Dedicated to The Twin Towers
2001年9月11日火曜日朝、アメリカで同時多発テロが起こりました。 まず現地時間8時30分ごろ、ニューヨークの世界貿易センター(ツインタワー)のノースタワーにアメリカン航空11便の旅客機が、続いて9時3分、サウスタワーにユナイテッド航空175便が衝突。また9時43分、ワシントンの国防総省(ペンタゴン)にもアメリカン航空77便が突っ込みました。 ペンシルベニア州ピッツバーグでは、10時6分ごろ、ハイ・ジャックされたとみられるユナイテッド航空93便が墜落しました。 もはや、この世にあのツインタワーがない、という事実をどう受け止めればいいのでしょう。 なぜツインタワーだけが特別なのだ、といわれそうですが。 例えばエンパイア・ステート・ビル、例えば東京タワー、例えばエッフェル塔と同じく、ひとつの国、ひとつの都市そして20世紀経済の象徴的存在なのです、あのビルは。 もっともショックを与える標的として、テロリストの選択は間違ってはいませんでした。 とにかく怒りです、ビルにまっすぐに突っ込んでいく飛行機を見た時に感じたのは。 人間的にやってはいけない、いえ、人間だからこそやらないだろう、と思われていたすべての要素が集約された仕業でした。 その見込みは甘いものだったかも知れません。しかし「起こらない」と信じられるうちは、そこに人に対する信頼というものがありました。 もはやあの瞬間を境に、「人間だから」という安心感はなくなりました。 そういうテロです。 乗っ取られ、なすすべもないまま、まっすぐにビルに突っ込んでいく飛行機。 たまたま乗り合わせ、自分の死を最期まで見据えなければならなかった乗客・乗員の皆さん。 1日の仕事が始まり、あれをしよう、これをしなきゃと慌ただしい日常のなかに、いきなり眼前に迫った旅客機。 火煙に追われ、焼け死ぬか、100階から飛び下りるかの選択を迫られた人。 社員の誘導に追われ、やがて我が身の上の天井が落ちるのをただ受けるしかなかった人。 救急要員として、職務を全うするために現場に入り、崩落するビルの下敷きになった消防士や警察官。 こんな恐怖を、人為的に味あわせる、こんなことができるのは人外のモノしかいません。 戦争、革命、クーデター、衝突。すべては悲惨な光景を見せつけます。子どもたちが巻き込まれ、老若男女が逃げまどう姿、人間同士が堂々と殺し合う姿。惨いです。 湾岸戦争、コソボ、東ティモール、エルサレム…。これらとどこが違うのだ、といわれれば、反論のしようもありませんが。 あえて言いますなら、「計算」しかないということでしょうか。 あまりにも「人間」が存在していないということでしょうか。 あまりにも一方的すぎる、ということでしょうか。 あまりにも卑怯だということでしょうか。 最近のパレスチナへの、あるいは全世界へのアメリカのやり方は「非道」とは思っていました。 人権会議のボイコット、京都議定書のこと、原子力発電のこと、ミサイル配備のこと。 イスラエルとパレスチナの戦いを煽っている感もありました。 いずれは「強権への抵抗」が吹き出すだろうとの予感はありました。 でも今回のようなやり方は、どんな理由があろうとも許されません。 今後、この世界がどう迷走していくのか。 いきなり免罪符を手に入れたかのように、アジアやNATO、ロシアなどの後ろ楯も得て、戦争へ突っ走りつつある大国。 日本も迎合してますしね、すでに。 これを止められる「存在」を祈るしかありません。 失われた命に、心からの哀悼を。 救助に、支援に疲れている方々に、心からの応援を。 そして新たな憎しみの芽が大木に育ちませんように。 「民族や宗教を理由に、だれもスケープゴートにしてはならない」(ハイ・ジャックされたアメリカン航空のドン・カーティ会長の言葉 「朝日新聞」9月13日付) |
さて、もうひとつ怒りを書いておきましょうか。 お聞きしたいのは、以下です。 「ピッツバーグに墜落した飛行機は、撃ち落とされたのですね。機内からの携帯電話の内容を聞けば、墜落前に爆発音があったということでしたよね」 「ハイ・ジャックされたのは11機という最初の報道はどこから出たものですか? そしてどうして立ち消えたのでしょう?」 「ホワイトハウスやエア・フォース1も狙われていた、というのは、大統領のホワイトハウス帰還が遅かったことの言い訳ではないのですね」 「これから飛行機をハイ・ジャックし、自分たちの命を賭けて、テロを遂行せんとするテロリストが、飛行場のレンタカーにマニュアルを残していくものなのでしょうか?」 「犯人はアラブ系という報道がこのタイミングで出た場合、イスラム教徒ならびにアラブ系の人々がどういう目に合うか、わかりませんでしたか?」 「狂喜するエルサレム(パレスチナ)を映すのは、確かに今回のことに喜ぶ人もいるという二面性を報道するうえで必要だったと思います。でもコメントには考慮すべきではなかったですか」 これほどの国家を揺るがす大事件です。 国民の動揺を押さえるために、一刻も早く「犯人」がほしい気持ちはわかります。 人間、「顔のない相手」より「顔を知ってる相手」の方が、落ち着いて怒りをぶつけられます。 またこの危機に、国家の首長としてソツのない行動が求められていることもわかります。 民間機をヤっちゃったなんて知れたら、それこそ「人道上」の非難のるつぼが待ち受けています。 なにかね、作意を感じるんですよ。11日からの報道の動きにね。 すごく嫌な感じです。アメリカのも、そしてどうやらアメリカのマスコミ見解に大方は同調しているらしい日本のマスコミもね。 パニックが起こるようなことを、あえて報道しろとはいいませんが、もうちょっと各局で報道姿勢が変わっていてもバチは当らないと思いますがね。 あんまり見解が同じだと、マスコミの無能か報道管制、情報操作を疑ってしまいますよ。 ついでに。ショッキングな映像を24時間流さないでくださいな。 何度見ても、基本的に感激居士な私は、「ノウ、ノウ、ノーウ! オーマイゴッド!」 思わず髪をつかんで、涙目ですよ。 心拍数は跳ね上がり、目頭が熱くなって、血圧が上がるのがわかります。 11日の夜から見ていたので、12日の午後はもうくたくたでした。 健康な私でもそうです。不整脈のある母は倒れてしまいましたよ。 「それなら見るな」といいますか? 日常、朝は「健康番組」昼は「みの○んた」午後は「料理番組」から「サスペンス」の再放送、夜は民放とNHKのニュース…と1日TVを見ることが習慣の主婦は、かけてないと落ち着かないのです。 見てるときはしんどくも何ともないですしね。 しばらくして疲れ果てている自分に気づくわけです。動悸がひどかったりしてね。 犯罪現場にいあわせた小学生や、犯罪を犯した先生に学んでいた生徒に「心のケア」を。 そんな気遣いが主流の昨今、ではあんな映像を流し続けたら、見せられる方のメンタルはどうなるか、想像できませんかね。 それこそ、子ども達のショックはどうよ、と思います。 私はあまり今まで「心のケア」に深刻ではありませんでしたが、今回のことで必要性を認めました。 自分自身、ものすごく感情の起伏が激しくなっていることに気づいたのです。 落ち着かず、椅子から立ってついウロウロしてみたり。 やはり、かなりのショックを受けたのでしょう。 皆さまに、ひどい後遺症が残らないことを最後にお祈りいたします。 |
追記:9月14日 ニューヨーク郊外在住のゆきかさまから、アメリカの報道についての情報をいただきました。 私の拙文だけでは、事件への誤解も生まれるかと思います。 転載のお許しと「あくまでゆきかさまの得られた範囲内の限られた情報です」のただし書きの下に、追記として、頂戴しました情報をまとめたいと思います。 私だけがもっているには、あまりにももったいないですしね。 ●「ピッツバーグに墜落した飛行機について」 13日付の日本の新聞にもありましたとおり、乗客が犯人を取り押さえようとした形跡があるそうです。 「おれたちはどちらにしても死ぬのだから」、別のニュースソースでは「生きて戻るために」抵抗したとのこと。また、犯人は「おれたちは爆弾も持っている」と言ったそうです。 飛行機から家族にかけられた携帯電話では爆発音が聞かれたと報道にありましたが、撃墜音ではなく、犯人の所持していた爆発物の音だったかもしれません。 NB:15日現在、ボイスレコーダーを解析中だそうです。 アメリカの報道では、旅客機を撃墜するためスクランブルがかかったのは、ペンタゴンに落ちた方だということです。 2機のF15戦闘機が「撃ち落とそうと」発進しましたが、間に合わなかったそうです。 ゆきかさまと同じく、私も「その時点であの飛行機が武器になっていたとペンタゴンがつかんでいたとは信じがたい」と思いますけど。 NB:14日夜の現地のテレビによりますと、「撃ち落とそうと」発進したのではなく、「警告を発しようと」発進したのだそうです。 どちらにしても遅すぎるスクランブルで、軍としては、遅すぎる警戒態勢を突かれるより、「民間人が多数乗っている飛行機を撃ち落としてよいのか」という議論のほうがまし、という態度がうかがわれるように思うとのことでした。 ●「ハイ・ジャックされたのは11機という最初の報道について」 11日の現地時間午前9時30分から以降のテレビ報道では「NY周辺では8機がハイ・ジャックされた可能性あり」と報道されていました。 2機の飛行機がツインタワーに突っ込み、それが“事故”ではないと判断された時点で、すべての飛行中の飛行機と連絡をとりました。 その際、連絡がとれなかった機が6機あったことから出た数字だったそうです。かなり早い時間、少なくとも午前中に出た情報と思うとのこと。 以下は、ゆきかさまからのメールの抜粋です。 「そして1機がピッツバーグに、もう1機がペンタゴンに落ち、残り4機は依然としてどこかの標的に向かっているという推測でした。あくまでも推測です。 午後2時40分頃、子どものpickで出会ったお母さんたちの間では、今にも4機のうちの1機が自分達の頭上に落ちてくるのではという恐怖が、合い言葉のようにささやかれていました。 5時頃になると『あの4機はどうしたんだろうか。そろそろ燃料はつきたころなんじゃ』と電話で話しました。 結局、夜のニュースで、他の4機はすべて連絡がとれたので乗っ取り機はもうないとわかり、ほっとしました。 11機という話は、夜10時からの日本語のニュース番組で初めて聞きました。 日本語のニュース番組(フジ系)では、その他にもアメリカの報道とかなり違ったものがあって、わが家は途中でアメリカの番組にチャンネルを戻してしまいました。 現地のニュースでも11機と言っていたところがあったのでしょうか?」 日本の報道では、アメリカのニュースソースから11機と言っていたようでした。 ずいぶん混乱していたということなのでしょうか。 ●「狂喜するエルサレム(パレスチナ)について」 アメリカのニュースでは、「たくさんのパレスチナ人がよろこんでいる」という事実の説明程度のものでした。 パレスチナのリーダー・アラファト議長からのお悔やみは、かなり早い段階で報道されていました。 だからあれを見ても、やったのはパレスチナだとはほとんどの人は思わないとのことです。 ●「放送局・新聞社ごとの見解について」 以下は、メールから抜粋させていただきます。 「こちらもほとんど見解は同じですが、それでも局によって微妙にとらえかたは違います。 [Attack on America]、[America under Attack]、[Terrorism Hits America]などの表現の違いから、その局はこの事件をどういうふうに位置づけているか推察できます。 だからいろんな局を見るようにしてます。新聞も然り。 ちなみに今日(14日)あたりから[America United]を掲げる局がでてきました」 ●「ショッキングな事実に関するメンタル・ケアについて」 以下は、メールから抜粋させていただきます。 「こちらではテレビでは12日の段階で、 子どもにはあまり映像をくり返し見せない、 子どもに嘘はつかない、 親の感情を隠さない(これは場合によるんじゃないかとは思いますが)、 等、子どもへの配慮を呼び掛けています。 13日には学校(中学校)から[Attack on the U.S.:Guidelines for Parents]という記事のコピーと、School Counselorsと Helping Local Professionals and Agenciesのリスト(カウンセラーやセラピスト、これは親も対象)をもらいました。 Guidelinesはhttp://www.aboutourkids.org/articles/crisis_parents.htmlというところで同じものが見れます。 私は自分や母へも応用してます」 私の母へのお心づかいもいただいてしまいました。ありがとうございます。 さすがに現地では、メンタリティのケアも立ち上げが早かったようです。 いかがでしょうか。現地からの情報でまた事件の違う面が見えてくるかと思います。 私の気持ちもだいぶん落ち着きました。 ただ今は、一人でも多くの方の救助と、一人でも多くの方が肉親や愛する方と再会できますよう、お祈りするばかりです。 そして、暗雲が世界を覆うことがありませんように。 With All My Prayer Dedicated to The Twin Towers |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||