあと、事務所に寄って打ち合せ。そのまま所長さんご夫婦と台湾料理を食べに行きました。台湾料理は味がやさしいので好きです。本日は夕方にドイツ料理、23時過ぎに台湾料理でお腹いっぱい。幸せです。とりあえず新年会?

03.1.12 Sun.  美しい日本語              1.15 2:53
 どっと重力がかかったかのように、ずっしりとした連休でした。正月休みでタレてたところに、一気呵成に仕事したからでしょうかね。それとも、もうずっとスケジュールに追われているような状態に反発がきたか。まぁ、連休だからいいや。ダレてよ(をいをい)。

 ネットサーフィンをしていて、たまにすごく素敵なサイトに出会うことがあります。今回出会ったのは、コミック作品のパロディ・ショート・ショートを書かれている、おそらく図書館関係の方のサイトなのですが。
 「心が愛しさで満ちてしまって、これ以上もう隙間もないというのに、それでもまだ、溢れてくる想い。こんなちっぽけな体の何処から、これほどの感情が沸き起こってくるのか、彼は自分のことなのに、それすらも理解できないことを歯痒く感じた。」
 うわぁ、でございます。ココだけ引っ張りだしても、もう「愛」いっぱいなのですが。全文を読むと、「そのシーン」なんて書かれていないのにエロいやら、「こんなに想われたら幸せだろうな〜」と架空のことなのにホンキで羨ましくなるやら。文章だけで、コロコロと心を翻弄されてしまいました。ひじょうに理知的で計算された、そして美しい日本語を書かれる方です。
 (どのサイトかどうしても知りたい方は、メールでお問い合せください。ちなみに、ほのかにボーイズラブです。こじんまりと営んでいらっしゃるサイトさんなので、直リンクは遠慮させていただきます)。

 基本的に同人誌と個人サイトは作者/管理人の好きにしていいものと思っていますので、自分のも含めて(苦笑)日本語のチェックは甘いです。ついでに「日記」などは、いかように書かれていようが、間違いがあろうが気にしません。おもしろければOKです。
 それくらいに構えていても、打ち間違いなどのケアレスミスを除いても、「その漢字、管理人さんご自身、読めるんですか?」とか、「その単語の用法あきらかに間違ってます」とか、「その送りがなは違うでしょう。活用形を思いだしましょう」とか、「このセリフを言ってるのは誰?」「この行動の主語は何?」とか、いちいちツッコミたくなるような文章中心サイトがあります。なんつーか、日本語にケンカを売っているような文章と申しましょうか。
 だから、読みやすくて、日本語の構造や音、字面の特徴が生かされていて、そのうえリズムがあって、さらにエモーションを揺さぶられる文章に出会うとメロメロです。ストーリーがおもしろければ、もう完全リスペクトです!

 つい、よき出会いを求めてフラフラと電脳波乗りに出てしまいます。まるで宝探しのようで楽しいです。たくさんの文章に一気に出会えるのも、ネットの醍醐味ですね。問題は、これにハマると寝不足、眼精疲労、集中力低下、たまに自分の文章に対するスランプに直結すること……。何ごともほどほどがよろしいようです。

03.1.10 Fri.  護国寺                 1.15 2:27
 打ち合せのため「護国寺」に行きました。いや、寺で打ち合せしたのではなく、地下鉄の駅名です、念のため。
 「何もない」
 が、地下から上がったときの感想。そもそも打ち合せ場所をお聞きしたときに「江戸川橋」のイメージをもってしまったのが失敗で。まず「あれぇ、高速が通ってない。ここどこ?」なウロンな感じ。そのうえ駅を出るなり寺があるのを「九段下」?(そりゃ、神社じゃ)と思ってみたり。なんだか視線をめぐらすたびに、頭の中に次々思い浮かぶ似たような場所のイメージに翻弄されました。ヘンなところです(って、ヘンなのは自分の頭や)。

 角川書店にいたころにお世話になった方にお会いして、懐かし話に花を咲かせました。昨年からまた仕事上でお世話になっており、多々ご面倒もおかけしています。途切れてもまた繋がって、こうして仕事でご一緒させていただくご縁もあるのだなぁとしみじみ。共通の知り合いで、気になっていた方の消息もお聞きできて、ひと安心してみたり。
 「一期一会」と申しますが、本当に人様とのご縁はどこでどうなるかわかりません。お一人お一人との出会いを大切にしたいと思いつつ、多忙(実を申せば時間の使い方の下手さ)を言い訳に、不義理をしています今日このごろです。ううむ。

 不義理と申せば年賀状のお返事。18日頃に印刷を頼んだハガキが出来上がる予定です。年賀状やカードをいただきました皆様には、寒中お見舞いにてお返事させていただきますので、もうしばらくお待ちくださいませ。

03.1.8 Wed.  万能キャラ考              1.12 2:18
 「万能キャラ」(って書くと「万能ネギ」みたいね)の扱いって難しいな〜と思います。

 恋愛もの以外のたいていの作品には、物語の導き手となる「頭がよくて、行動力もあるキャラ」が登場するものですが。
 あんまり万能すぎると、彼/彼女が初めから事件に関わっていれば、まず「事件」になっていないだろうし、途中から登場させれば、とたんに話は終わっちゃうだろうし、というオチになるわけです。
 「万能であること」の必然性とかっこよさ、地に足をつけた存在感を保ちつつ、物語を進めていくのは相当の技量が必要なんですよね。

 作品を読むうえで私がつい気になってしまうのが、作者が「万能キャラ」をどういう位置づけにし、どう動かしているかです。
 「最初から登場させない」という条件では、そのとき旅行に出ていたとか、事件の当事者に呼ばれて現れたとか。「最初から登場させる」場合は、ケガや病気のハンデを負っているとか、ふつうは平凡な人だけど、ある条件下で別人格にシフトするとか。
 例えば、『TWIN SIGNAL』ではオラトリオ/オラクルという二人揃えば「万能」つーか「全知」のキャラクターが出てきますが。「リュケイオン編」ではオラトリオは途中からの登場になったし(間に合ってたら、アトランダム暴走事件は起こっていないでしょう)、「オラクル編」ではオラクルとのリンクが切れたダメージのハンデがあった、とまぁそういうことです。

 この「万能キャラ」、うまく使わないと、才能豊かなのにツメの甘い、愛すべき「迂闊(うかつ)キャラ」になってしまうんだよなぁ。でもって、万能キャラに惹かれる私は、かなりの確率でツメの甘いキャラ好きになってしまうのです(苦笑)。

 ツメを甘くさせないためには、解決した事件より以上の謎と黒幕の存在があって、それを牽制するために、万能キャラはきっちりとした決着をつけられないとするのが定石ですね。あるいは万能キャラにリミッターをつける……「勝敗をつける」「謎を解く」のがキャラのテーマではなく、「目指した目的を達成する以外は関知しない」という立場に置くという方法もあります。
 私が目下ハマっている『ゲットバッカーズ 奪還屋』も、事件の裏に大きな謎と黒幕があって、そのうえ主人公が「奪還さえ果たせればよし」というスタンスでいるので、定石どおりと思うのですが。闘いの勝敗(決着)がつかない生温い感じに「少年マンガ」としてこれまでにない違和感があったり、謎のスケールが大きすぎて、これで謎と黒幕がチャチかったら目も当てられんという事態になってます。

 稀に、万能キャラが万能なままかっこよく描かれ、ストーリー的になんの破綻もなくまとめられている作品に出会います。そういう作品はもう文句なくすごいなぁと思っちゃいますね。

03.1.7 Tue.  終わりと始まり             1.15 1:57
 「スイス」はポストバスに引き続き、ホテルの資料も揃いました。明日、原稿UPということで、原稿制作は一段落。あとは初校チェックで終了です。
 『PALETTA』も最終校了に入っています。一連の年末進行狂想曲も終息を迎えました。

 代わりに浮上してくるのが、例の「プロジェ○トX」。1月中にはカタをつけなければ、なのですが。前途、貘としております。イロイロ、イロイロね。

 「復刊ドットコム」経由でブッキングにて購入した本、第2弾が届きました。1995年に放映された日本アニメーション作品の、『ロミオの青い空 脚本集』(島田満 あおぞら企画発行 税込2,500円)です。なんとアニメのキャラクターデザインを担当された佐藤好春のイラストや設定資料が掲載されているうえに、佐藤氏によるロミオ&アルフレドのカラー絵葉書付(はぁと)。自費出版に近い、こういう書籍も手に入るのがいいですね。
 リザ・テツナーの『黒い兄弟』と、それを原作にしたアニメ『ロミオの青い空』、どちらも同じくらい好きです。『脚本集』には、テレビ放映されたものにはないセリフや違っているセリフもあって、またちょっと違ったイメージのロミオやアルフレドがいます。
 興味をもたれた方はあおぞら企画のサイトへどうぞ。
 つっても、相変わらず斜め読みなのですが! いいかげん、何も心に迫るものなく、ゆっくり読書に集中する時間が取りたいぞ。どんどん積ん読本がふえていく。あうう。

03.1.6 Mon.  スイスのポストバス           1.15 1:53
 朝、ゴソゴソと実家からもって帰ってきたものの整理などをしていたら、電話が。「スイス」の後送分の資料が揃ったそうで、早速、原稿仕事に突入です。

 スイスというのはご存じのとおり山また山の国です。鉄道が通せない土地で、代わりとなる輸送手段が馬車でした。19世紀に発達した郵便馬車の通う道は、20世紀初頭にバス路線となり、現在、郵便と人を乗せて走る「ポストバス」がスイスの主要交通となっています。路線網は長さにしてスイス国鉄の3倍もあります。
 まぁ産業革命当時、鉄道大国であった英国でも馬車路線網のほうが発達していて、現在でもバス路線のほうが充実しています。innと呼ばれる宿は、その昔、馬車の停留所だったわけですし。実際、ヨーロッパではバス路線のほうが便利な国、多いのです。
 スイスの郵便馬車はアルプスの峠越えの際にホルンを鳴らしました。郵便ホルンと呼ばれたそれは、ロッシーニ作曲『ウィリアム・テル』の序曲の「ミ・ソ・ファ」の三連音。今でも、ポストバスの横腹にはホルンのマークが描かれ、同じく三連音を鳴らすそうです。
 そんな記事を書きました。

03.1.5 Sun.  帰省ラッシュ               1.15 1:23
 「行きはよいよい、帰りはこわい」と申しますが、行きも帰りも恐いのが、盆・暮れの帰省ラッシュです。
 行きは根性なしを大発揮してグリーン席で帰省しましたが、帰りは、実家でたらふく食べて栄養も休養もとったので、自由席争奪戦に参戦することに(予約しようにも指定席はすでに満席)。まずは西明石でこだまに乗り、新大阪でひかりに乗り換えます。
 寒風吹きすさぶ西明石駅のプラットホームに立っていたら、「広島、新岩国間で雪のため新幹線が遅れております」とアナウンスが。10分遅れでこだまはやってきたのですが、新大阪ではひかり全部のダイヤが狂っていたのでした。当たり前ですけどね(苦笑)。延着タイムの幅も広がってるし。

 延々ホームで空席のあるひかりに乗るタイミングを待っているのも、車内で立っているのも立つのは一緒。すでに積雪障害が出ている以上、少しでも早く東京に近づくほうがよかろうと、来たひかりに乗り込みました。発車したときは立ってましたが、京都駅で座れました。なんだか新年早々ラッキーかも! 座れたのをいいことに、年末に出校していたゲラの校正をして、そのあとは夢の中。今回は浜名湖も富士山も見ずに寝てましたね。反対側の窓だったし(東海道新幹線で富士山がちゃんと見られるのは、二人席側の窓)。

 東京駅から事務所へ直行。本日18時、印刷所への最終入稿だったのです。新年の挨拶をしながら、やってることは年末のドタバタと変わりません。やはり「迎春の気持ち」から遠く離れた事始めでした。

 今日はプライベートで旧友たちに会う予定もあったのですが。実家にいる間のメールのやり取りで、「忙しいようなので、今回は私一人で会います。雑文堂はまたの機会に来ればいいよ」となにやら一方的にメールが来たときには、「なんや、えらい失礼やな」と思いましたけど。なんだかんだで結構疲れましたから、結果的にはよかったのかも(笑)。

03.1.4 Sat.  朋あり、遠方より来たれり        1.12 23:30
 結局、実家でなごなごしていた正月でしたが、本日はお出かけデーです。
 朝9時30分に我が親友アカさまが自宅まで、年賀の美酒を持ってきてくれました〜(はぁと)。彼女と一緒に神戸・三ノ宮へ出てお食事。秋からプライベートで忙しくしていたことは知っていましたので、その話や、去年のGWに会って以来のよもやま話に興じました。そりゃもう、昼間からワイン1本空ける勢いでな(笑)。
 「またGWに映画行こうね〜」と別れて(私たちにとってGWの映画といえば、アレしかないですが!)、大阪へ。

 待ち合せは大阪駅のグランヴィア大阪にて17時。明日、インテックス大阪で行なわれる「コミックシティ」に参加するため来阪されたFさまと無事お会いできてなによりでした。夏コミ&熱海旅行以来です。以前に2度お会いしたときとは違う、パステル・ブルーがきれいなストールに、シックな装いでいらっしゃいます。
 早速、喫茶店でどかどかに積み上がった連絡事項?や内輪話を。ほのかにピンクのボトルに入ったお酒!、注文をお願いした同人誌などをもってきていただいて感激! 新刊もいただいて、それが雪の結晶にまつわるお話で、タイムリーで素敵でした。この日、ちょっと雪が舞ったのです。他にも、夏コミで私のツボどころを心得た方が、冬コミにて同人誌を購入し、ことづけてくださったり。新春からあったかいお心遣いをいただき、ありがたいことでした(感涙)。
 本当はNさまが来られるはずだったのですが、ご家庭の事情で来阪不可能な状態になり、急遽、Fさまがホテルと参加ブースを引き継いで関東からいらっしゃったのでした。なんかすごいですね、同人の威力って。聞けば、コミックシティでは4つのサークルの委託本や商品を25種扱われるとか。うわ〜。私には無理、絶対無理。

 ホワイティ梅田の、ちょっと高めだけど美味しい店こと「庵」にお連れし、イロイロイロイロお話しました。
 Fさまは特に「酔っぱらい観察話」がおもしろいのです。今回もおもしろい酔っぱらいの生態を教えていただきました(そして、私も観察されました、きっと(笑))。やはり秀逸は、自分の家に帰れなくなった方の話でしょうか。昨日、今日会った人に「私はどこへ帰るの?」って聞かれてもねぇ。ふつう酒に酔うと帰巣本能が発揮されるはずなのですが、例外もいらっしゃるということですね。
 あとは変な甥っ子の生態を分析いただいたり。そうか、3歳まではどんどん耳に入るものを取り入れていって、その後で頻繁に使うものから取捨選択して、使わないと判断したものは忘れていくんですね。……なんとか数字の知識だけでも残せないかな(笑)。
 それから、気になっていた同人誌作品のストーリーについて聞かせていただいたり。とにかく人さまの作られる話の設定やアイデアをお聞きするのは大好きなので、楽しいひとときを過ごさせていただきました。
 ……明日は忙しくなること必至のFさまを、それでも22時までつき合わせてしまった私は、かなり考えなしだったでしょうか。

03.1.3 Fri.  ア○バでガッツ!             1.12 22:43
 本日の朝食は習いどおりなら、焼き餅入りのすまし雑煮です。しいたけと柚子、三つ葉が入ります。でも、おせち料理の片づけをしましょうということになりました(笑)。

 10月に父からメールで、「プロバイダからウィルスチェックサービスの案内が来て、月200円かかるらしいけど入った方がいいか」と問い合せがきました。「親父さんのPCは窓でウィルスに弱いし、自分でチェックしたり、ウィルスにヤラれたあとの処理もできないんやから、入っておけば」と返信しました。……2ヵ月以上経って、まだ入ってなかったようです。
 どうやってサービス追加を依頼していいかわからず、電話でプロバイダのサポセンへ問い合わせた父。すると「ガイダンスに従って〜」と、電子音の案内ねーさんに言われたそうな。実家の電話は昔なつかしいジリリリリーン♪のダイヤル式黒電話。「#」ボタンがない!と慌てた父は、親戚宅へGO! そこのプッシュホン電話で問い合わせたところ、「PCの画面からログインして、サービスの追加申し込みしてください」と言われ、「なんで電話で申し込めないんや!」とキレたらしい。日を改めて再び親戚宅から電話したときも、同じように言われ、すっかり拗ね拗ねモードに。
 母と父が交互に(主に母が経過を、父が弱々しく言い訳を)話すのを横耳にしながら、父のPCからプロバイダのカスタマーサービス画面にログイン、ウィルスチェックサービスの追加申し込みをしました。浮かんだのは某「サポセン黙示録」での「パソコンはどのくらいご存知でしょうか?」「ガッツ○松くらいです!」の名会話。きっとプロバイダのサポセンの兄ちゃんも、キレた父に対して思ったことでしょう、「このガッツ○松が〜!」と……。すまないねぇ。
 「つまりPC自体の設定変更が必要になるから、電話での申し込みは無理なんよ」と説明しつつ、父くらいの世代の人にはPC世界独特の「モード」というか「お約束」が理解できないと、イレギュラー事態の対処は難しかろうと。誰もが使えるPCには、やはり音声を認識して、それをPC操作に変換してくれるインターフェースが不可欠ではないかと思ったのでした。

 次に判明したのは、ワープロが壊れそうだからと買ったはずのPCを放って、もっぱら手慣れたワープロを使い続けていた父は、ついに昇天間近のワープロ様(液晶が映りゃしねえ)にたくさんの書類を無効にされかかってる事実。
 だ〜か〜ら〜去年の正月に、私がワードの書類の作り方を教えたじゃないかー! そのとき作ったサンプル書類もそのまま(PCに残ってた(苦笑))に、まだワープロ使ってたのか、オヤジー!! ということで、イロイロいじってみたのですが。
 このワープロの書類、DOS変換できねぇ。あ、やっぱりPCもフロッピー認識しねぇ。日立と富士通だから相性悪いんじゃ? いや、この際それは関係ないだろうとか。……別に漫談にしたいわけでもないのに、なぜお笑いになるんだ、父と機械モノは!

1.12
 そんなわけで、ワープロ to PCのデータ移植はお手上げだったのですが。実は東京に帰ってから思いついた方法があるので、今度、荷物整理に帰ったときに試してやろうと思うのでした。それまでワープロ様の液晶が開く角度30度ででも映ってくれてたらね。

03.1.2 Thu.  とろろデー               1.12 22:15
 本来なら正月2日の朝食がとろろなのですが。昨日、珍しく夜遅くまでいた弟夫婦(実家の建て替えの打ち合わせとかね)と甥の応対に疲れた母が、「とろろは2日の夜」宣言をしたので、夕食になりました。とろろは、伊勢のとろろいもの皮を剥いて、すりこぎですりつぶし、それに出汁を加えて作ります。あつあつご飯に青海苔といっしょにかけて食べてもよし。そのままお椀にすくって飲んでもよし。これも子どものころは苦手だったけど(口の回りがかゆくなったりしたのです)、今では好物になりました。おせち料理を含めて、正月料理って大人向けの味ですよね。

 もっぱら某NHKをかけていることの多い実家。朝から「これはいついつ見た番組の再放送」とか「これも見たわ。これからこの人がああして、こうして……」とか「再放送ばっかりで手抜きや。おもしろくないわぁ」とか、母上ったら、やかましい。テレビをそんなに見ない私には、再放送でもほとんど初見なんだから、先のストーリーをバラすのはやめなはれ。いや、そもそもつまらないならチャンネル変えればいいやん。ということで、正月早々、テレビネタでプチ・むかついてみる(笑)。
 まぁ、どこの企業も正月休みは「取るべきもの」なのだから、放送局とて休むのはしかたないですが。こんなテレビしか楽しむネタがない(をい)ときこそ、ガツンとおもしろくって、ためになって、見ごたえのある番組をやっていただきたいですね。いつ収録したのかわからないような芸能人番組や、新春対談、新春放談に逃げないでさ。なんか年末の「十大ニュース」(これもどの局も何度もやるよね)と「レコ大」「紅白」で力使いきってんじゃないよという感じなんですが。どうなんでしょう。

 2日が初売りのお店が多いんですね。おせち料理とかの意味ないな〜と思ってしまいますね。元々、正月3ヵ日は農家も漁師も仲買人も小売店もすべてが休みになるので、その間の保存食としておせち料理ってできたんじゃなかったっけ。だから塩辛いもの、酸っぱいものといった酒の肴ちっくな料理が多くて、子どもの舌には合わないってことだったと思うのですが。
 2日から開いてるなら、歳末の買い込みも必要ないしね。ということで、歳末の買い込みで最近多いのは刺身(生食用の魚介類含む)だそうです。
 文化が変われば、風習も変わっていくのかなと、便利になる世の中に一抹の寂しさを覚えるのでした。

03.1.1 Wed.  A Happy New Year! 2003       1.12 6:14
 新年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

 ということで、2003年、平成15年の幕開けでございます。
 東京では43年ぶりの雪の正月だったらしいですが。少なくとも明石は例年どおり雪のないお正月です。
 「一年の計は元旦にあり」と申しますが、私の場合、年の変わり目に豆まきしてからはひたすらPCをいじっておりまして、「何処も同じ秋の夕暮れ」ならぬ「いつもと同じ1日の始まり」でござました。年々、迎春の感激が薄らいでいきますね。ふう。

 8時に仏間に集合。床の間、仏壇、神棚、台所の三宝荒神と順番に新春の言祝ぎをします。
 それから、お屠蘇と、床の間の白三方から昆布(よろこんぶ)と串柿をひとつずつ取っていただきます。勝ち栗は固すぎて食べられません(笑)。昔は串柿の種の数で吉凶を占ったのですが、ここ数年は種なし柿ばかりでちょっと興醒めです。
 雑煮は丸餅に白味噌仕立て。ささがきごぼう、焼き豆腐、雑煮大根を入れます。子どもの頃は溶けた餅が苦手で餅なし雑煮を食べていたのですが、今では「餅、2コ!」とか言っていただいています。正月の雑煮は好物です。舌って歳とともに変わりますね。

 2歳6ヵ月の甥登場。年末に風邪をひいたとかで、全般的にご機嫌ななめ。そのうえ、ヒトの顔を忘れていやがる。「ばあちゃん」「おばちゃん」「おねえちゃん」と呼び方がふらふらするうえに、果ては「こわーい」ときやがった(笑)。そりゃ、この家では私だけがキミを甘やかさないからね。ふふふ。
 「ブラックビーン!」と主張するので、何のことかと思ったら「黒豆がほしい」ということだったり。英語かよ、おい! 「ブルーニ、ブルーニ」というので、ブルーナのぬいぐるみでももってるのかと思えば、彼のお気に入りの「青い2」の数字玩具(ダイソー製)のことだったり。知育教材の英語が混じるので、何語しゃべってるのか、見当がつきません。
 アルファベットもソラで「エー、ビー、シー」と言えるのですが、「エゥル」「アゥル」……その巻舌はなんや! 「ズィー」……うわ、いやや。アルファベットのZは、子どもらしく「ゼット」やないんかー!っと、突っ込みどころ満載でした。
 ついでにヤツは300まで数が言えます。よくわかりませんが、数字配列はケタが変わろうと「1〜0」の繰り返しとわかっているもよう。なので、100になろうが、200になろうがおかまいなしです。このままいくと末は数学者かもしれませんが、3歳までは何でもありの化けモノですからね。ま、私も弟も数字が苦手なので、一族に一人くらい数字に明るいヤツがいてくれると助かりますけれど。
 ときどき宇宙との交信を始めたり(意味不明の言葉で誰かと語り合っている)、『X-File』っぽくって見ているとおもしろいです。いつか「0」「1」を延々と紙に書きだしたら、FBIのお二人に来ていただこうかなと思いマス。
 次に会うときは、どんなふうに変わっているやら。子どもってなかなか興味深いですね。身辺にいるとうっとおしそうですが。そっくり返って泣きだすと、もう我がまま暴君以外の何者でもなし(苦笑)。


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