月名の由来


 英語の月名の由来を知るには、まず古代ローマ暦をみなくてはなりません。
 古代ローマ暦は、紀元前750年ごろから紀元前46年までローマで使われていた暦で、1年を太陽の動き、1ヵ月を月の動きで構成するThe Solar-lunar Calendar(太陰太陽暦)でした。
 古代ローマ暦のうち、紀元前710年まで使われていたのがロムルス・レムス暦、以降がヌマ暦です。ロムルス・レムス暦では、1年はMarutius(現在の3月)からDecember(デセンベル 現在の12月)までの10ヵ月304日。余った日数をDecember以降に「死の季節」として設定していました。ヌマ暦になって、「死の季節」を二分割したのが、JanuariusとFebruariusです。

 紀元前46年、ディクタトール(執政官)の地位に就いたJulius Caesar ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)は、古代エジプト暦を参考に完全な太陽暦を全ローマに発布します。これがThe Julian Calendar(ユリウス暦)です。この暦で1年は365日とされ、4年に1度、閏年を置くことが決められました。
閏年は、2月23日と24日の間に1日入りました。古代ローマ暦では、冬の明けるFebruariusの末日23日がテルミナリアという祭日で、閏年はその後に1ヵ月入れる形をとっていました。ユリウス暦もそれを踏襲して、2月23日のあとに1日入れています。

 以後、1582年10月4日にローマ皇帝グレゴリウス13世が打ち切るまで、1600年以上もの間、ユリウス暦が使われました。
 グレゴリウス13世が修正した暦がThe Gregorian Calendar(グレゴリオ暦)です。さて、なぜグレゴリオ暦に改正されたか。それには、キリスト教が大いに関わってきます。
 キリスト教で重要な日は、イエス・キリストが磔刑に処され、3日後に甦った日、すなわち復活祭(イースター)です。この日は移動祝祭日ですが、規定は「春分の後の最初の満月からすぐの日曜日」です。この際、春分の日がひじょうに大きな意味をもってきます。
 春分(秋分)とは、簡単にいえば、「太陽が真東から出て真西に沈む、昼夜の時間が等しくなる日」です。ユリウス暦では、春分の日は3月25日でした。ところが、計算したところ、実際の春分から大きくずれていることがわかり、3月11日に改められました。しかし、ユリウス暦では1年で11分のずれが生じます。毎年ずれは大きくなる、正しい春分の日を得るためには根本的に暦を修正するしかない。そうしてできたのが、グレゴリオ暦。この暦は制定後、修正されることなく、現在では多くの国が採用しています。



 さて、日本は独自の暦(和暦)を用いてきました。種類をいえば、古代ローマ暦と同じ、1年を太陽の動き、1ヵ月を月の動きで構成する太陰太陽暦です。
 日本に中国から暦がもたらされたのは553年、欽明天皇の時代でした。暦が日本で計算されたのは604年、推古天皇の時代。それが一般に公布されたのは持統天皇の時代、692年のことでした。平安時代、862年に陰陽頭・大春日真野麻呂が宣明(せんみょう)暦を策定、これが江戸時代まで使われました。1684年、天文方の安井(保井)晴海が宣明暦を修正、貞享(じょうきょう)暦を作りました。その後、4回修正され、1844年の天保暦が和暦の最終形となりました。
 和暦の暦日は、京都の子の刻より開始しました。現在、カレンダーなどに見られる「旧暦」は日本標準時(兵庫県明石市)から計算されています。
 日本が西暦(ユリウス暦)を導入したのは1872(明治5)年。グレゴリオ暦に移行したのは1900(明治33)年です。

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1月
 January はJanus(ヤヌス神)から来ています。万物の支配を表す、光の源初神Dianus(ディアヌス)が、ラテンではヤヌス、ギリシアではZan(=ゼウス)となりました。
 Janusはラテン語で門、楼門の意味。ヤヌス神は門、戸口、通路そして事の始まりの神で、東西を向く二つの頭、あるいは四方を見渡す四つの頭をもちます。双頭のワシにも象徴され、過去と未来、歴史と認識(洞察)という全体性を表します。

 和月名の睦月は、正月にあたって、親戚や知り合いが寄り合って睦み合い、親交を深めることからつきました。

 誕生石は garnet(ガーネット)。赤いものは果物のザクロに似ていることから、ラテン語のザクロgranatumに由来しています。日本ではザクロ石とも呼ばれます。色は黒から無色まで無数。
 ガーネットの運勢の下に生まれた人は、芸術家気質で、高尚な思想をもちますが、のんきです。
  [十二宮]宝瓶宮(あるいは摩羯宮、天蝎宮)
  [象徴]真実・意志力・堅固・一定性・陽気。
  [効能?]成功力・権力をもたらす。
       憂鬱を払い、短気をなだめる。
       病気・毒除け。
       色が褪せると、危険の合図。旅行中の事故を防ぐ。
       この石を盗むと災難に遭う。
       など

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2月
 February は、februs(酒を献上する)と、februere(浄化する)のふたつの由来が考えられるとか。Februereは斎戒や葬儀を意味し、古代ローマ暦で2月が最後(12番目)に当たることから来ているのではないかということです。
 古代ローマでは、Februa(あがないの祭り)が2月15日に、豊穣の王の身代わりが3日間統治したのち生け贄として殺されたRegifugium レギフギウムが2月24日に行なわれました。

 和月名の如月は、寒さがつのり、さらに衣を着るという「衣更着(きぬさらぎ)」から。

 誕生石はamethyst(アメシスト)。名称は、古代ギリシア語のa-methu(酩酊させない)からきています。日本では紫水晶とも呼ばれます。
 アメシストの運勢の下に生まれた人がこの宝石を身につけると、芸術における名声、強い愛他心をもつようになるといわれます。
  [十二宮]双魚宮(あるいは宝瓶宮)
  [象徴]深い愛・幸福・富・謙譲・誠実・悔悟・貞節・知恵・正義・秘儀。
  [効能?]勇気・心の平安・瞑想の状態・幸福・楽しい夢・愛・判断力をもたらす。
       誘惑から解放される。
       平和時または戦争時の安全。
       目上の人の態度の軟化。
       泥棒・神経不調・伝染病を防ぐ。酩酊を防ぐ。
       など

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3月
 古代ローマ暦では最初の月でした。March は、農業と戦争の神Mars(マルス ギリシア神話ではアレス)から。3月は風が吹き荒れることから、軍神マルスの月とされたという説もあります。

 和月名の弥生は、草木がいよいよ生い茂る月、「弥生い(いやおい)」であることから。

 誕生石はaquamarine(アクアマリン)あるいはcoral(珊瑚)。
 アクアマリンは、ラテン語で「海の水」の意味。藍玉とも呼ばれます、ブルーないしは、ブルーがかった緑柱石のことで、エメラルドはその純緑種をいいます。海の豊かさ、静けさ、浄化力と包容力をもつ宝石です。
  [十二宮]宝瓶宮
  [効能?]健康・若さ・知性を保つ。
       幸せな結婚生活。例え夫婦に危機が訪れても、和解できる。
       不幸のでも希望に導き、不和を防ぐ。
       など
 珊瑚もまた海に関連して、海の深淵や海での危険を表します。
  [象徴]健康・愛・成熟・聡明・長寿・幸福。
  [効能?]防火。
       邪眼に対する魔除けになる。
       お守りとして身につけると、健康状態を表す。病気になると白くなり、健康になると赤くなる。
       など

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4月
 April は、大地における1年の始まりaperioに由来するという説が強いようです。
 4月1日のApril-foolあるいはAll Fool's Day(四月馬鹿、万愚節)は、この日を元旦とし、眠りから目覚め、若返りの気分になれる日、お祭り気分になる日からきたと考えられます。
 また、3月25日(春分)から始まった新年のお祭り騒ぎの8日目であること。仮装したり、人をからかったりする豊穣の儀式も4月1日あたりに行なわれていたこと。などが起源となって、万愚節はやがてキリスト教にも取り入れられ、広まりました。

 和月名の卯月は、卯の花が咲く月からとも、十二支の4番目「卯」からきているともいわれています。

 誕生石はdiamond(ダイヤモンド)。語源はギリシア語でadamas(不屈なもの)、もっとも固い金属と宝石を表します。日本名の「金剛石」も同じく硬く、侵しがたい石という意味です。
  [十二宮]天秤座
  [象徴]堅牢・不屈の信念・(王の)威厳と富・明晰さ・率直・不変の愛・純粋無垢の魂。
  [効能?]権力・力・純粋性・普遍性・謙譲をもたらす。
       頭脳を明晰にする。
       敵との戦いで勝利をもたらす。
       邪悪な魔法・呪い・嵐・戦争を防ぐ最強の護符である。
       など

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5月
 May は、繁殖・成長を司るMaia(マイア女神)に豊穣祈願の生け贄を捧げる月からという説があります。
5月は死者を悼む月で、結婚するには縁起の悪い月とされました。古代ローマでは、レムリア祭(死霊祭)は、5月9、11、13日に行なわれました。
のちには飲めや歌えのフローラ祭も開かれるようになりました。
 5月24日は、ヘルメスが、豊穣の神デメテルの娘で、冥界の王ハデスにさらわれたペルセポネを、冥界から母の元へと連れ帰る日で、豊穣の復活とされました。
 5月1日のMay Day(五月祭)は、自然の再生の日であり、豊穣の祭が開かれます。
ちなみにmayはサンザシ(hawthorn)の花のこと。mayflower(メイフラワー)とも呼ばれます。
また、各地の五月祭で見られるmaypole(メイポール)は、支柱が男根、自然の再生力を、輪が陰門、時間と運動の調整・制御を表します。つまりメイポールは両性具有の形です。そして「神秘の中心」、世界軸、世界樹を表現しています。

 和月名の皐月は、田植えを「佐」ということから「佐月」、あるいは早苗を植える「早苗月」から来ているとも。

 誕生石はjade(翡翠(ひすい))あるいはemerald(エメラルド)。
 翡翠は、中国においては「仁・慎・勇・正・智」の五徳を表し、王の宝石「玉」と呼ばれました。翡翠は第一夫人に与えるものとされています。ちなみに第二夫人にはダイヤモンドだそうです。翡翠は不死を意味します。
  [象徴]力・純粋
  [効能?]知恵・不偏・勇気・慈悲を与える。
       身につけていれば、腎炎にかからない。
       病気一般のお守り。
       など
 エメラルドは明るい緑柱石Berylのこと。実に紀元前1000年以上前から、人間のもつ力を増幅する宝石として珍重されてきました。5月の誕生石として、春の「再生」、サンザシ、ヤナギを表します。
 エメラルドの運勢の下に生まれた人は、のんきな性格で、創造的であり、文学的センスがあると考えられました。
  [十二宮]双子宮
  [象徴]不滅・真実の愛・平和・繁栄・正義感・慎みをもたらす。
  [効能?]緑色の時は、愛が成就し、幸せな家庭生活が約束される。
       未来を予言する力が与えられる。
       石を持って裁判にのぞめば、勝訴する。
       石を持つ人が裏切られそうなとき、青白く変色する。
       呪い除け、邪眼除けになり、視力も強化する。
       など

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6月
 June は、ユピテルの妻Juno(ユノ ギリシア神話ではヘラ)あるいはJunius(ユニウス)・ブルートゥスの執政に由来するそうです。
 古代ローマでは国の守護神である、家族とかまどの女神ウェスタ(ギリシア神話ではヘスティア)の月とされました。

 和月名の水無月は、田に水を入れる月、田が水をたたえている月であることから、「水月(みなつき)」。

 誕生石はpearl(真珠)あるいはmoonstone(ムーンストーン)。
 真珠の存在は、アレクサンダー大王の遠征の時代から、地中海沿岸の国々には知られていました。真珠は、美の女神アフロディテが海面から現れたとき、身体から滴った水滴であるという伝説があります。
  [十二宮]巨蟹宮(ときに双子宮)
  [象徴]清浄・富貴・月・異常なるものの純化・純粋性・救済。
      世界=牡蠣において、真珠は「神秘の中心」。身体=牡蠣では、真珠は「魂」を意味する。
  [効能?]夫婦の幸福を促す。
       火災除け。
       粉末にして水に混ぜると、狂気を治す薬効がある。
       など
 ムーンストーンは、青みを帯びた乳白色の光沢をもつ石で、月長石とも呼ばれます。光を浴びると、青白い光の帯が浮かび上がる神秘的な宝石です。
  [十二宮]巨蟹宮
  [象徴]知性・物思いに沈む。
  [効能?]家庭円満をもたらし、不幸から守る。
       月が満ちている時は、愛に巡りあうお守りになる。
       月が欠けていく時は、予知能力を授ける。
       健康・富を与える。
       精神的ストレスをやわらげる。
       など

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7月
 July は、ユリウス暦を制定したJulius Caesar ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)が、誕生月に自分の名をつけました。古代ローマ暦では元々、Quintilis(第5の月)でした。

 和月名の文月は、7月7日の七夕の日に、詩歌を献ずることから文(ふみ、ふ)月。また、稲の穂が実る月「穂含月(ほふみづき)」からとの説も。

 誕生石はruby(ルビー)。エジプトではファラオが持つヘビの形の王笏にはめ込まれました。そのため、威厳や(神の)力、王位を表す宝石となりました。ヨーロッパでは、ダイヤモンドより歴史が古い宝石です。
  [十二宮]獅子宮(摩羯宮、金牛宮あるいは巨蟹宮)
  [象徴]慈悲・愛・熱情・美・光・優雅・幸福・無分別。
  [効能?]健康をもたらす。
       どんな毒をもつ爬虫類でも、この石に触れると死んでしまう。
       尊敬・威厳・勇気・幸福・活力・平和・平穏をもたらす。
       貞節を守る。
       ブドウ酒の酔いを防ぐ。
       色が変わると災害の接近を、元に戻ると災害の回避を示す。
       など

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8月
 August は、初代ローマ皇帝Gaius Octavianus(ガイウス・オクタヴィアヌス)ことAugustus(アウグストゥス)が誕生月に自分の名をつけました。養父ユリウス・カエサルに倣ったとか。
 元々の名はSextilis(第6の月)。アウグストゥスは、さらに平年の2月を29日から28日にし、その1日を、それまで30日だった8月に足して31日としました。1月、3月、5月、7月の大の月(31日)と、2月、4月、6月の小の月(30日)が交互にくるのが、8月から、8月、10月、12月が大の月、9月、11月が小の月になるのは、このせいです。ややこしくしたのは、アウグストゥス。恨むなら彼を恨みましょう。

 和月名の葉月は、木の葉が紅葉して落ちる「葉落ち月」から。

 誕生石はsardonyx(サードオニキス)、peridot(ペリドット)。
 サードオニキスとは、agate(瑪瑙(メノウ))の一種。特に石英の一変種で、黒と白の層のある縞瑪瑙や、赤と褐色の層のある赤縞瑪瑙をonyxといいます。その中でも赤と白の縞のある縞瑪瑙がsardonyxです。
onyxはギリシア語で、「かぎ爪」、「指の爪」の意味。この語源から、中世フランスの詩人レミ・ベローが美しい詩を書いています。美と愛の女神アフロディテが眠っている間に、息子エロスが彼女の美しい爪を切り取ってしまいます。エロスはその爪をインドで落してしまい、それがサードオニキスになったという詩物語。「アフロディテの爪」は、男女の情熱を高める宝石です。
  [十二宮]摩羯宮、巨蟹宮、獅子宮(ときに宝瓶宮)
  [象徴]威厳・明晰さ・争い。
  [効能?]幸せな結婚と友情をもたらす。
       夫婦や恋人のトラブルを解消し、愛情を強める。
       事故を防ぐ。
       悪夢を追い払う。
       など
 ペリドットは、橄欖(かんらん)石の緑色透明部分のこと。オリビンと呼ばれる鉱物グループの一つです。オリビンの語源は「オリーブ」。橄欖石の「橄欖」も、誤用でオリーブを意味しますが、オリーブ油を思わせる、緑色の光沢の強い宝石です。
 化学組成は隕石と同じで、隕石に混じっていることもあるとか。
 古代エジプトでは、その輝きから「太陽の石」と呼ばれ、崇拝されました。
  [十二宮]双魚宮、獅子宮
  [象徴]幸福
  [効能?]女性の裏切りを防ぎ、人間関係を改善する。
       自制心を授ける。
       悲哀や落胆を慰める。
       など

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9月
 September は、そのまま「第7の月」。ラテン語のSeptemは「7」の意味です。
 守護神は火の神ウルカヌス(ギリシア神話ではヘパイトス)。
 9月29日のMichaelmas(聖ミカエル祭)では、ガチョウを食べるのが習わしです。

 和月名の長月は、夜が長くなるので「夜長月(よながづき)」から。

 誕生石はblue sapphire(ブルー・サファイア)。青く澄んだサファイアは貞節な愛の証といわれます。また、敬虔さと誠実さを表すことから、キリスト教の聖職者が好んで身につけました。やがてローマ法王や大司教が指輪に飾るようになり、聖職者の権威のシンボルとなりました。
  [十二宮]処女宮あるいは天秤宮
  [象徴]良心・神聖な瞑想・希望・純粋さ。
  [効能?]誠実さをもたらす。
       贈り主が浮気をすると青白く変色する。
       若気や勇み足を鎮め、若さと勇気を持続させる。
       呪いを防ぐ。
       など

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10月
 October は「第8の月」。ラテン語のOctoは「8」の意味です。
 守護神は軍神マルス。
 10月31日は、ケルト人の旧暦の大晦日に当たります。これが、Samhain(サムヘイン)。この日は、先祖の霊に収穫を捧げる死者の日、そして精霊たちが出現する恐怖の日でした。彼らから隠れるため、人々は仮面をつけ、かがり火を燃しました。
 10月31日はキリスト教徒にとっては、11月1日のAll Saints' Day(万聖節)の前夜になります。アングロ・サクソン語では、Saintはhallow。All Hallows Eve がなまって、Hallowe'en(ハロウィーン)となったと言われます。11月2日のAll Souls Dayを含む3日間は、この世とあの世が交わる期間なのです。
 ハロウィーンの日、夏の終わりを祝って魔女や魔法使いが外に出て歩き回ります。その際、悪霊たちに気づかれてさらわれないよう、人々(特に子ども)は悪霊や魔女の扮装をして練り歩きます。また、炎が善い霊を迎え、悪霊をしりぞけることから、カボチャをくり抜いたジャック・オ・ランタンを飾ります。

 和月名の神無月は、八百万の神様が皆さん出雲へ会議出張中されることから。それぞれの御在所を留守にされるので「神無月」といわれます。
 会議は出雲大社で旧暦10月11日〜17日、その後、佐太神社に移って26日まで行なわれます。この間、出雲大社と佐太神社では「神在(かみあり)祭」が行なわれます。
 宿泊所は出雲大社。大社では「東十九社、西十九社」の長屋状のお社を完備しています。
 会議では、国津神の主神である大国主神に、地方を管轄する大国主神の娘や息子の神々が1年の報告をし、今後の対策を打ち合わせます。
 国譲りをされた際、物質面を管轄することになった天照大神はじめとする天津神も、幽界を支配し精神面を司る大国主神を無視できず、話し合うために出雲会議に集まります。議題は、全国の人間ひとりひとりの運命だそうです。

 誕生石はopal(オパール)とtourmaline(トルマリン)。
 オパールは、古代ではエメラルドに次ぐ宝石でした。オパールの語源はサンスクリット語の「石」です。古代ローマ時代には神の石であり、エジプトやバビロンでは光と水のお守り、ギリシャ時代には未来を予知する宝石でした。
  [十二宮]双魚宮、天秤宮
  [象徴]無邪気・安楽・祈り・赦し。
  [効能?]希望・自信・予言力をもたらす。
       愛の幸せ、信仰心、やさしさを強くする。
       思考を純化して、無垢を守る。
       毒と空気感染を防ぐ。
       悲しみを追い払う。
       失神、心臓の痛み、その他疾患を防ぐ。
       など
 トルマリンはスリランカ語の「トルマリ」が語源で、「多くの色を持つ」という意味です。また宝石でも随一の色数を誇ります。
 日本名の「電気石」は、熱や圧力、摩擦によって電気が発生することから名づけられたもの。実はほとんど割れることはない、頑丈な宝石です。
 トルマリンの運勢の下に生まれた人に幸福と繁栄をもたらします。
  [十二宮]双魚宮、天秤宮
  [象徴]寛大・思慮深さ・勇気・以心伝心・友情。
  [効能?](精神と肉体の)健康を増進し、長命に導く。
       喉の痛みに効く、お守り。電気を発する性質からか、石をもつと暖かくなると信じられた。
       貞節を守る。
       魅力の放射を増大する。
       相手への表現力が増す。
       色によってパワーの種類が異なる。
       など

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11月
 November は、「第9の月」。ラテン語のNovemは「9」の意味です。
 11月1日はキリスト教でのAll Saints' Day(万聖節)、そして2日はAll Souls Day(万霊節)です。万霊節では、天国と地獄の中間にあって、天国に入れなかった者が修行をする場、「煉獄」にいる魂たちに祈りが捧げられます。
 11月11日は、酔っ払いと宿屋の主人の守護聖人マルティヌスのMartinmas(聖マルティヌスの祝祭日)。元々は古代ローマの異端の祝祭The Vinalia(ウィナーリア祭)こと酒神バッカス(ギリシア神話ではディオニソス)に捧げられた収穫祭が代わったものとされています。

 和月名の霜月は、霜が降りる「霜降り月」から。

 誕生石はtopaz(トパーズ)とcitrine(シトリン)。
 トパーズは黄玉石とも呼ばれます。語源はサンスクリット語の「トパス」(火)の説があります。トパスは大地のパワーであり、人の体内で燃える神秘的な生命エネルギーをも意味します。エジプト人は太陽神ラーの化身としてあがめました。
トパーズは黄色の宝石と思われていますが、青、緑、ピンク、無色など色彩豊富です。深い黄金色のトパーズは特に高価で、インペリアルトパーズと名称されます。
  [十二宮]人馬宮(あるいは獅子宮、処女宮、天蝎宮)
  [象徴]友情・忠誠・誠実・神の慈愛・熱烈な愛と穏やかさ。
  [効能?]太陽の加護を受け、霊験あらたかと言われる。
       友情、(主義や人民に対する)忠誠心を高める。
       魔法・毒・悪夢・精神錯乱を防ぐ。
       など
 シトリンは黄水晶とも呼ばれます。蜂蜜色から、黄金色、オレンジ色まで黄色のバリエーションが豊富。シトリンは、フランス語の「シトロン」(レモン)からつきました。
 シトリン・トパーズとも呼ばれますが、シトリンはトパーズとは別の鉱物。トパーズに比べると安価で割れにくい黄色い水晶です。また、現在市場に出回っているシトリンのほとんどは、アメシストを熱処理で黄色く変色させたものだそうです。
 シトリンはトパーズと同じようなパワーをもっています。
  [象徴]活力・希望
  [効能?]疲労を回復させる。
       心配事を解消する。
       など

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12月
 古代ローマ暦では最後の月。Decemberは「第10の月」。ラテン語のDecemは「10」の意味です。
 かまどと家族の守護女神ウェスタの月であり、農耕神で時間の神でもあるサトゥルヌス(ギリシア神話ではクロノス)の祭りSaturnaliaの月。
 12月25日は、キリスト教での救世主のChristmas(生誕祭)。実は、この日は、エジプトではホルスとオシリスが生まれた日であり、ギリシアではディオニソスとヘラクレスが生まれた日であり、ペルシアではミトラが生まれた日とされています。

 和月名の師走は、お坊さんや師匠と呼ばれる人でも走る慌ただしい月ということで「師走」。また、歳(し)果つる月で「しわす」の説も。

 誕生石はturquoise(トルコ石)あるいはlapis-lazuli(ラピス・ラズリ)。
 トルコ石(土耳古石)は、マットな青色、青緑色、緑色が特徴の宝石です。大地と水を象徴し、冥府の王オシリスこと「トルコ石の神」とその妃イシスこと「トルコ石の女神」に捧げられました。エジプトのスカラベや「ホルスの目」、インカやネイティヴアメリカンの装飾品などに見られるように、護身のお守りや儀式用に用いられた宝石です。
 トルコ石と呼ばれますが、産地はトルコではありません。かつてシナイ半島(エジプト)からヨーロッパへ、トルコを経由して運ばれたのでこの名がつきました。
 トルコ石の運勢の下に生まれた人に、野心、先見の明、持久力を与えます。
  [十二宮]摩羯宮、宝瓶宮あるいは人馬宮
  [象徴]成功・幸運。
  [効能?]邪眼除け。
       健康増進。
       事故を防ぐ。
       教養と上品な趣味を向上させる。
       男性には勇気・成功・繁栄を、女性には幸福と満足をもたらす。
       友情を深める。
       石の色が青く変色するのは、愛人の不義。
       など
 ラピス・ラズリは瑠璃(るり)とも言われます。ラピスはラテン語で「石」、ラズリは「青」という意味です。青色の顔料ともなる宝石で、その色はウルトラマリン(海を越えてきた青)と表現されます。
 他の宝石がほとんど一種類の鉱物の結晶であるのに比べ、ラピス・ラズリはソーダライト、ラズライト、黄鉄鉱(パイライト)、方解石の4種類の鉱物から形成されています。
 特に濃青色に金粉をまいたような模様のあるものは、古代から夜空の星になぞられ「天の石」として貴重にされていました。
 日本でも「七宝(極楽浄土を飾る七つの宝)」、すなわち金、銀、瑠璃、めのう、はり(ガラス)、珊瑚、しゃこに数えられるほど珍重されてきました。
  [十二宮]人馬宮、摩羯宮
  [象徴]高貴・真実・幸福・能力。
  [効能?]怖いもの知らずの強い性格になる。
       色彩と調和の感覚が冴える。
       繁栄をもたらす。
       邪悪な力から守る。特に悪霊の憑いた身体から、それを追い出し霧散させる。
       悪霊除け。
       など

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 誕生石の考え方が生まれたのは、今から2600年前の古代バビロニアでした。「バベルの塔」や「バビロンの空中庭園」で知られる国です。バビロニアの占星術師たちは、まず惑星の存在を発見しました。火星、水星、木星、金星そして太陽と月を加えた7つの星は、人間に影響を及ぼす力をもつ「神」と思われました。例えば、金曜日に生まれた人は、一生金星の支配を受けると考えられました。ここより、聖数7と曜日が生まれたのです。
 バビロニアでは、神々の力は細分化され、色彩に象徴されると考えられました。彼らにとって「色」の存在こそ、神の力の顕現であったのです。健康に関する神の力、恋愛に関する神の力、財運に関する神の力、その神の力の色に相当する色の金属や石をもつことは、神の力を得るに等しかったのです。
 そこで曜日に相当する守護石ができ、その7柱の神が黄道12宮をも支配することから、12も聖数となり、誕生星座の守護石も設定されました。

 月の誕生石が生まれたのは、ユダヤにおいてでした。紀元前538年に古代バビロニアにユダヤ王国を滅ぼされて以来、今日のイスラエル建国まで国をもたない民となったユダヤ。バビロニアで生まれた聖数12の信仰は、ユダヤの12族の伝説に代わり、それぞれシンボルカラーが決められ、各月に配されました。ユダヤ教祭司は、12族を象徴する12の宝石を身につけました。
 18世紀になって、その12の宝石がタリズマン(護符)として扱われるようになりました。
 1912年にアメリカの宝石業者が制定したのが、現在の「生まれ月の誕生石」です。




参考文献:『イメージシンボル事典』 アト・ド・フリース著(大修館書店)
     『ギリシア・ローマ神話事典』 マイケル・グラント/ジョン・ヘイゼル共著(大修館書店)
     『ヨーロッパの祝祭典 中世の宴とグルメたち』 マドレーヌ・P・コズマン著(原書房)
     『宝石伝説』 北出幸男著(青弓社)


参考サイト:「月進日歩」
      「こよみの読み方」
      「暦のうんちく」
      「CAFEBLEU」
      「やさしい宝石教室」

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Wrote 20 October 2002 for Counter No.10000


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