古からの真実 清い恋じゃつまらない!?
Greensleeves
グリーンスリーヴス
CMのBGMなどでよく耳にします。エリザベス朝の貴族のゆったりとした足取りを彷佛とさせる、少し哀愁を帯びたメロディーが印象的な曲です。 メロディーはポピュラーですが、歌詞はそうでもないのでしょうか。実は“貢ぐ”君の歌だったり(笑)。 |
Alas my love you do me wrong to cast me off discourteously, And I have loved you so long, so long, Delighting in your company. |
(Chorus) Greensleeves was all my joy, Greensleeves was my delight. Greensleeves was my heart, And who but my lady Greensleeves. |
Thy smock of silk both fair and white with gold embroidered gorgeously, Thy petticoat of sendal right, sendal right, And these I bought thee gladly. |
(Chorus) |
Greensleeves farewell a dieu a dieu, and God I pray to prosper thee, For I am still thy lover true, lover true, Come once again and love me. |
(Chorus) |
あぁ愛しい方、あなたはこんなにも無下に私を振り捨ててしまわれるのですね。 あなたとの語らいに喜び、あなたに憧れ慕い、愛しておりましたのに。 |
(コーラス部分) 緑の袖は私の喜びのすべて、緑の袖は私の歓喜、 緑の袖は私の心、他の誰ならぬ、あなたこそが私の貴婦人、緑の袖の御方よ。 |
豪奢な金の刺繍に彩られた、汚れなき白絹の上着、 まことによい薫りのペティコート、これらを君に捧げたことも喜びでした。 |
(コーラス) |
さらば、緑の袖よ、永久に永久に。 私は君の栄えを神に祈りましょう、私は今だ御身の真なる恋人なのですから。 どうか今一度来たりて、私を愛してください。 |
(コーラス) |
これはまんま“恋歌”です、ただし不倫の。不義密通のお相手が宮廷の貴婦人なので、名を出せず「グリーンスリーヴス」と匿名で呼んでいるのだとか。 England Air(イングランド民謡)としてエリザベス朝(16世紀後半)から歌われています。 ケルト音楽かどうかは、私にはわかりません。ただ、内容の違う元唄が、1580年に出された英国の機関誌に「新しい北方の小歌」として記録されているので、この“北方”というのがスコットランドかもしれません。 今歌われている歌詞も「緑の袖の恋人」の他にいろいろバージョンがあり、「このみどり子は誰なるぞ」というクリスマス・キャロルにもなっているそうです。 この「グリーンスリーヴスについて」の拙文を初出した際に読んで下さった方から、情報をいただきました。ねむろ とお様、ありがとうございます。 「グリーンスリーヴス」のメロディを流用した讃美歌の曲名は「What Child is this」。訳せば「このみどり子は誰なるぞ」ですね。日本では「みつかいうたいて」という歌名で「讃美歌第二編」に収録。歌詞の内容は別物のようです(讃美歌の場合、基本的に歌い出しの歌詞が曲名とされるので)。どちらもクリスマス向けの内容らしいとのことです。 曲の方は、後に“英国音楽の父”レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams 1872〜1958)が「“グリーンスリーヴス”による幻想曲」(Fantasia on“Greensleeves”)を発表。こちらを知ってる方の方が多いかもですね。ヴォーン・ウィリアムズは、チューダー朝の教会音楽や民謡などを採譜し、イングランド音楽を20世紀に確立した作曲家。他に「タリスの主題による幻想曲」「イングランド民謡組曲」「南極交響曲」「すずめばち」(The Wasps)などを作曲。また指揮者でもありました。 |
訳:雑文堂(超訳です。ニュアンスをお受け取り下さい) 参考書籍:『世界叙情歌全集1』 長田暁二 編 ドレミ楽譜出版社(訳詞・解説・楽譜も掲載) 『近代・現代 英国音楽入門』 山尾敦史 音楽之友社 |
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