ポイント

Endless Dream
もっと知りたい!? 『夢の果て』




自己流ストーリー・ダイジェスト

地上には放射能が満ち、人々が地下シェルター都市に住む近未来。
閉塞した世界に、テレパシー、サイコキネシス、テレポート、クレアボワイアンス、ファイアスタータなど“人”にない力…超能力をもつ者が生まれはじめていた。
その力は社会を混乱に陥れると忌まれ、超能力者はPerplexer(混乱させる者)=<P>の烙印を押されて「病気」隔離された。
「病気」が治れば、夫は、妻は、わが子はまた普通の人間として生活できる。
そう信じる善良なる人々は、気づいていなかった。
超能力者はすべて、罪の有無を問わず、年端のいかぬ子どもさえ、密かに抹殺されていることを。

8歳のスロウはある日、他人の心の声が聞こえることに気づく。
「息子は超能力者。見つかれば殺される」
偶然、超能力者の末路を知った母ステラは絶望し、いっそ自分の手でと親子心中を図る。
しかし、かろうじてスロウは生き残った。
母の友人ヤンに引き取られた彼は、能力を隠して生活する。
しかし、超能力者が罪なく抹殺されている実態に気づいたヤン、
ある日突然、超能力をもってしまった義母ヘレン、
そして人間に追われ、逃げまどう仲間たちに関わり、
否応なく人間VS超能力者の闘いに巻き込まれていく。

死闘の果てにスロウが見つけたもの。
それは、失ってもまた還る思い、未来に紡がれる意志、
そして…闇をひらく月の光。


月



『夢の果て』の読みどころ

「読みどころ」なんて、読み手によって違うもの。だから、これはちょっとご参考って程度で読んでくださいね。
『夢の果て』を読まれた方に、「あ、こんな読みどころもあったんだ」と発見していただければ嬉しいです。

● 『夢の果て』は「社会の抑圧」に対抗して、どう闘っていくか、のヒントがあるような気がします。
  スロウやトゥリオ、それからサモスとアライアン。超能力者が生きていく未来の可能性が感じられるところが好きです。

 このページの表の文章に取り上げたポイントも「読みどころ」です。
● バラしてはならない「秘密」の存在
● 二者択一の「選択」の迷いと答え
● 影響を与える人物と与えられる人物との素地がしっかり描かれていること
● 紡がれ循環していく人の思い
  特に「回帰」する思い。人間がもつ感性のうち、いちばん人間らしいのではないかと、私は考えるので。スロウが母ステラの愛を取り戻すところ、そして「人間にまずわかってもらうことから始めよう」とするところ、好きです。
● 二重生活を送るスロウの全然ヒロイックでないケレン味のなさ
  本来このネタは、それだけでヒーローものなら重大要素なのですが、スロウにおいてはあまりに淡々としていて、彼という人物像に影響していない。私はこの淡白な描写、すごいと思ってます。

 それから、
● 力で戦うより、精神で戦う強さ
  結局、ゲオルグ3世の心を動かせたのは、スロウの心だったというところ。 
●家族の愛
  兄弟のうち、スロウは自分が連れていく、サモスは残す。親子心中にサモスも諸共にと思わなかったステラの気持ちが真に迫っているなと思いました、私はですね。
  スロウとサモスの兄弟愛は言わずもがな。
  トレリャ氏については、妹のことでPを憎み、ヘレンのことでPへの認識が揺らぎ、義理の孫のスロウのことでついに破綻したこととか。この複雑骨折している愛情も読ませます。
● 皆がそれぞれに生き方に理由をもっていること
  だから、本当に悪い人はいない。皆、自分の真心に忠実な人たちなのだと思えます。
  すると、ゲオルグ3世だけが浮いてくるんですよね。意図されたことなのかわかりませんが、この人だけ「違う」んですよ。この効果もおお、と思いました。
● 予定調和が作為的でないこと
  他の次元(物語)でそれぞれの人生を歩んでいるキャラが、たまたまこの舞台で出会ったと感じられるところ。
  フィクションの登場人物は、主人公のために配された役のはず。でも、長老(正体…)やアライアン、ゴディもリーやケビンも、スロウを導くためだけに登場したとは思えません。きちんと人生や考え方をもって“存在”しています。
  同人誌で裏話がわかるとしても、『夢の果て』という独立した物語のなかで、登場人物が皆いわくありげで中身が濃いのですね。
  これとは違うのがクァナ。彼は、すでに「次の物語」を予感させる登場です。
● 緩急のついた物語の運び
  多分、編集担当氏の意見も入ってるのではと拝察しますが、山場と平野部の置かれ方が絶妙。
  事件ばかりだとしんどいし、現実味が薄れ、心情的について行けなくなります。感情面ばかりがモノローグで書かれ、延々日常生活シーンが続くとこれまた飽きます。その配分が特に『夢の果て』はほどよい感じなんですね。
● 超能力の描かれ方が映画的
  言葉で説明不要。画面で何が起こっているか、それによって超能力の発動が理解できるのもポイント高かったです。
● かなり痛い思いをする物語なんですが、絵柄のおかげで救われています。
  …しかし、私は『砂漠をわたる風』のリーの痛いシーンは正視できなかったりする…(泣)。
● 個人的な愉しみなのですが、『夢の果て』の舞台が英国と考えると、うひゃうひゃ♪です。



BACK  TITLE PAGE  TOP

禁/転載・再配信
Copyright©ZATSUBUNDOU All Rights Reserved
Wrote 14 October 2001 for Hayaharu BBS
Rewrote 25 October 2001

Material Designed by Moonlit様
ムーンリットバナー


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送