Dairy for Paranoid

MARCH 2003

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JANUARY  FEBRUARY


03.3.31 Mon.  忙しい                  4.5 23:17
 Extreme busyness, whether at school or collage, kirk or market, is a symptom of deficient vitality.
  ─From "Virginibus Puerisque" by Robert Louis Stevenson
 学校でもカレッジでも、教会でも市場でも、極端な多忙は活力が薄弱になりつつある兆候である。
  ─ロバート・ルイス・スティーブンソン

 逆説的ですが、多忙が活力を削るのではなく、活力が衰えている兆しが多忙の状態なのだと。本来なら、多忙になる前に、自分のキャパシティを考えてスケジューリングできるはずなのに、それさえできなくなるほど頭が鈍り、またスケジュールどおりこなせなくなるほど活力が弱まって多忙になるのだと。「なるほど」と納得してみる。

 そうか、活力が衰えているから、こうも忙しいのか。もうとうの昔にスケジューリングなんて手放したしな。じゃあ、活力が甦れば、多忙じゃなくなるのか。でも、活力が戻るときって、たいてい仕事がないときなんだよな。スケジューリングしたくても、何もやることがないのさあ(苦笑)。

 なんだかわかったような、わからんような名言を吐いているスティーブンソンとは、『宝島』『ジギル博士とハイド氏』の作者です。結核と執筆活動に疲れた彼は、南太平洋のサモア島に転地療養に出かけて活力を取り戻したそうです。……私もどこかの〜んびりできるところへ行きたいよ。

 Busynessはbusyの名詞形で、多忙、めまぐるしさの意味ですが、一文字変えるとbusiness(仕事)になります。どちらもbusyからの派生語ですし。やはり「仕事」とは「忙しい」ってことなのでしょうか。

03.3.30 Sun.  花は桜木                 4.5 22:45
 1日、具合の悪い日でした。仕事も佳境なので寝ている場合ではない! 「ない!」と思いながら、寝たり起きたりでテープ起こしをしていました。……根性なし。

 家の前の遊歩道に咲く桜並木は、今が満開です。おかげさまで、外では真っ昼間から、飲めや歌えの大騒ぎ。1年1度の満開の桜の下、「花を見て、浮かれざりきは不粋なりけり」なのでしょうが。いかんせん、部屋にいても聞こてくる笑い声や声高に話す騒音が、疲れた頭にガンガン響きます。11時ごろから16時ごろまで賑やかしく、「いやはや、まいったね」でございました。


 とはいえ、花に罪なし。むしろ桜は大好きな花です。それも夜桜のほうが好きなので、このごろは帰宅の道すがら、遊歩道の桜並木の下をわざわざ通り抜けています。昼間の桜も地上に下りた白い雲のようできれいですが、夜桜は昼間とは違って、全体より花房のひとつひとつに目がいきます。ひとつの花房のひとつの花の花弁の一枚一枚が、仄かな白い光を放っているようで、思わず魅入られます。
 透き通ってはいないのに、「透き通るような」と表現したい絶妙の花弁の薄さ。それが風にのって闇にひらひらと舞うさまは、まさに夢幻、幽玄へ誘われるようです。

 What's in a name?
 That which we call rose
 By any other name would smell as sweet
  ─From "Romeo and Juliet" by William Shakespeare
 名前っていったい何?
 私たちがバラと呼んでいるあの花も
 別の名前であっても、あの甘い香りに変わりはないはず
  ─ウィリアム・シェイクスピア

 『ロミオとジュリエット』の中での「名前」の意味は、両家の諍いを指して、恋する二人には深刻ですが。
 それとは別次元の意味で、やはり「さくら」は「さくら」という名だからこそ美しいのだと思ってしまいます。「名前こそ存在を縛る呪だ」とおっしゃったのは、夢枕貘版安倍晴明さまですが。逆に名前がないものほど、哀れなものはないでしょう。誰がつけたのか知りませんが、あの花に「さくら」の名を与えた方にご一献差し上げたい。そんな季節です。

03.3.29 Sat.  戦争の影響                4.5 22:25
 海外旅行のリーフレット関係の仕事が入っていたのですが、夏の旅行について新規企画は凍結となったのでキャンセルしますとの電話をいただきました。「3月上旬には打ち合せを」と言われてから、何の連絡もなかったので、ボツになったのかな〜とは思っていましたが。リーフレットがボツになったのではなく、旅行企画自体がボツになったのね。
 どうやら英米軍のイラク侵攻の余波のようです。そうかあ、ガソリンの値段のみならず、株価のみならず、こういうところにも影響するのかと、ちょっと目の覚める思いがしました。

 SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行もあって、海外旅行関係の会社はたいへんです。ヨーロッパ・中近東方面は戦争でダメ。ではアジア方面はというとSARS。心情的にも、世界がこんな時にのん気に海外旅行どころじゃないだろうって思いますからね。
 連絡をいただいて「なるほど」と納得したけど、仕事がひとつ飛ぶのはイタいデス、ふふふ。

 と思えば、別の仕事で「イラク共和国」について調べることになったり。ふふっ、これも人智の遠く及ばぬ、神の思し召しってヤツでしょうか。

03.3.28 Fri.  思わぬところで              4.5 21:20
 この「日記」に以前にも書きました高橋明の『傀儡─KUGUTSU─』。「コミックPitto!」(光文社刊)にて連載されていたのが、雑誌の廃刊により中断。お話自体は、集英社の集英社スーパーダッシュ文庫『傀儡─KUGUTSU─』で林日出夫がノベライズ。コミック3巻分が文庫3巻分に文章化されました。
 コミックを3巻とも持っている私としては、その頓挫した続きが気になるところだったのですが。なんと高橋明自らの手による小説、『傀儡─KUGUTSU─』4巻が3月25日に発売されました。さすがに作者ご自身が書かれるとは思わなかったので、びっくりです。そして、ようやく読めた話の展開に「あぁ、やっぱりそうだったんだぁ!」「えぇ、うそぉ!」とのたうちまわり。あぁ、2000年12月にコミック『傀儡─KUGUTSU─』3巻を手に入れたときから、苦節2年と3カ月。待ったなぁ。

 そして気になるのが、集英社ウルトラジャンプで連載中の『傀儡戯─カーレイヒ─』(集英社 ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ 1〜3巻発売中)。『傀儡─KUGUTSU─』と登場人物も設定も同じなのですが、役割も年齢も違うパラレル。この2つの作品はどこかで交わるのか、それとも陰界・陽界のようなパラレルワールドなのか。今後の展開がいろんな意味で楽しみです。
 おもしろいのは、『傀儡─KUGUTSU─』が連載されていた雑誌が廃刊にならなければ、小説版も『傀儡戯─カーレイヒ─』も生まれなかっただろうということ。作品にとって掲載雑誌の廃刊は悲劇ですが、それがこのようなおもしろい作品世界の広がりを見せることもあるのだなと思います。

 ちなみにこの作品も新宿結界を扱ったもの。私が好きになる作品はなぜか「新宿結界」にまつわるものが多いのです。有名どころでは菊地秀行の『魔界都市<新宿>』シリーズ、TVドラマ『D×D(Dangerous Angel×Death Hunter)』。結界とは違いますが、『GetBackers-奪還屋-』も新宿が舞台。その無限城のようすは、『D×D』に描かれたチャイナタウンな新宿にそっくりだったり。
 ついでに『傀儡─KUGUTSU─』には怪しげな黒衣の医者が出てきます。自分自身が死体を量産しちゃうヤブ医者です(笑)。<新宿>には白衣の、やはり死体量産型のお医者さんがいらっしゃいましたっけ。裏新宿にも、黒衣の死体量産型の医師免許保持者がたまに姿を現わすようです。なんか妙な共通点がこれまたおもしろかったり。


 3月は朝日ソノラマから『チキタ★GUGU』4巻(TONO)、『墨野ん家の事情』5巻(オオノサトシ)も出て、大漁節気分。コミックスに関しては、だんだん初物買いはしなくなってきましたね。気に入ったコミックの続巻が出たら買うという感じ。部屋の狭さがブレーキをかけてるんですがね(笑)。でも、だんだん冒険心もなくなってきたのかな。うう〜ん。

03.3.27 Thu.  インタビュー原稿             4.5 20:00
 今、私が主に書いているのはインタビュー原稿です。仕事の7〜8割がインタビュー取材+原稿です。インタビュー取材の中には、FAXインタビューというのもあります。忙しくて時間が取れない方、あまりにも遠方にお住まいの方、人に会うのが苦手な方に取材する場合、FAXかメールで質問を送って、それにFAXかメールでお答えいただくものです。

 さて、このインタビュー原稿、けっこう楽そうに思われるんですよね。インタビュー原稿は、誰かが話したことをまとめるだけ。一から十まで自分で調べて自分ひとりで書く原稿のほうが、時間も手間もかかるのでは、とね。
 まあ、これ、人によると思うのですが。私はひとりで調べて書く原稿のほうが好きです(きっぱり)。

 まず、インタビューは下調べが必要です。取材相手とはまさに一期一会。せっかくお時間を取っていただいているのですから、「聞かなければならないこと」はきっちり聞かなくてはなりません。『PALETTA』などはどの記事にも共通した、例えば「その作品に関わったきっかけ」とか「キャラクター造形のコンセプト」とか、原作者がある場合「原作者からの希望」といった「聞かなければならないこと」があります。しかし、その作品の内容や特異性、またインタビュー対象の方の個性や役割によって、変わってくる「聞かなければならないこと」も当然出てくるわけです。

 ライターの中には、下調べなしでインタビューの席上で臨機応変に尋ねますという方もいらっしゃいますが、私はそこそこ下調べが必要なタイプです。質問の中に、取材相手や作品について「知ってますよ」というニュアンスを含めるだけで、場の雰囲気がすごく変わることは何度も経験しましたから。
 また極度に緊張したり、あるいは取材を承知されたにもかかわらず気分的なものからか、ひと言も話されない方もいらっしゃいます。そういう方から話を引き出すには、「ツーリングなさるんですよね。最近はどちらに行かれるんですか?」とか、「○○で読ませていただいたんですが、SFがお好きだとか。この作品の脚本を引き受けられたのは、ウラシマ効果が書かれているからですか?」とか、とにかく答えやすそうな質問をぶつけてみるのも手のひとつですし。
 ……他の手ですか? いろいろありますが、けっこう有効なのは「私、何もわからないので、一から教えていただけますか」と「教えて君」になることでしょうかね。矛盾してますが(笑)。

 FAXインタビューはそれこそ臨機応変が効きませんので、ありきたりな質問の中に、答えたくなるような質問を混ぜて「つかむ」ことが重要。質問事項を考えることが、まさにその記事の成否を決めます。FAXインタビューが多くなると、すでに仕事の前半で疲れ果ててしまいます。

 インタビューを終えたら、テープを起こして、あとは原稿まで一直線。ま、そのとおりなんですが。それにも手順がありまして、まずは記事のテーマに沿って、答えの「固まり」を取捨選択します。1時間のインタビューをそのまま文字に起こすと1万〜1万5千文字、1時間半の対談で1万5千〜1万8千文字になります。『PALETTA』なら、記事内の文字数はインタビュー4ページで3千〜4千字、対談6ページで5千〜6千字です。お聞きしたことの3分の2は切ることになります。では、どこの部分を切って、どこを残すのか。なかなか悩みどころです。ここで記事のテーマ、あるいは雰囲気が決定します。真面目にお話いただいた部分だけを選べば、ちょっと固めだけど内容の充実した記事になります。質問にジョークで返されたり、対談ならお互いが冗談を言い合っているような部分を選べば、軽妙な掛け合いやシャレが効いておもしろいけど、情報的には薄いかもという記事になります。
 「固まり」を選択したら、今度は文体を整理していきます。同じような内容の答えや話題が繰り返し表れる場合、前半のこの言葉と後半のあの言葉を合わせてまとめたり、なんてこともします。

 もうひとつ、インタビューではインタビュアーと取材相手の間でツーカーでわかっていることがあります。「○○ってそういうキャラですよね」「ですよね。だからあの話でああいう態度を取らせたんです」をそのまま記事にしても、読者は「?」でしょう。「そういう」ってどういうキャラなのか、「あの話」って何話のどのエピソードか、「ああいう態度」ってどういう態度なのか、を明確に書かなくてはなりません。
 必要な説明を加えつつ、決して取材された方が言っていないこと、感じてはいないことを勝手に作ってしまわないように。記事を書く上で、いちばん神経を使うのがここです。読者にわかるように、しかしニュアンスを崩さないように。あのとき、あの人はどんな顔でこの言葉を言っていたか、どんな感情表現をされていたか、思いだしながら書きます。
 基本的に書いた原稿は一度、取材相手のチェックを受けますが、「言うはずのないこと」「絶対にそんな感想をもつはずはないこと」が書かれているのは、あまり気分のいいものではないでしょう。インタビュアーと取材された方の人間関係が壊れるかもしれない、ドキドキの作業です。


 あと、取材相手の方に必要以上に好意をもってしまうと、なかなか記事が書きにくかったりします。すでに風評のある方に取材して好意をもってしまうと、悪評を払拭したいという不要なチャレンジャー精神が生まれるんですね。払拭できないまでも、せめて私の記事がまた誤解の発端にならないように、その方の真意ができるだけダイレクトに伝わるように言葉を選んでしまいます。結果、ひとつの記事にえらい時間がかかったり。


 そんなこんなの過程を経て、インタビュー記事はできあがっています。ま、だから何だって感じですが(笑)。ここ2週間、ずーっとインタビュー記事を書き続けているので、ちょっと愚痴こぼしです。

03.3.26 Wed.  サクラ、咲く               3.27 0:40
 今朝、ゴミ出しに出たら、家の前の桜の花芽がぷっくり膨らんで赤く色づいていました。ちょうど新聞を取りに出てこられた大家さんと、「花ざむですねぇ。でも、もう桜が咲きそうですね」などと話していました。
 23時過ぎに帰ってきたら、その桜の花が咲いています。びっくり。まだちらほらですが、夜目にも白々と光るような花びらが浮かんでいます。今日は日中暖かかったので、一気に綻んだのでしょうか。家から外に出たら即、花見というのが、この住まいの魅力のひとつですが。東京都知事選やら区長・区議会選の大きな告示板が桜の傍に立ててあるのが目障りです。知事選は4月13日、区関係は4月27日なんですよね。桜の季節の間、ずっと立ってる勢いで、ちょっと残念。

 デコポンをいただいたので、食べてみました。柑橘類というのはわかりますが、形がちょっと瓢箪のできそこないみたいで、外見からは味の見当もつきません。皮をむいむい剥いて、一房口に入れたら……まぁ、とてもおいしいこと! 水気、甘味、酸味の割合がちょうど私好みで、病みつきになりそうです。

 相変わらず、仕事では揃わない素材に泣かされています。最初に必要なもののリストをお渡しして、「揃えます」と約束いただいたのに、送付されてくる素材は肝心なモノが足りないまま。「もうリミットなのですが、こういう素材はいただけないのですか」と言えば、「では、現場に言って用意しますから、待ってください」って、もう何週間待ち続けてると思っとるんじゃ〜! だいたい、そのイラストほしいってお願いするの、もう4回目じゃわ! 「無理を言いまして、すみません」ととりあえず謝ってはみたものの、心の中は「多忙にかまけて、人の依頼をないがしろにしてるわけだろう、てめえはよ! 使えねえなぁ、ああ!?」ってな感じ(苦笑)。ま、今回も残り1点というところまで漕ぎつけました。あぁ、やれやれ。


 本日の本のお買い上げ。昨日発売の『まるごとHarbot ハーボット公式ガイドブック』(秀和システム)1300円+税也。私が編集した『Harbot ハーボットプチガイドブック』(辰巳出版)がSo-net監修の「ファンブック」なら、こちらは「公式ガイドブック」です(って、タイトルどおりやん)。
 それにしても探しましたよ。どこの書店にもないんだもん。ついに新宿まで出て、紀伊國屋書店本店で手に入れました。この書店では18日から先行販売されているはずですが、先着100名様プレゼントをもらっちゃったぞ。やはりHarbotはマイナーなのか……。でも店の週の売り上げランキングは1位だったり。ビミョーな感じですな。

 秀和システムは『はじめてのExcel 2002』などの「はじめて」シリーズを出している会社。さすがPC関連の専門書を作っている会社だけあって、たいへん詳しい「取り扱い説明書」でした。PC自体に強くない私には書けない本だなぁ(苦笑)。この本が出ることは風の噂で聞いていたので、あえてHarbotのシステムには踏み込まず、キャラクターと裏設定のおもしろさをフィーチャーしてみたのが『プチガイドブック』。狙いどおり、あまり重なった記事がなくてよかったです。
 Harbotのノウハウについて、これ以上ないほどに詳しい本です。トラブルシューティングに1冊あると便利そう。ご興味あられます方は、ネット購入をご検討ください。本気で一般書店にありませんから(むしろ電器関係のPC館などの書籍コーナーならばっちりありそう)。

03.3.25 Tue.  アカデミー賞               3.26 6:24
 3月23日(日本時間24日)に開催された第75回アカデミー賞授賞式。長編アニメーション部門(Best Animated Feature)で、アカデミー賞を宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』(Spirited Away)が受賞しました。
 長編アニメーション部門は、昨年創設されたばかり。第1回の受賞は『シュレック』でした。『シュレック』はドリーム・ワークス(Dream Works/Dreamworks)の作品。ドリーム・ワークスは1994年、スティーブン・スピルバーグらが設立した会社なんですね。
 そして第2回の受賞がスタジオ・ジブリの『千と千尋』ということで、米国アニメ界のご本家はどうしたって感じですが。
 今回の受賞が私なりにうれしいのは、ひとつは日本のアニメが「ジャパニメーション」という知る人ぞ知るのマニアな世界から脱却して、歴々たるハリウッド映画と遜色のない「作品」と認められたことでしょうか。
 もうひとつは、ご本家を牽制できたかなと。『ライオンキング』といい、『アトランティス』といい、過敏な人は多分「いい加減にしろよ」と思っていたと思うので。「インスパイア」「オマージュ」「コピー」をはきちがえてはいけません。そういう意味でも、ちょっと意地悪く今回の受賞を見ている私がいます。

 それにしても。『千と千尋の神隠し』は日本の精霊たちの物語。そのスピリッツをよく外国の人たちが面白がれたなぁとちょっと不思議な感じがします。まぁ、エキゾチックな冒険ものとして楽しんだほうに1000点、って感じですけど。
 2002年のベルリン国際映画祭で最優秀作品賞(金熊賞)受賞、米国アニメ界のアカデミー賞ことアニー賞4部門受賞、全米批評家賞受賞など、この快進撃が頼もしく、うれしいかぎりです。


 映画といえば、ご本家の『リロ アンド スティッチ』に心揺れています。スティッチの爪が、爪が〜! あの爪にメロメロ〜ンです。ええ、私は動物の爪フェチです! ネコの爪が出たり引っ込んだりするのを見てうっとり。イヌの爪がアスファルトにあたって音をたてるのを見てうっとり。『うしおととら』藤田和日郎(小学館 サンデーコミックス)のとらちゃんの爪にうっとり。あまりの愛おしさに忘我の境地に陥ってしまうのです(マジ)。
 電車の車内吊りで、にゅっと爪の出た6本足(手?)のスティッチを見てから、ドキドキ心がざわついています。う〜ん、でも多分ビデオで観ることになるんだろうなぁ。今やってる編集作業が終わったら、即行実家へ帰って、片づけ再開なので。とほほ〜ん。

03.3.24 Mon.  仮閉鎖は当分なし(予定)         3.25 5:16
 のん気に「日記」を再開する前に、やらなきゃならないことがあるだろうということを、ついさっき、思いだしました。そう、いつぞやの「仮閉鎖しようかな〜」宣言のフォローです。もう、どうしてこういう重要なことを忘れるかな……。
 あのおりに、「仮閉鎖ってサイトを全部消してしまうの?」ってご心配いただいたのですが。「偏執日記」と「掲示板」のみ削除し、TOPページに「更新中止/仮閉鎖中」の文字を掲げて、今まで書いたものについては読んでいただける形にしようと、当時は思っていました。

 私が他のサイト様を巡るとき、更新がないとやはりがっかりだし、「掲示板」にレスがないと不安になるんですよね。それと同じことを、自分のサイトでやらかしちゃってていいのか、来てくださる方に失礼じゃないのかと心苦しかったのです、えぇ、これでも(苦笑)。
 仕事がたて混んでしまったうえに、実家の事情もあって、サイトに回せる時間も心の余裕もなくなった時点で、このサイトはアーカイヴ(倉庫)化しようと思いました。動き(更新)はないけど、閲覧は可能という。それがいまだに実現していないのは、「仮閉鎖」の決断をしたときに、その作業をする時間さえなかったからです(笑)。

 そうこうするうちに春になり(って何の関係が)、なんか「日記」ものんびり再開してしまって、「あ、まぁいいか〜」みたいな(をい)。
 それ以上に、「掲示板」やメールやお電話で、励ましやお叱りをいただいたのが大きかったのですが。
 
 仮閉鎖はしません。この度はお騒がせいたしまして、申し訳ございませんでした。
 また自分の都合でサイトを閉鎖する事態になりましても、サイトの文章につきましては倉庫化しますので、その点はどうぞご心配なくです。いただくメールなどでの判断ですが、「アメイジング・グレース」や「リザ・テツナー」は、検索エンジンで探して来てくださって、どうやらお役に立てていただいているようですし、私も書いた文章には愛着がありますので。
 まぁ、二度とこんなことでお騒がせしないのがいちばんなのですが。オロオロ鳥が頭の中で鳴き出すと、パニック! ドカ〜ン!な短気モノですので、絶対この先ありえないとは言い切れません(苦笑)。何かしらのトラブルで閉めることになる可能性もないとは言えませんし。ま、それより何よりもっと時間の使い方、勉強しような>自分。


<更新というほどでもない改訂>
 もし「西国三十三所御詠歌」をプリントアウトもしくはダウンロードなさっておられます方がいらっしゃいましたら、訂正が入りましたのでご確認くださいませ。第三十番「厳金山」宝厳寺(竹生島)の山号を「巖金山」に正しました。メールでご指摘いただきましたK様(O様かしら)、ありがとうございました。
 あと、「オックスフォード『パブ物語』」のThe Eagle & Child の看板と店の写真を、実家の片づけ中に見つけましたのでUPしています(TOPにも書いてますが)。同時に「ミラノ旅行記」の「クレモナ・マントヴァ」に件の車内検札を受けた切符をUPしました。これも実家の片づけ中に発見。物持ちいいなぁ〜、私(笑)。

03.3.23 Sun.  春はダメダメ               3.24 2:30
 眠いんです。本当に何時間寝ても眠いんです。目は開いていても、脳髄のあたりが眠気を主張して、やがて目も閉じてしまうという。眠気と闘っても全戦全敗。もう、この負け気分をどうにかしてや、の心境です。

 久しぶりにスーパーに買い出しに行きました。このクソ忙しいときに、米が切れたので。何がなくともあまり気にしない私ですが、米がなくなると、なんとなく飢餓の危機感に襲われます(笑)。なので、心の安定のために米を買いに出かけました。
 まだまだ寒いというか、空気に冷気が残っているような今日このごろですが、ほてほて歩いていると、うすらぼや〜とした春独特の気配を感じますね。家の前の桜も芽吹きを迎えているようです。

 スーパーで、何やらかん高い声で店員さんにくってかかっている小母さま一名。「あんなカゴの前に犬繋いでるってどういうこと!? 怖くてカゴが取れないでしょ! ほかのところに繋いで!!」見れば、スーパーの外の取りカゴが積んであるところに、でっかいゴールデンレトリバーが鎮座ましましています。まぁね、小母さんの主張もわかります。取りカゴの真ん前に犬がいて、舌出してハァハァいってたら、近寄りにくいし、取りにくいし、衛生的にもどうでしょう。飼い主は非常識な人だと思いますよ。
 でも、繋いだのは店員さんではないでしょうに、そんな喧嘩腰でくってかかっては、正しい主張もなんだか言いがかりをつけているようにしか見えません。「ただ今、飼い主の方をお呼び出しいたしますので、少々お待ちください」と店員さんが言っているにもかかわらず、「なぜあんたができないの? あんなところに繋いでるのが悪いんだから、勝手に動かしてもいいでしょ!」いや、あなたが怖い犬は、店員さんだって怖いですよ。特に動物は飼い主にまかせないと。ここまで来ると、小母さんのほうが勝手で非常識に思えてしまいます。
 「丸い卵も切りようで四角、ものも言いようで角が立つ」、まさに。自己完結させず、きちんと相手の言葉を引き出す言葉の使い方って案外むずかしいものですが。町中でのささいな会話ほど、言葉次第で雰囲気がよくも悪くもなるような気がします。
 私も短気で自己完結型なので気をつけないと。うむ。

03.3.22 Sat.  そんなわけで               18:33
 「日記」再開です。また、いつ止まるかわかりませんが。でも止めたままにしておくと、書くべき日数が増えるだけと思い至りました(遅っ!)。つか、さぼってようがなんだろうが、日記対象日=1年365日は変わりませんという真理に、今、思い至ったのです。というわけで、1月分、2月分、3月分を同時に基本1日分ずつ書いていこうと思います。よろしければ、他の月のも読んでやってくださいませ。
 一人称の「日記」は書きやすいのですが、「掲示板」のレスにまでいたりません。仕事の原稿の合間の息抜きに書いてるような状態ですので、「掲示板」のレスおよびメールのレスはお待たせいたします。気を遣いながら書くのは時間がかかるのです。修行ができてねぇ。とほほん。


 土曜日に家にいるときは、『Get Backers-奪還屋-』のアニメを見ています。設定は決してアニメ向きではないのですが、映像はアニメ向きというか、アニメで見てみたい作品ではあります。特にIL奪還編は、ヴァーチャル映像が鍵になっていたりするので、そのあたりの映像処理はアニメの醍醐味よねとか。……といいつつ、原作マンガの描線のほうが完成度において優っている回もありましたから、「おやおや」と思うこともありますけれど。総じて、アニメ版も楽しんで見ています。
 原作は最後まで「無限城」の謎を引っ張るのでしょう。伏線だらけで、ストーリーの骨子がわかりにくい部分があります。アニメはとりあえず1年間の放映ですので、伏線ははずしてまとめてあります。いまだに原作を斜め読みしかしていない私には、ひじょうにわかりやすい話になっていて助かります(笑)。特にIL奪還編って、銀次の物語だったことがすご〜くよくわかりました。赤屍さんの存在に対して、脅えから怒りへ、そしてマクベスの策略で怒りのボルテージが上がり雷帝まで。原作を読んでいるときは各方面が同時進行でよく見えなかった主線が、アニメでクローズアップされて、IL奪還編の主人公が誰だったのかすっきりわかった感じです。
 アニメ制作は複数人数による共同作業ですから、一人で描くマンガとは違った視点、物語の整理の仕方があります。そもそも表現法が違いますしね。どちらにもよさがあるという前提で見ていくと、「生みだされた」だけの価値を見いだせます。
 とはいえ、アニメのよさを読者にお伝えする立場にいる私でも、「こりゃどうしようもないな」と思う作品もありますから、一概にアニメ作品すべてよしとは申しませんが(笑)。ちなみに私がダメなのは、女の子を記号的に扱っているギャグもの、原作者の意図から離れてただコアなファンへの受け狙いで作られたもの、絵柄が一定の水準に達していないもの、でしょうか。
 などと考えつつ、今日もアニメと原作マンガの関係をインタビューした原稿を書いているのです(笑)。

03.3.21 Fri.  20時間睡眠                3.22 5:47
 夕べというか今日、帰ったのは夜中の1時過ぎでした。それから『魔法遣いに大切なこと』をチェックしました。なにせ、ウチのビデオときたら、10チャンネル(テレビ朝日)だけチューナーに入らないので、見たければオンエア中にテレビをつけるしかないのです。『魔法遣い』は担当作品なので見ないわけにいかないし。

 テレビ番組表には2時27分からとあります。2時20分にはテレビをつけて待機。画面にはなんだか不思議な商品が次々現れます。どうやら通販番組のようです。しばらくぼうっと眺めていて、「あれ?」と。全然終わる気配がありません。そうしている間に27分を過ぎ、30分を過ぎ。50分くらいには別の番組が始まる始末。
 まぁ、イヤな予感はしてたんです。取材で番組のプロデューサーにお会いしたときも、「もしかしたら最終回とその前の回あたり、特番の影響で放映されないかも」とおっしゃってましたし。なんの特番かって? 「イラクVSアメリカの戦争特番」ですよ。で、まさに20日がX-デイだったわけで、「あぁ、やはり」。
 それでも、全12回の物語の要である最終2話分がトぶなんて、あまりにも不幸すぎる!と思い、未練がましくテレビをつけたままにしていたら、3時過ぎに始まりました(ような気がします)。諦めていたら、見逃すところだたーヨ。

 満足して眠りについたのが午前4時ごろ。目が覚めたら午前2時……って、いつのよ!?
 原稿書かなければいけないのに〜! どうすんのよ、ああ!という大ショックで、連休1日は闇の彼方へ消え去りました。がくう。なんか20日の対談取材が終了して一気に気が抜けたんでしょうかね。それとも「春眠、暁を覚えず」か。いっそイロイロミクスチャー?

03.3.20 Thu.  対イラク……開戦             3.22 5:21
 つまりはこういうことなのでしょうか。
 As long as there are sovereign nations possessing great power, war is inevitable.
  From "Einstein on the Atomic Bomb, Atlantic Monthly, Nov. 1945" by Albert Einstein
 強大な力を有する大国が存在するかぎり、戦争は避けがたい。──アインシュタイン

 最後通告から48時間。まずは本日午前5時半ごろ(日本時間 午前11時半ごろ)にイラク指導部を狙った米英軍の第一撃が行なわれました。その約3時間後、サダム・フセイン大統領が国営テレビに登場、健在をアピールしました。
 第一撃の狙いはよくわかるんですが。失敗した以上は、戦争になっていくんでしょうね。なぜ、これだけ歴史を積み重ねてきて、未だに無辜の民の命をやり取りするような解決法しか思いつかないのか。人間は結局、進化しない生き物なのだなとしみじみ思ってしまいます。
 今回のアメリカの言い分もわからないではないけれど。それでイラクのフセイン政権を倒したら、あとは某K国しか残らなくなりますよ、仮想敵国は。政権に対する国民の意志を一元化するために、あれだけ苦労して「敵国」を作ってきたのに。Pax-Americana思想は、自壊を起こす引き金になるってことまで見えなくなっちゃったかね、ジュニアは。でも、テロ再発防止の危急性を言い訳にしながら、その裏に石油の利権が絡んでるの、読まれてる浅はかさは何やねん。
 しっちゃかめっちゃかに思惑が絡んで、はっきりいって何が理由の戦争なのか、私にはさっぱりわかりません。こんな戦いで、命を落す人がいないよう祈るしかありません。

 それにしても、国連どうなってしまうのでしょう。イラク攻撃が終わったら、EU対アメリカの図が表面化しそうで、こりゃまた陰険な(火花の飛ばない)戦いになるんだろうなとうんざりです。貧乏くじ引くのは、きっとトルコ。日本はトルコと仲よしなんだから、今度こそトルコの窮地を救って永年の友情に報いることでShow the Flagしてくださいと思います。まぁこんなくだらない予想、はずれるにこしたことないのですが。


 本日は中堅女性アニメーターさん同士の対談でした。対談の企画は随分以前から決まっていたのですが、最後まで実現できるか、実現できたとしてどういう記事になるのか、わからないまま実現した形となりました。
 私が編集として記事を作るとき、企画書を作る段階で、すでに記事の構成やだいたいの内容ができています。イラストや絵素材については、送られてきたもの次第で思うようにいかないこともままありますが。インタビューに関しては、取材を終えた後でもほぼ80%の確率で最初に考えたとおりになります。
 しかし、この対談企画はまったく内容が見えませんでした。おかげさまで、ドキドキ不安なままで対談の進行をさせていただきましたが、お二人がひじょうに真摯におつき合いくださったので、終わった今ではおもしろい記事になる予感がします。実は特別企画として目玉記事のひとつでもあったので、この企画が出てから1ヶ月半、プレッシャーのうえに、いろいろ思い悩んで疲れました。ここまでナイーブになったのは何年ぶりって感じですか(笑)。終わって心底ホッとしました。


 対談後、乗り換えのため池袋駅で下車したら、JRの駅構内で「ドイツフェア」をやってました。ワゴンにドイツのアクセサリーや小物、刃物類(もちろんゾーリンゲン)、ワイン、ソーセージ、チーズが所狭しと並べられています。興味を引かれて覗いてみると、おおお!「シュタインベルガー トロッケン」発見!!
 シュタインベルガーは、ドイツワインの名産地ラインガウ地方でも屈指の銘醸ワインの一つです。シュタインベルガーの醸造畑は1135年創立の修道院クロスター・エーベルバッハのもので、今はヘッセン州営の醸造所となっています。ラベルにはばたくのは、かのプロシア帝国の旗印である「鷲」です。
 このエーベルバッハ修道院は、ショーン・コネリー主演の映画『薔薇の名前』が撮影された場所です。現在は修道院の機能はなく、ワインの品評会やラインガウ・ワインの認証会が開かれる会場で、ワインの試飲などもできる観光スポットになっています。
 シュタインベルガーは基本的にやや辛口の白ワインです。それが限定生産のトロッケン(辛口)、それも2000年モノとくれば絶対GET!でしょう。お値段も手ごろですしね(白ワインはお値段がリーズナブルでよろし)。
 シュタインベルガーにはもうひとつ因縁がありまして。『エリア88』新谷かおる(小学館刊 メディアファクトリーから文庫版発売中)に出てくるんですね。それもすごくかっこよい方の、泣けるエピソードに(お持ちの方は読み返してみてください。ドイツがらみとくれば……)。シュタインベルガーを見るたびに、思い出してしまいます。


 それからマンガの原稿を受け取りに行って、またいろいろ情報を仕入れてきました(笑)。『明日のナー○ャ』はマンガもアニメもチェックしています。舞台は1900年のヨーロッパ(今のところは)。主人公のナージャが各地を回る旅芸人一座のプリマドンナ?なので、ロンドンからパリへそして各所へ旅するみたいです。ストーリーは、ひと昔前の『フォスティーヌ』原ちえこ(講談社 文庫版あり)みたいな感じなんですが。展開の早さは現代的ですね。1900年代という時代設定が、私にはツボです。そのうえ、すでに美青年、美少年もわんさか登場で、特にアニメは1年の放映の間にどれだけの魅惑のキャラクターが出てくるのか、楽しみです(笑)。


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